Skip to main content.

関東大学リーグ1部最終週(10/20・21)青学大−日本大 バスケ

 10月20・21日、代々木第2体育館で第83回関東大学バスケットボールリーグ1部最終週が行なわれた。2部以下は先週までに全て終え、残すはこの1部のみ。第4試合に持ってこられた優勝決定戦・日本大−青学大は、青学大が1戦目に会心のゲームを見せて2年ぶり6回目の優勝を決めた。入替戦争いは最終日までもつれたが、2連敗の早稲田大が7位となった。

1戦目(10/20)の結果は こちら
最終戦(10/21)に向けてのコメントは こちら
個人賞と最終順位は こちら
関東大学リーグ全記事リスト
関東大学バスケットボール連盟公式サイト

【10月20日の結果】    【10月21日の結果】
法政大 98-64 専修大   法政大 64-76 専修大  レポートはこちら
早稲田大 75-81 日体大 早稲田大 57-66 日体大  レポートはこちら
東海大 67-84 慶應大   東海大 83-86 慶應大  レポートはこちら
日本大 61-97 青学大   日本大 69-83 青学大

第4試合
日本大 61(14-25 13-29 13-23 21-20)97 青学大
日本大 69(16-16 10-25 16-22 27-20)83 青学大

インサイドの機能度が大差を生む

 1センターを柱に、アウトサイドはシュート確率の高いメンバーが揃っている両チーム。持っている力の差は大きくなかった。ポイントは優勝決定戦という場でその力をどれだけ出せるかだったが、インサイドを機能させられたかどうかが明暗を分けた。


青学大#8荒尾
 「こちらの狙いは日大の#4齋藤さんにボールを持たせないこと、#23上江田が当たったときに打たせないこと、そして#11中村のファールを誘うために#8荒尾さんを中心に攻めること。結果、うまくディフェンスにはまってくれて相手に仕事をさせず、その作戦が完全に機能したと思います」(青学大#10小林高)
 「1戦目の入りはディフェンスが成功したし、(日大#11)中村がファールトラブルですぐに下がったので楽になりました」(青学大#8荒尾)
 「中で攻めていかないと外からも攻めやすくならないので、攻めないといけなかったのですが消極的になってしまいました」(日大#11中村)

 1戦目の立ち上がりは、どちらもやはり硬さがあった。だが、日本大のオフェンスが3Pに偏ったのは青学大の中を攻めさせないディフェンスが効いたという要因もあった。中村の言うように、インサイドにワンクッションいれないアウトサイドは、確率が良くない。日本大はリバウンドから青学大#10小林・#15広瀬らに走られる悪循環に陥り、開始2分からの4分間で4-7から4-21とされてしまった。

 しかもこの速い展開は、青学大の得意とするところ。最初の硬さもみるみるほぐれた。
 「18時開始の試合は今リーグ1度しかなかったので、テンションの上げ方などどう試合に持っていくかが自分の中で難しいところがありました。でもお客さんが入っていたし、応援も来てくれていたので雰囲気にはすぐに慣れて。プレーではちょっと硬い部分もありましたが、ディフェンスを頑張って速攻といった自分達のプレーが出来始めてからはもう、これまで勝ってきたいい流れでできました」(青学大#12渡邉)

 対する日本大は1Q残り2分にセンターの#11中村が2ファールで交代となり、この流れを変えられない。中が機能しないと何が起こるかというと、得点が止まる。1Q終盤から#23上江田の3P3本などで2Q6分25-35まで迫るが、青学大が先に#10小林が言ったように上江田をケアすると攻め手がなくなった。青学大は好調の#23湊谷が3P3本を返しつつ、#8荒尾が中で、#12渡邉がチームファールフリースローを誘いとバランスよく攻め、前半を終えたときには27-54となっていた。
 
 「アレック(#23湊谷)たちアウトサイド陣の調子が良かったので、自分が中で攻めてからパスアウトしたりといったことを、点差があいてもいつも通りやり続けました。去年は岡田さん、正中さん(ともに今春JBLトヨタ自動車に入団)がいてやってくれましたが、今年はすごく点を取れる人はいない。その分皆で取れたのがよかったです」(青学大#8荒尾)

献身的なリバウンドを見せた
日本大#22栗原
 「日大は外が入っていなくても続けて打ってくれるので、当たっているところだけは打たさないようにしました」(青学大#10小林高)

 後半、日本大は#11中村をコートに戻すが、攻めてもトラベリングになってしまうなど攻め切れない。また、後半からガードを#4齋藤から#10香野に代えるも打開できず、淡白なバスケットになってしまう。唯一活気を取り戻したのは3Q残り3分、#22栗原がルーズボールを追い、レイアップを続いて走っていた#23上江田がフォロー。さらに栗原がスティールも最後にボールをファンブルしてしまい頭を抱えるのを、他の4人が「ナイスディフェンス!」と盛り立てた場面だけだった。ベンチは4Q、控えメンバーを送り出していったが、よけいに何をしたいのかがぼやけてしまった。

