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関東実業団リーグ戦 1次リーグ第2節レポート バスケ

 関東実業団リーグ戦男子1部の第2戦が6月14日(土)、代々木第2体育館で行われた。

 はやくもリーグ戦の鍵となる試合となった横河電機vs三井住友銀行戦。最後までもつれた接戦は、王者・横河電機に軍配が上がった。また、昨年8位の東京電力が2戦目にして勝利、昨年2位の曙ブレーキ工業が2連敗とここ数年にはない混戦模様となっている。


6月14日(土)の勝敗や次回の予定などは こちら


横河電機 74 ( 21-20 11-22 32-21 10-8 ) 71 三井住友銀行
スターティングメンバー
横河電機:#16浦中,#17高木,#19神,#20田ヶ谷,#21小西
三井住友銀行:#1黒木,#92小松,#28大石,#11馬場,#81清水
 1Q序盤、三井住友銀行が#92小松を中心に、#28大石、#81清水のアウトサイドも良く決まりリードする。インサイドが上手く機能しない横河電機は#5笹を投入、連続得点で一気に追いつき、1Q残り34秒で横河電機が逆転する。2Q開始1分に三井住友銀行は#92小松をベンチに下げる。ここで横河電機は#19神、#11飯島の連続得点でリードをひろげる。三井住友銀行はすぐに#92小松をコートに戻すと、#23原田の1on1で流れを作り、残り5分半には再び逆転。さらにリードをひろげ、10点差をつけ前半を終える。3Qスタートはどちらもリズムに乗れないが、横河電機がガード陣で崩していくと、連続ポイントで追い上げる。三井住友銀行も#11馬場がリバウンドをつなぎ得点が止まらない。点の取り合いとなった3Qで点差はなくなり、横河電機のわずかに1点リードとなる。4Qに入ると三井住友銀行のオフェンスの勢いが落ち始める。しかし三井住友銀行の必死のディフェンスとリバウンドに横河電機も流れを引き寄せられない。残り2分半をきって点差はわずかに3点。ここで横河電機は#20田ヶ谷が好リバウンドを見せると、さらに三井住友銀行#92小松の動きを止め、ペースをつかむ。三井住友銀行は#11馬場、#23原田の得点でなんとか追いすがり残り26.4秒で1点差とする。しかしプレーに焦りの出ない横河電機は崩れることなくゲームをコントロール。終了間際に#16浦中のオフェンスリバウンドが決まり、わずかに3点差で横河電機が勝利した。

『粘り強さを力に』横河電機・藤本コーチのコメントから
「前半が終わったところで10点差がついたことで逆に開き直れたところはあります。選手起用についてはまずは調子の良い選手を使っていくようにしています」
 この2試合#8小納真樹、#15小納真良が出ていないのは体調的な部分が多いという。年間通してプレータイムをコントロールしていくことになる。
「しかし、今日のような試合で最後まで小納なしでやれて勝てたことは、これからにとても大きいと思います。#19神も昨シーズンはまだ思いっきり踏み込めないところがありましたが、今はほとんど膝の怪我の影響がなくなりました」
 小納兄弟が出ないとなれば、#19神のプレーが大きく影響してくる。この日、終盤疲れからか動きが悪くなった時間帯があった。一度はベンチに下げるが、すぐにコートに戻す。
「少しベンチで休ませればなんとかできるだろうと思っていました。その通りで、コートに戻ってからさらに動きがよくなって、飛び込みリバウンドにも絡んだりできていました。ドライブが強くなったので、そこからの展開ができるようになりましたね」
 横河電機のここ2シーズンの数少ない敗戦はほとんどが接戦から粘りきれず、最後に突き放されるパターンだった。
「今日は前半ちょっとバタバタしてしまいましたが、後半は入りもよくて、さらに終盤にかけてみんなよく集中ができていました。粘り強い展開ができるようになりましたし、“こういうことがやりたい”という形ができていたと思います」
 リーグ2戦目で接戦は4連覇中のこれまでほとんどない。
「正直、勝ててほっとしています」

