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桜木ジェイアール選手がもたらすもの バスケ

公開練習・壮行セレモニー・記者会見のレポートは こちら
鈴木ヘッドコーチ、網野・川村・青野・柏木選手のインタビューは こちら



 壮行セレモニーで「桜木ジェイアールです」と日本語で挨拶すると、誰よりも大きな拍手が沸き起こった。

 アイシンの強力助っ人外国人選手、JR・ヘンダーソンの帰化申請が7月2日に認められ、日本人として北京五輪予選に参戦することになった。

 「選ばれて嬉しく思います。6年間日本にいて、日本という国を尊敬していますが、それでも帰化はデリケートな問題なので親、妻とよく話し合いました。今は晴れ晴れとした気持ちで、日本人として選出を誇りに思います。五輪予選はめったにあるチャンスではないので頑張りたい」

 ちなみに名の“ジェイアール”は、愛着があるし、日本でも皆そう呼ぶので迷いなく決めたという。姓の“桜木”の方は、どうしても漫画『SLAM DUNK』を連想してしまうが、ジェイアール選手は申請するまでこの漫画のことは知らなかったとのこと。「桜の木は日本の人にとって希望と明るさの象徴。自分もそういう風に受け入れてもらいたいから」という理由だそうだ。

 “受け入れる”ということに関しては、「日本にとってすごいパワーアップ」(#13青野)、「ジェイアールの加入でインサイドの得点の信頼度があがるし、外もスペースができて動きやすくなる。トランジションにも参加できるし、チームはかなり変わると思う」(#7佐古)とチームメートも既に前向きに受け入れていると言える。

 だが、鈴木ヘッドコーチも言うように、ジェイアール選手が加入しただけでは、コーチも選手も1番の課題にあげているリバウンドの問題が一気に解決することにはならない。

 ジェイアール選手は203cm・105kgと、アジアでは決して大きい方ではない。それに、まだチームに合流してすぐなので詳しく決めていないとのことだが、もし青野のスタミナを考えて青野と交互に出場するとしたら、ジェイアール選手が出ているときの最長身選手は竹内兄弟だ。能力が違うとはいえ、サイズがないのは変わりない。

 やはり、日本代表の生命線は“機動力”ということになる。全員で守り、全員でリバウンドを取り、全員で走る。とすると、ジェイアール選手の加入が大きいのはリバウンドよりもパッシングの部分だろう。司令塔の佐古も「加入によって1番違うのはパスのうまさ。彼は周りがよく見えていてスペースをしっかり取れるので、チームに落ち着きが出てくると思います。ジェイアールはこの合宿が初参加ですが、チームのリズムはもうだいぶ変わってきているし、何より他の選手の良さが引き立っていると思います」と言っている。

 ジェイアール選手本人は、「チームが自分に求めていることをやる。チームプレーがキー。チームメートを生かしたい」とコメントしている。日本代表は、世界選手権の時を振り返るとうまくハーフコートを作れない部分もあった。今大会から加わるジェイアール選手には、5人をつなぐ役割にこそ期待したい。


取材・文 北村美夏 2007年07月16日
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