 1戦目の後、「今日は何も言うことはない」と会場を後にした日大#4齋藤#23上江田も、「プレッシャーもそれほどなかったのですが…どうしてあんな立ち上がりになってしまったのか、わからないです」と言葉少なだった。プレーヤーは、プレーが1番の表現手段。この日はそのプレーでほとんど何も表現できず、したがって言葉で表現できることはもっとなかった。


“春の悔しさ”をエネルギー源に成長し続けた青学大
 一方、青学大は4Qにベンチメンバーを次々にコートへ送り出し、この大一番で全員出場を果たした。#18武田、#34青塚、#16新井…と普段はプレータイムの少ないメンバーも落ち着いた、かつ思い切りのいいプレーで得点していく。その度にベンチから見守るスタートのメンバーは立ち上がって声を掛けた。

 「いつも応援してもらっているので、その分応援してあげようと思っていました」(青学大#8荒尾)
 「もしかしたら“皆出られて、勝つ”という最高の終わり方ができるかな?と4Qに自分が足が攣って下がったとき(苦笑)くらいから思っていて、それができたので1番嬉しいです。久しぶりに皆出られて皆も気持ち良かったと思う」(青学大#12渡邉)
 「一緒に練習してきたメンバーが点を取ったり、試合で活躍するのは僕らにとって嬉しいこと。いつも応援してもらっている分、他の人たちが試合に出たら応援するのが自分達の仕事だと思うので、今日は皆が出たら応援しようと思っていました」(#0橋本)

 と、どの学年のメンバーも口を揃える。この互いを思う気持ちは、春のトーナメントの初戦で関学大に敗れてから、質・量ともに定評がある練習に加え、名誉を取り戻すというミッションを15人で一緒に乗り越えてきたからこそ、生まれたものと言える。

 「関学に負けたときはやっぱりショックだったし、それなりに立ち直るのにも時間が掛かりました。特に自分は試合に出してもらったのに、京王杯で優勝したいい流れのまま4年生を勝たせてあげることができなかったという思いもあって。トーナメントの後は、長谷川さん(監督)たちスタッフはユニバーシアードなどで不在だったのですが、その間も皆あの負けがあるから“ここでやらなきゃだめだ”という気持ちを持てました。3Pシュートも今日よく入りましたが、やっぱり関学に負けた後、皆で意識して何万本打とうとか徹底して練習してきたんです。それを、リーグでは14戦波なく出せたのが1番よかった。春に初戦で負けたということは下手をしたら入替もあると思って入ったし、勝っていても誰もあの時の負けを忘れず、20点30点リードできても“ああいうこともあるんだぞ”と頭のどこかで考えながらやっていました」(#12渡邉)

 夏を越えた時点で生まれ変わり、リーグを通しても成長を続けて「あの試合(関学戦)はもう、忘れている」(#15広瀬)と言えるほど見違えるチームになった。全員が問題意識を持ってレベルアップした結果、つかんだ優勝だった。

 「このチームは本当に成長したし、久々にエースがいるわけではない“全員”のチーム。関学戦はチームが弱かったのではなく、原因があったんです。シュートが入らず、守ろうとして走れなくなった。だからもう1度走る練習をし直したし、シュートも、今はノーマークならよほどのことがない限り打っていいよと言えるくらい入るようになりました」(長谷川監督)


青学大#23湊谷
 「リーグの1ヵ月半の間に、僕も含めて皆シュートが安定していったし、#8荒尾も#3竹松もゴール下でかなりいいプレーをするようになりました。試合経験を積むにつれて、自分の得意なプレーをどうしたら出せるかとか、何をしたらいいかといったことがわかって、かなり皆成長できたと思います。リーグの後半戦は接戦がほとんどなかったのはその結果です」(#1熊谷)

 「変わるきっかけになったのは日体大戦(2週目)。1回負けたことによってまた気持ちが1つになりました。あの試合は逆に負けてよかったのかもしれないです。リーグが進むに連れてどんどん良くなったので、今日はこんなに点が開きましたがもし日大とリーグの序盤で当たっていたらわからなかったですよ」(#10小林高)

 「トーナメント制の高校の大会と違って、リーグ戦はやっぱり積み重ねで1戦1戦が重要。初戦の早稲田大戦から集中力を保ってきた成果が、優勝につながったと思います」(#0橋本)

 
リーグの終わりは、インカレの始まり
 青学大のリーグ優勝が、トーナメントが終わったときから始まっているとしたら、このリーグの終わりは、11月のインカレの始まりともいえる。