『これから』三井住友銀行・中井ヘッドコーチのコメントから
「残念ですね」
 試合後、三井住友銀行の中井ヘッドコーチは噛みしめるように言った。
「3Qが悪かったです。本当はあそこでもっと離して(#92)小松と(#28)大石を少しでもベンチで休ませたかったのですが、それができませんでした」
 2年目ながらチームの軸である#92小松。前半は小松野勝負強さにアウトサイドの#28大石、#23原田の動きがよく、さらにこの日小松と同じく長時間プレーし、司令塔の役目を果たした#81清水も好機を逃さず得点に絡んだ。しかし、終盤動きが鈍くなった#92小松にチーム全体もペースが落ちる。逆に終盤になって集中が増した横河電機にわずかな差で逃げ切られてしまった。
「今日は#11馬場もよくやってくれました。#28大石、#23原田もよかったです。原田と清水は先週の初戦は緊張でかなり硬かったのですが、今日は本当によくやってくれました。しかし、まだまだできていない部分が多いです。もっと力を出してほしい選手がたくさんいます。今日はいい勉強になったと思いますね」
 若いチームであり、まだまだこれからのチーム。
「できれば残りは全部勝って、2位で1次リーグを終えたいです。そうして最終日に横河電機ともう一度やりたいですね。まずは何より上位に入ることが大切です」


東京電力 80 ( 24-22 17-19 19-17 20-17 ) 75 曙ブレーキ工業
スターティングメンバー
東京電力:#4阿部,#5荒井,#6涌井,#7新家,#8見目
曙ブレーキ工業:#8浅田,#11白川,#12高橋利,#19柴田,#21チャールトン
 1Q序盤は競った展開ながらも東京電力が#7新家のインサイドと#4阿部、#5荒井のアウトサイドで好調に得点をあげていき徐々にリードをひろげる。しかし曙ブレーキ工業も途中からコートに入った#10市元のインサイドを基点にオフェンスを展開。点の取り合いになった1Qは東京電力の2点リードで終える。2Qどちらも大きく崩れることはないが、ペースも握りきれない。その中で東京電力はシュートチャンスを確実に得点につなげ、ディフェンスではゾーンを使うなどの対応で曙ブレーキ工業にリードを許さない。同点で折り返した後半、曙ブレーキ工業が#12高橋利、#21チャールトン、#19柴田と連続3ポイントでの得点で一気にリードをひろげ、曙ブレーキ工業の9点リードとなる。しかし東京電力は焦ることなくプレーを続け、#7新家のスティールからの速攻も出ると、残り1分で逆転し、東京電力2点リードで最終Qへ。4Q、東京電力はインサイド陣が奮起し、開始2分で点差を10点に広げる。粘りたい曙ブレーキ工業だがリズムが作れず得点が伸びない。運動量の落ちる終盤だが、東京電力のPG#6涌井の動きは鈍ることなくゲームをコントロール。4Q序盤につけたリードを守りきり、東京電力が1部復帰2戦目にして今リーグ初勝利を挙げた。

『崩れないこと』東京電力・#4阿部のコメントから
「いやー、勝ってしまいました。いいんですかね」
 試合後のミーティングでは、選手たちは高揚した表情で監督、コーチの言葉を聞いていた。
「今日は本当にインサイドの2人がよくやってくれました。(スターティングメンバーの#10関に代わって入った)#8見目も昨年すごく成長しましたが、今日ここまでやれるとは思いませんでした」
 なによりチームにとっていい意味で誤算だったのが#7新家のオフェンスでの活躍だった。ペイントエリアの手前当りから1on1を仕掛けると、左利きの器用さでゴール下に滑り込みレイアップを決める。この試合ではスコアリーダーとなる23得点を挙げている。
「チームの中でも、“こんなプレーできたんだ!?”ってびっくりしてました」
 そういって明るく笑うと、そばに居た新家も「自分でもびっくりです。たまたまでしょう」と言って笑う。
 元々勢いは1部の中でもトップクラスで、20点差でも最終Q一気に追いつくだけのものを持っていた。しかし、2年前、その勢いにたどり着く前にチームが崩れ、勝てないリーグ戦、そして2部に降格した。
「もう2年前のように崩れなくなりました。特に#6涌井が最後までよくコントロールしてくれるようになりましたね」
 “崩れないこと”が今シーズンの目標だと語った初戦。わずか2戦目で崩れないで戦うことの結果が勝利につながった試合をすることができた。終始競った展開の中、最後に突き放しての勝利はこれまであまり見られなかったパターンだ。
「まあ、今日は出来すぎた所がありますね。それに今日もよくなかったところがありますから、そういう部分を修正してこれからに臨まないといけないです」
 “1勝では浮かれていられない”とでも言うように、阿部の口調は緩みがなかった。

