Skip to main content.

関東実業団リーグ戦 1次リーグ第4節レポート&フォト バスケ

 上位vs下位の最終戦となる1次リーグ第4節。新生紙パルプ商事は三井住友銀行と対戦。1点差で勝利し全勝を守った。
 ここまで勝ち星のないチーム同士の対戦となった曙ブレーキ工業vs葵企業は終盤に勢いの出た曙ブレーキ工業が葵企業を突き放し、今リーグ戦初勝利を挙げた。

6月28日の結果は こちら

新生紙パルプ商事 73 ( 22-18 10-18 12-24 29-12 ) 72 三井住友銀行
スターティングメンバー
新生紙パルプ商事:#4近森、#11坂口、#12高崎、#15遠藤、#16山本
三井住友銀行:#92小松、#0青木、#81清水、#28大石、#32田嶋

『1点差で勝つこと』
 ここまで全勝の新生紙パルプ商事にとってリーグの前半戦山場となる三井住友銀行戦。接戦ながらも横河電機、日本無線がこのチームに勝利している現在、ここでの敗戦は優勝から一歩遠のくこととなる。

「負けられないという気持ちはありましたね。それが影響したのではないと思いますが、今日は#4近森をはじめシュートが不調でした」(新生紙パルプ商事・茂木コーチ)
 この日序盤、好調だったのは新生紙パルプ商事#15遠藤。面白いようにミドルシュートを決め、序盤は新生紙パルプ商事がリードする。しかし、中盤から勢いづいた三井住友銀行が徐々に追い上げ、追いつく。#15遠藤以外の選手の得点が伸びない新生紙パルプ商事のオフェンスのリズムは崩れ始める。
「自分でも途中でもうはいらないなあという気持ちになってましたね」
 試合後苦笑いで新生紙パルプ商事#4近森は言った。2年前までのこのチームならばチームの柱の不調はそのまま勝敗につながり、立て直せないまま敗戦することが多かった。この日も3Q終了の時点で16点のビハインドとなる。
「昨シーズンから試合中に自分たちで修正できるようになってきました。今日もそれができましたね」(新生紙パルプ商事・茂木コーチ)
「残り5分で10点前後にできれば何とかなると思っていました。焦りはなかったです」(新生紙パルプ商事#12高崎)

 試合が動いたのは残り7分41秒。このQに入って少し動きが悪くなった三井住友銀行に対し、新生紙パルプ商事は控えのベテランPG#8清水をコートに入れる。その清水がトップの位置でスティールし、そのまま速攻を決めるとチーム全体が盛り上がった。そして残り5分17秒、新生紙パルプ商事#8清水が今度は3ポイントシュートを決め、三井住友銀行はタイムアウトを取る。この時点で点差は11点となった。そしてここで新生紙パルプ商事はメンバーをスタートに戻す。
 
「終盤のディフェンスは怖かったですね。あれはなかなか攻められない」
 翌日の試合の対戦相手である曙ブレーキ工業の角田コーチがこの試合を見て言った。3分を切ってようやく点差を一桁にすると、そこから新生紙パルプ商事は全員が集中し、鉄壁のディフェンスを敷いた。
「自分たちの足が止まってしまったこともあって、パスの出し所がなくなってしまいました」(三井住友銀行#81清水)
 終了間際の3分間、全く自分たちのバスケットをさせてもらえなかった三井住友銀行。

「結局やっぱりちゃんと決めてくれますよね。あのブロックもすごかったですよ。向こうもかなり飛んでたのにその上からブロックですからね。すごすぎます」(新生紙パルプ商事#12高崎)
 ここまで外のシュートが全く入らなかった新生紙パルプ商事#4近森が1on1からディフェンスをくぐり抜けてのドライブインで9点差にする。さらに残り2分半には三井住友銀行#11馬場の速攻を後ろから追いかけそのまま飛び込んでのブロックを見せた#4近森。勢いがついた新生紙パルプ商事は、次のオフェンスで新人#11坂口がリバウンドに飛び込みファールをもらう。ここまでの試合ではあまり確率の良くなかったフリースローをきっちりと2本とも決めると、すぐに新生紙パルプ商事#12高崎が3ポイントシュートで続き、残り2分を切って点差は4点となる。
 残り1分半に三井住友銀行はタイムアウトを取り、その直後、#32田嶋が得点するが、流れは変わらない。新生紙パルプ商事は#11坂口の3ポイントシュート、#15遠藤のミドルシュートで確実に加点し、残り1分を切って1点差とする。
 ここで守り合いになると三井住友銀行は前回の日本無線戦と同様先に切れ、残り22.2秒に新生紙パルプ商事#4近森にフリースローを与えてしまう。新生紙パルプ商事#4近森は落ち着いて2本とも決め、ここで新生紙パルプ商事が1点リードと変わる。タイムアウトをとって攻めを確認する三井住友銀行だったが、外から放った#92小松のシュートが外れると、そのリバウンドを取った#28大石が新生紙パルプ商事のディフェンスに囲まれ動けなくなり、こぼれたボールは新生紙パルプ商事#16山本の元に。そのままタイムアップとなり、新生紙パルプ商事がわずかに1点差で勝利した。

「勝負どころで誰が何をするのかということが上手くできなくなってしまってました。個々の選手の経験は十分なのですが、チームとしての経験の足りなさが出ましたね」(三井住友銀行・中井コーチ)
「うちはここ数年、新人があまり入っていないので他のチームに比べるとベテランのチームになってきました。その良さが出せた試合だったと思います」(新生紙パルプ商事・茂木コーチ)
 昨シーズン、大事な勝負所の試合で1点差、2点差に泣いた新生紙パルプ商事。
「1点差で勝てるチームになろうというのが今年の目標なんですよ」(新生紙パルプ商事#10奥)