 「インカレまで練習できる期間が少なく、伸び率も少なくなる分、単純計算ならリーグで優勝した僕らが日本一に1番近いと思う。このチャンスを生かせるよう、あと4週間いつも通り必死に練習を頑張るだけ」とは青学大#1熊谷。確かに、ルーキーの#0橋本をして「(日本大との)2戦目は優勝が決まったので試合に臨む気持ちが1番難しいと思う。でも集中力を切らさず勝って有終の美を飾りたい」と言えるほどまで高めたチーム力は磐石だ。

 だが一方で、今年はリーグが大混戦となったことから、どのチームも自分達にもチャンピオン奪取の可能性があると信じているだろう。1番手はやはりリーグ2位の日本大だ。最終日の2戦目も、内容を見れば2Qに22-21から得点が止まって22-36とされ、

最後までボールを追った日本大#18篠山
その後は控えメンバーをどんどん出しては個々の頑張りが生かされないという1戦目と同じパターンで、インカレにつながるとはとても言えない。だが、逆に悔しさはたっぷり蓄えられただろう。特に下級生は、新人戦に続き1年で2度も目の前で優勝されたのだ。

 「自分の技術不足を痛感しました。インカレでは何より40分間コートに出ていないといけないと思いました。自分はあまり目立つプレーはありませんが、ディフェンスを頑張ってリバウンドも頑張って、点を取るときは取って。去年4年生だった小野寺さんや橋本さんのように、“あいつがいるから安定する”と言ってもらえるような、チームの土台となる選手を目指します」(#11中村)と雪辱を期す。

 もちろん3位の東海大以下も、関東以外の代表校も、譲れない思いをそれぞれ抱えているだろう。リーグとは一転短期決戦のインカレで、それを存分に“ぶつけ合って”くれることを期待したい。


【青学大インタビュー】


#15広瀬健太キャプテン(193cm・F/4年)
(MVPに選出されたときは)嬉しかったです。でも、皆が一生懸命やってくれて優勝できたおかげなので、MVPはおまけというか。やっぱり優勝できたことが1番嬉しいです。リーグの出来は100点かというとそうではないのですが、それでもチームとして最高の結果を出せたので、よかったと思います。
(最終戦もしっかり勝った)インカレにつながる試合ができました。2戦目は全員ではないのですが、いつもなかなか出られないメンバーも出ることができて。いつも15人で切磋琢磨してやっているので、皆自信を持ってやってくれました。
(インカレに向けて)もっともっと自分達が強くならないと優勝はできないと思うので、もっと鍛えてまた一丸となって優勝したいです」





#1熊谷宜之選手(190cm・F/4年)
「リーグで優勝という結果を残せてよかったです。
(3週目に負傷するアクシデントもあった)正直、優勝はもちろん、最上級生なので活躍して貢献したいと思っていたんです。去年、3年で得点トップ10に入ったのは喜多川(専修大#32)と僕だけだったので、青学は1人でがつがつ行くチームではありませんが、得点王も狙えるだけ狙ってみようと心の中で思っていて。だから怪我をしてしまったのは残念でしたが、インカレで再挑戦(笑)します。
(インカレに向けて)最終目標であり、1番優勝したいのはインカレです。僕個人としても、小・中・高とやってきましたが今まで1度も日本一になったことがないので、インカレで優勝して学生最後の年に日本一に輝きたいと思います」



#10小林高晃選手(187cm・SF/2年) 
(リーグを通して、目立たないがチーム支えてきた)ずっとそういうプレーなので(笑)。自分が目立つときはあまりいい試合ではないんです。チーム全員が均等に活躍できるのがこのチームの持ち味なので、目立たないということはいい試合が出来ていたのかなと思います。
(昨年の新人戦優勝との違いは)センターがいてやりやすいですし、1番上ではないから緊張もそれほどなくできました。それでもリーグの序盤は攣っていたのですが…(※)。その辺りも気持ち的に成長したと思います」
※新人戦では試合終盤に足が攣りがちで悩まされた。攣りやすいのは精神的な要因もあるという。






#0橋本竜馬選手(178cm・PG/1年)
(ガードのバックアップとして初めてのリーグを戦って)いつでも試合に入れるよう、自分のつく選手を中心に相手の得意なプレー・苦手なプレーを見ていって、ガードとしてチームをコントロールすることを心掛けていました。途中から入るとなかなかなじめないものですが、すぐになじめるよう心の準備はしっかりしていました」








#34青塚太選手(186cm・SF/2年)
(1戦目、2戦目ともに終盤に出番が回ってきた)出させてもらったので、いいところを見せようと思いました。点を取りたいなと思って、まず積極的に攻めることを考えて。もちろんディフェンスでも相手にやられないように頑張りました。
(1戦目にドライブから得点したときの気持ちは)あれはフリースローを外した後だったので…(笑)、決めてやろうと思っていたんです。
(頑張り屋と聞くが、今までやってきたことは生きたか)はい。他の皆も出たい出たいと思っているので、やるからにはこれからも出られるよう頑張ります」



取材・文 北村美夏 2007年10月22日
TOP