<U-24特別インタビュー>
〈終〉『今のこの気持ちでもう1回やりたい』
中川 和之選手
(専修大学4年・G)


・李相佰杯杯日本学生選抜チームキャプテン
・U-24日本代表チームキャプテン

写真:ボールキープする中川選手(ジョーンズカップ最終戦)

スプリングキャンプについて

 1週間くらい前に聞きました。その時はまだチームの練習も始まっていなくて、“遊び”くらいでしかバスケットをやっていなかったので、“大丈夫かな?”っていう感じでした。しかも始まってすぐに捻挫をしてしまって、“ああ、終わったな”って思いましたね。1次は2日目からずっと見学でした。2次キャンプからは、無理やりやったっていう感じでしたね。やっても無理かもしれないけど、李相佰杯などの選考も兼ねてるみたいなことはなんとなくわかっていたので、それもあってがんばったんだと思います。
 3次に残れたと聞いた時は、びっくりしました。まさか残れるとは思わなかったですから。選考の際言ってもらったことに関しては、“言われてみればそうかな?”みたいな感じでしたね。でも、自分がいっぱいいっぱいだったので、あまりいろいろ考えられなかったです。3次に入って、人数も少ないし、足も相変わらず痛いし、きついし、ジェリコHC(パブリセヴィッチ日本代表)も厳しいしで、“やりたくない”って言う気持ちも正直あったのですが、ジェリコHCがかなり根性論的な感じなんで、“絶対負けたくない!”っていう気持ちも強かったですね。見学するのは簡単だったけれど、ここでがんばれば何かにつながるのかなと思って、痛みは強かったけどやりました。ジェリコHCの指導は、無理なシュートを打たないとか、変なミスしないとか、状況判断のところをよく言ってました。今まで学生は勢いとかで、結構適当に無理なシュート打ったりとか、状況判断とかができてなかったりしていたので、そういうところの指導とか、あと、技術的なこととかは、やはり刺激を受けました。

李相佰杯について
 選考合宿では“残るだろうな”っていう自信があったので(笑)、選考はあまり気になりませんでしたね。キャプテンになるっていうのは、選考結果を聞く時に言われました。びっくりしたけど、“やってやろう”って言う気持ちのほうが強かったです。李相佰杯のメンバーに関してはいいんじゃないかなって思いましたね。
  そのころも足はずっと痛くて、ようやく1ヶ月前(8月:インタビューの1ヶ月前)くらいからよくなってきたかなって感じです。ジェリコHCが自分を“モチベーションがある”とかって評価していたのはなんとなく聞いていましたが、“どうせみんなに言ってるんだろう”ぐらいに思っていたんです、自分は特にほかの選手よりがんばっているようには思ってなかったので。まあ、痛そうな顔しながらやっていたのが、そう見えたのかもしれないですね。状況判断とかで見たら、自分は全然まだまだだと思います。
 李相佰杯の1戦目は、まず“こいつら弱いな”って思いましたね。とりあえずホームみたいな雰囲気でやれたので。最初始まってすぐに俺が3ポイントを決めて、それで自分もチームも波に乗れて一気にいけましたね。第4ピリオドで韓国に追いつかれたのは、あれは油断っていうか気の緩みみたいな感じですかね。相手の攻撃が変わってきても、“負けはしないだろう”っていう安易な感じで思っていましたし。逆転されるちょっと前くらいから、“オイオイ!”って感じで、“このままじゃ逆転されるぞ!”って思いました。で、逆転された時は“やっぱりな”っていうのと、“マジかよ!?”っていうのとありましたね。最後の(瀬戸山選手の同点となる3ポイントシュートが決まった)時は“よしやるぞ!”っていう気になりましたしたが、あとで考えてみると“何やってたんだろ!?”っていう感じでしたね。勝てた試合でしたよね、多分。
 日本と韓国との違いについては、ミスが少ないっていうことですね。あとプレー内容が徹底してるって言うか、ドライブして、パスアウトして…そういういわゆる“状況判断”ですよね。ドライブから空いているところへパスを出すっていうのが、ガードだけでなくて、センターまで全員ができるっていうこと。だからどんな相手とやっても、確実なプレーだから試合が競りますよね。
 2戦目はなんだかんだで1戦目の敗戦を引きずりまくっていましたね。韓国チームのことを、2戦目くらいでようやく“こいつらこういうチームなんだ”って気がついたんじゃないですかね。試合中には対応ができなかったですね。向こうはノリノリだし…。
 3戦目の前には、みんなで韓国の対策みたいなことを話しました。ようやく相手がどういうチームなのか判って、考えることができたんじゃないでしょうか。気持ちも盛り上げていこうと思って、会場入りを早くしたり、アップの時音楽をかけたりしました。効果は大きかったと思いますね。3戦目は勝つ気でいきました。最後までどうなるかわからない試合でしたが、あれは気持ちの勝ちです。粘り勝ちですね。粘りに粘ってついていって、大西が当たったり、(桜井)良太が3クォーターつないだりとか。でも、個人個人ではあまりプレーについては話してないですね。みんなちゃんと考えてやるタイプなので。