曙ブレーキ工業 101 (17-29 27-13 25-20 32-27 ) 89 葵企業
スターティングメンバー
曙ブレーキ工業:#8浅田、#10市元、#14藤原、#18高橋昭、#19柴田
葵企業:#4山口、#6柳沢、#13上原、#14松岡、#15永田
 序盤、動きの硬い曙ブレーキ工業は葵企業#15永田を中心とした葵企業の速い展開の攻撃を止められず、1Q残り3分で17点差と大きくリードされる。2Q、リズムがよくないままの曙ブレーキ工業はPG#14藤原に替えて#4石田を入れる。オフェンスのおリズムがよくなった曙ブレーキ工業は、さらに途中から入った新人#21チャールトンが速さと高さを活かして得点を重ね一気に逆転する。少し点差がつき始めるが葵企業も粘り、曙ブレーキ工業がわずかに2点リードで前半を折り返す。2Qのいい流れをそのまま後半につなげた曙ブレーキ工業はじりじりと葵企業を引き離し、3Q残り4分にはリードを10点に広げる。しかし葵企業もファールトラブルの#13上原に替わって入った#9加藤のアウトサイドからのシュートが冴え離されない。点の取り合いとなった4Q、曙ブレーキ工業はリードを守りきれず、残り4分半に一度は逆転される。しかし、この場面で4番(PF)に入っていた曙ブレーキ工業#21チャールトンがリバウンドに上手く絡むとすぐに逆転。さらに点差を広げた曙ブレーキ工業は、残り1分半で12点のリードとする。最後まで粘る葵企業はエンドからのスローインをスティールしすぐさま3ポイントシュートを決めるなどわずか20秒あまりで#15永田が8点を連取し、5点差に追い上げる。しかし、この日の曙ブレーキ工業#21チャールトンは止められず、残り50秒から一気に連続得点し、点差を20点にして、曙ブレーキ工業が今リーグ戦初勝利を飾った。





『噛み合わせ』曙ブレーキ工業
「よくがんばりました」
 序盤はなかなかリズムに乗れない曙ブレーキ工業だったが、そこで流れを変えたのが控えのPG#4石田(キャプテン)だった。試合後、「自分ではそれほど意識していなかった」と言いながらも、チーム初勝利を素直に喜んだ。
「とにかく声を出していこうということがあったので、それを上が率先してやれればいいと、それだけ考えていきました。あまりプレー面では言えないので、声だけですが、それでみんな気づいてくれたらいいなと思っています」
 リーグ戦スタート時の構想ではスタートPGが#8浅田、バックアップが#14藤原で、#4石田の出番はほとんどない予定だった。しかし勝てないこともあり、昨年までのメンバー構成に戻すと、#4石田はPGの貴重な控え選手となる。
「みんな点を取れるので、1人くらい点を取りに行かなくてもいいかなと思って、とにかくつなぐことを考えていきました」

「自分が下がっている時に良くなったので…」
 前の試合からスタートPGに戻った#14藤原。前の試合の敗戦後「自分の責任」と言っていたが、この日も序盤流れをつかめず、ベンチに下がっている時間帯に流れが変わった。
「ミスが続いていたので、もっとしっかりやれと自分でも思いましたね。もう一度出たときは声を出していくことを特に意識しました」
 徐々にチームとしてよくなってはきたが、まだまだ本来の形は出せてはいない。
「今回は結果として勝てたので。内容は決して良くはなかったのですが、勝つゲームができたということが良かったです」

「今日は終盤(#21)チャールを4番で使ってみました。結構良かったですね。でも他のチームにはなかなか通用しないかもしれない」
 ようやく得た勝利にほっと胸をなでおろす角田コーチ。この日は期待の新人#21チャールトンが30得点とゲームハイの得点を叩き出している。
「葵企業はやはり(#15)永田のところがすごいので、今日はマッチアップした#19柴田と#21チャールトンがよくやってくれましたね」
 リーグ初勝利は1次リーグ前半の最終戦。この後は上位チームとの対戦となる。
「なんとかあと一つは勝っておきたいところですが、なかなか厳しいですね」

『足りないもの』葵企業#4山口 祥
「いいところまでいくのですが…集中力が切れるというわけではないのですがね。どう勝っていくのかというのがわからないというか…」
 接戦を繰り返しながらも、勝ち星を挙げられない葵企業。「全体のレベルは昨年よりよくなっている」と和瀬コーチは言っていたが、その良さが出せないまま終わるゲームが続く。
「終盤の押さえどころでのディフェンスが雑になるというか、甘くなるのは確かですね。最後足が動かなくなって、カバーディフェンスが上手く回らなくなるところがあります」

「チームをまとめていくのは大変ですね。本当に個々の個性が強くて…止まるところは止まれと言っているのですが、それがなかなか上手くいかないです」
 昨年はそれまであまり試合に出ていない選手が多い中、全員バスケで好ゲームを見せていた。
「戦力的には昨年より挙がっているのですが、それが上手く出させてあげられていないですね。チームとして個々の我みたいなものが出てくるとダメなのですが、気持ちよくやらせてあげたいという思いもあって、その辺りが難しいです」
 なかなか勝てない理由はどこか目に見えない部分があるのではと語る。
「他のチームに比べて足りないものがあるのだと思います。もっとしっかりと浸透させていかないといけないです」


横河電機 102 ( 29-22 15-15 29-19 29-11 ) 67 東京日産
 序盤こそ競ったものの、中盤から横河電機一気に引き離しての勝利。








日本無線 89 ( 24-17 22-12 18-15 25-7 )51 東京電力
 日本無線が前半で大きくリードすると、そのままの勢いで勝利した。








取材・写真・文 渡辺美香 2008年07月04日
TOP