<UNIV2004:男子第56回女子第51回全日本学生バスケットボール選手権大会
『ラストダンス』専修大

  残り16秒で#6中川和が、続いて#10波多野・#9長澤が5ファールでコートを去っていった。史上まれに見る“魅せる”というタレントが揃ったチームの壮絶な最後だった。
 年明けにオールジャパンが残っているが、どの大学も1・2回戦でJBLスーパーリーグのチームと当たる。学生が目指す対象となる大会ではない。
 そして準優勝となった決勝の翌6日、#6中川和は一足早く夢に向けて旅立った。
 決勝戦、歓声が上がったプレーがある。第2クォーター終了間際、#5中川直から#6中川和への鮮やかなバックドアプレー。「僕はパスとか結構好きなんですよ。ノールックとかもやれる。でもこれからはそれを取ってくれる人がいない」(中川直)。小学校3年生から13年間同じチームでやってきた2人のコンビプレーもしばらく見られない。
最も観客を魅了し、そして勝敗が決する前から王者と決め付けられるプレッシャーと戦い続けたチームを引っ張ってきた4年生は、これでばらばらになる。でも彼らが奏で出したプレーは、記憶には残る。そしてそれを間近で見ていた下級生達が、また新しいドリームチームを見せてくれるだろう。  

<取材・文 北村美夏> 

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