U-24、ジョーンズカップについて
 李相佰杯が終わった時に、ジョーンズカップのことはなんとなく知っていました。また、なにかあるのかな?っていう程度でしたが。メンバーも変わると思っていたし…。ジョーンズカップのこともほとんど知らなかったです。
 選考合宿は、残念ながら雰囲気が良いとは言えなかったですね。李相佰杯のメンバーは“勝つ”意識が高かったのに、上級生が入ったことで、任せてしまったところがあったんです。引っ張っていってもらおうみたいな…。でも、こういう選考合宿ですから、みんな他人にアドバイスとかなかなか言わないでしょう。誰がキャプテンってわけでもないので、なんかこう“引っ張っていってくれるかな…?”みたいな。それであんな雰囲気になってしまったんですね。
 それでシーズンの違いからくるコンディションを考えて、結果的にはまたほぼ同じメンバーになりました。良太がA代表でしたがいてくれると心強かったな。あと長澤(晃一)も。あいつのパワーはすごいってよく言ってたんで。
 大会前の合宿は、いつものメンバーでいつもの感じでやっていたのですが、今度はコーチ陣の方がだんだんピリピリしてきて、なんとなく落ち着かない雰囲気になってきましたね。練習そのものは別にああいうものだとは思うのですが、試合に必要な“緊張感”というのは、ちょっと足りなかったのでしょうね、たしかに。

  向こうに行ってからは、バスケットの人気があってすげーなって思いましたね。実は初戦の日の試合前に熱が37℃ちょっとあって、大体自分はそこから高い熱になるので“やばいな”って思っていたのですが、試合が終わったら下がっていたんです。奇跡ですね。気持ちで治しましたよ。体調はみんな結構悪くしていましたね。お腹こわしたりとかして。やはり外国でプレーするって言うのはそういう環境面とか違うなって思いました。
 第1戦(地元・台湾ブルー戦)はすごい歓声の中で、コート上でコールしても全然聞こえないので、途中からコールをサインに変えました。まさに“スーパーアウェイ”っていう感じでしたね。あの緊張はいい影響も、悪い影響もどちらもありました。
 2戦目は相手が弱かったっていうのがあるので、1戦目と違って楽にやれましたね。その後勝てない試合が続きました。つまらないミスが多かったですね。
 李相佰杯の時のチームと比べると、3番ポジションに大宮が入って大きくなった分ガードが減って、相手をかき回すという形よりも、高さで勝負って感じになったですが、実際には高さではまだ勝てなかった。だけど、大宮にとってはいい経験になったと思います。
 ワンゴールさで敗れた韓国戦の最後は、ファールに行かなくてはいけなかったのですが…。自分はボールから遠かったのでいけなくて、誰かいってくれって思ってたのですが、誰もいけなかったですね。ベンチからの指示が出せる場面ではなかったから、コートにいる選手が判断しなくてはいけなかったです。でもそういうことをゲーム後に選手の中で話したりはしてないですね。
 最後の試合は、緊張よりも“やってやろう!”という気持ちのほうが強かったです。年齢も同じくらいだし。実際やってみて、全然やれる相手だと思いましたね。それなのにこっちのやっちゃいけないミスがあったりして…。ミスが出る原因は、全員そうですが、状況判断が悪いことでしょう。経験のなさという部分も大きいと思います。

U-24に参加してみて
 ぶつかりあってやることをもっと早くから経験していかないといけないって思いましたね。やはり韓国とかを見ていると、体をぶつけてくるでしょう。自分たちはあまりそういうのはやっていないですから、ぶつからないでいて“さあ頑張って守ろう!”って言っても、守れないですよね。“相手に向かっていく気持ち”が韓国と日本では違っていたのかなって思います。オールコートプレスなんかしてても、彼らは本気でボールを取りに行こうとしているけれど、自分達はそれとはなんかこう違うんですよね。最初から“どうせパワーではかなわないから”みたいなのが自分の中にあったように思いますね。どんなに力の差があっても、しっかりぶつかっていくと相手も嫌がったと思うし、そういう気持ちが足りなかったですね。
 ジョーンズカップから、韓国と日本の違いを、ずっと考えていました。“どうして違うんだろう”って…。ジョーンズカップに参加して、韓国が他国とやった試合は本当に勉強になりましたね。個人能力だけ見たら、日本のほうが高いのですが、状況判断が日本のほうが悪いので、そういう差がついてしまっていました。集中力については、本人が意識できることが一番いいのでしょうが、できなかったらコーチに言ってもらえるといいですよね。

 これからの半年は、状況判断をよくして、つまらないミスをしないようにすることと、シュート確率を上げていくことを取り組みたいです。あとは、ディフェンスで当りに負けない、ぶつかっていくとか、身体を作っていくとか、そういうことを頑張りたいですね。
 来年のユニバ(U-24)は絶対出たいです。ていうか、今はすごく外国の選手と試合がしたいです。ジョーンズカップは本当にいい刺激になりました。そういう意味では楽しかったですね。今のこの気持ちでもう1回行きたいです。みんな思っていると思います。実現したら結果は全然違うと思います。
将来はA代表に入りたいし、NBAも目指してます。アジアNO.1ガードになりたいです!」
 
(2004年8月27日インタビュー)

<取材・文 渡辺美香 構成 北村美夏>

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