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全日本の司令塔 グラチャンバレー男子

試合後、記者会見での宇佐美
 「個人的にはきつい、辛い大会でした。試合に出られなくて悔しかったです」と宇佐美はグラチャンを振り返った。
 
 2勝2敗で迎えた最終戦、宇佐美がスタメン起用された。第1セット序盤、日本が5連続得点。世界ランク2位のイタリアからリードを奪う健闘を見せた。「甲斐いけっ!」「ユウ!!」宇佐美がトスを上げながら叫ぶ声がコートサイドまで聞こえた。
 
 日本はセットカウント3−0で敗れた。「初日に続いて今大会2回目のスタメンということで、全力でやるしかないと思いました。結果を気にせずやろうという気持ちでやりました」試合後、宇佐美は静かに語った。


怪我から復帰、グラチャン出場へ
 今年7月、ワールドリーグ予選ラウンド最終戦の会場にTシャツにジーンズの宇佐美の姿があった。宇佐美は前半戦でレギュラー出場していたが、怪我で戦線離脱。所属チームであるNECに戻っていた。試合が終わると、宇佐美は足を引きずりながら客席からコートサイドへゆっくりと降りていった。
 9月、アジア選手権登録選手の中に宇佐美の名前は無かった。

 アジア選手権は日本の5大会ぶりの優勝で幕を閉じ、まもなくVリーグが開幕した。宇佐美は開幕戦のコートで元気な姿を見せた。アタッカーとのコンビネーションが合い、スピーディーな攻撃が効いた。チームは開幕3連勝と幸先良いスタートを切った。
 Vリーグ休止後、全日本合宿に参加しグラチャンに臨んだ。初日のエジプト戦でスタメン出場したが、第2戦から第4戦はスタメンを朝長に譲り、宇佐美は途中出場に留まった。


北京に向けて
 ワールドカップ、アテネOQTと全日本の正セッターを務めてきた。「今回、外から見て自分のすべきことが分かりました。いい勉強になりました」と宇佐美は付け加えた。来年秋には世界選手権が開催される。「今年1年間戦った選手を中心に今後もやっていきます。宇佐美と朝長には二人で北京までやってほしいと言っています」と植田監督。アテネ五輪出場を逃した宇佐美が、苦しみながらも北京へ向けて再び歩き出している。




取材・文 粟嶋奈穂子
写真 武山智史 2005年11月30日
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