『迷い』曙ブレーキ工業・角田ヘッドコーチ&#14藤原のコメントから
「うーん…できると思ったのですがね…」
 試合後、曙ブレーキ工業の角田ヘッドコーチは重たい口を開いた。
「ゲームをコントロールしきれていないです。プレーがかみ合ってなくて、それでシュートセレクションも悪くなってしまっているし、リバウンドもとれないでいます」
 昨年2位と躍進。シーズン最終戦となった全日本実業団選手権ではJR東日本秋田に勝利した。今シーズン、どこのチームからも注目されていたチーム。しかし、シーズンが始まってみるとメンバー構成が昨年とがらりと変わり、昨年のような強さを見せられないでいた。
「新人が入って2番(SG)、3番(SF)の層が厚くなったので、#8浅田を1番(PG)にしたんですけど…」
 昨年のチームの躍進の理由の一つに#14藤原のPGとしてのゲームコントロールがあった。しかし、4月、5月を仕事でほとんど練習ができていなかった藤原をチームの中心にすることができなかった。
「基本的に練習にでているメンバーから出していくと考えているんですけどね…」

 試合後全体のミーティングの後、選手たちだけが残って話し合っていた。
「みんなどうしたらいいのかわからなくなっています」
 藤原の表情も硬かった。
「たしかに4月5月はあまり練習はできていませんが、2週間前からは練習にも出られるようになって、コンディションもあがっていました」

 新シーズンはすでに始まっている。ただ単に昨年のメンバー構成に戻せばいいということではないだろう。
「うーん…」
 何度もうなりながら顔を押さえて話した角田コーチは、その後、選手たちのミーティングを輪の外からみつめていた。


日本無線 68 ( 17-13 19-22 18-10 14-19 ) 64 葵企業
スターティングメンバー
日本無線:#6鈴木,#10樋渡,#13福田,#15尾崎,#16武藤
葵企業:#4山口,#6柳澤,#13上原,#14松岡,#15永田
 1Q序盤では日本無線にミスが多く、9点差をつけられる。しかし残り3分間で13点を連取、一気に逆転する。その後は日本無線のリードが広がりかけては、葵企業が追いつくという展開が最終Qまで続く。なかなか追いつけなかった葵企業だったが、4Q残り3分半から#6柳澤の3ポイント、#15永田のフリースロー、#5桐越の3ポイントと連続得点で、残り2分37秒ようやく1点のリードとなる。しかしここで日本無線#13福田がゴール下での強さを発揮し、残り30秒で再び日本無線が逆転し、1点のリードとなる。ここで日本無線の好守に攻めきれない葵企業は残り5.2秒、24秒オーバータイムとなってしまう。すかさずファールで止めると、日本無線#6鈴木のフリースローは2本とも決まり3点差に。タイムアウト後、最後のオフェンスをセンターラインからのスローインで入った葵企業だったが、ここでパスのミスが出てしまい、残り1.3秒で日本無線のスローインとなる。ファールで止めたときにはすでに0.5秒。最後にチーム全体がいい形で集中できた日本無線がわずかに4点差で逃げ切り、今リーグ戦初勝利を挙げた。

『経験から学ぶ』日本無線・高野ヘッドコーチのコメントから
 リードしながらも追いつかれ最後は残り3分をきって逆転された。しかしそこからチームは粘り強さを見せた。
「今日は最後いい集中でできました。こういう形で40分やれればそんなには負けないチームだと思います」
 中盤まで何度か引き離すチャンスがありながらも引き離しきれない。ミスが出たり、ディフェンスの動きが鈍くなり相手に流れをもっていかれそうになる。しかし今日はその都度必ず立ち直り、その後連続得点でリードを守ることができた。
「やるべきことをちゃんとやれていない。それはまだ選手たちの中に自信がないのだと思います。そういう意味で今日の勝ちは選手たちが今やっていることに自信を持つことができると思うのでよかったですね」
 “やるべきこと”という言葉は、先週の試合終了後、キャプテンの#15尾崎も繰り返し言っていた。
「練習ではできていても試合ではできない。それはやはり実戦での経験だと思います。先週の試合もそうですし、今日もそうで、こういう試合を経験していく中で力としてつけていくしかないと思っています」
 先週は終盤コート上もベンチも声が少なくなっていた。
「声が出なくなるのは去年からの悪いところです。直していかないといけないです」
 先週の試合後の#15尾崎の言葉通り、この第2戦では追い上げられ劣勢になりそうになってもベンチから盛んに声を送っていた。シュートミスをした選手に「OK!」と声が飛ぶ。コート上でも#15尾崎を中心に声を掛け合い、気持ちを切らさない努力が見られた。
「今の若手が主力になっていくこれから3年後くらいにチームが完成していけばいいと思っています」
 昨年の秋、高野コーチはチームのこれからについてそう語っていた。今日の試合はこれからのチームの姿を垣間見ることができた。
「まだまだできていない部分の方が多いです。でも、今日のこういう試合を勝てたことはこれからに大きいです」


新生紙パルプ商事 82 ( 11-12 31-7 26-12 14-15 ) 46 東京日産
スターティングメンバー
新生紙パルプ商事:#4近森,#11坂口,#12高崎,#15遠藤,#16山本
東京日産:#10上原,#14三原,#15眞部,#18高橋健,#20高橋優
 序盤、両チーム共にリズムに乗れず、1Qはロースコアとなる。しかし2Q、新生紙パルプ商事が#10奥のローポストを基点にオフェンスを展開し始めると、流れは新生紙パルプ商事に。速い展開から得点を重ね、前半で23点差をつけてリードする。攻守にペースに乗れない東京日産は#20高橋優を軸に攻めるも得点につながらない。速い展開から中・外と自在に攻め、さらにリバウンドも好調な新生紙パルプ商事の勢いは止まらず、一時は40点以上の点差がつく。東京日産が最後までリズムをつかめないまま、大差を付けて新生紙パルプ商事が勝利した。

『初』新生紙パルプ商事・#11坂口貫&同期新入社員
 この日、新生紙パルプ商事側のオレンジ席では10数名の若い男女が熱心に声援を送っていた。
「ここにいるみんな、新生紙パルプ商事の新入社員です。同期の坂口君に誘われてみんなで応援にきました」
 ほとんどがバスケットボールの生観戦は初めてという。
「ルールとかも全然わからなかったのですが、すごく面白かったです。会社のチームがこんなに強いなんて知らなかったですし、坂口君もすごかったです。また応援にきたいです」
 会社ぐるみの応援が盛んな新生紙パルプ商事にまた新たな応援が加わってくれるにちがいない。
「是非優勝してください!」
 チームに向けてそんなメッセージを残してくれた。

 声をかけた#11坂口はたくさんの応援に「来てくれたんだ」と、喜びと同時に驚きもあった。
「同期の人たちに一人ずつ声をかけてみました。応援に来てもらえたら嬉しいし、やる気も出ますから。でもたくさん来てくれたからちょっと驚きましたね。少し緊張しました」
 とはにかんだ笑顔で言う。
「大学(関東学院大)と違ってこのチームは走るチームなので大変です。まだまだ始まったばかりで慣れないですね」
 初戦は少し硬さが見えた。最後に試合を決するシュートを決め勝負強さは見せたが、本来の強みであるリバウンドには思うように絡めなかった。
「やはり初戦は緊張して肩に力が入ってしまいました。今日も前半はあまりよくはなかったのですが、最後いいリバウンドが1本取れました。チームも勝ちましたし、応援に来てくれた同期にいいプレーを見てもらえてよかったです」





取材・写真・文 渡辺美香 2008年06月20日
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