<キリンカップ特集インタビュー>
〈4〉『必死さでは負けません。』

柏倉 秀徳
173cm64kg/PG/23歳(80/08/06生)/筑波大-三菱電機メルコドルフィンズ

173cm。リングタッチジャンプでは、皆軽々とタッチする中、ただ1人ボードに触れるか触れないかだ。でも決して手を抜かない。
練習中、ミスをすると少し遠くを眺める。
「06年は遠いようですぐそこだと思うんです。」
いつも頭の中に晴れ舞台があるから努力できる。

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4月に始まった今年のA代表候補の活動を今振り返ってみてどうですか?

「所属チームだけでは出来ない経験が出来ましたね。全日本での経験によって、自分でも上手くなっている気がしています!まぁ、あれだけやっているので上手くなっていないと逆におかしいですけどね。チームと代表と、片方の経験がもう片方に生きて、また片方もよくなって…というこのサイクルを崩したくないですね。」

学生が多かった今年のメンバーはどうでしたか?

「今までこんな若いチームってないんじゃないですかね。でも底上げにつながるから、バスケットにとっていいことだと自分は思います。一方で古さん(古田悟キャプテン)のようなベテラン選手も引っ張っていて、うまい具合にいっていると思います。ただ、学生はもうちょっと元気があってもいいかな。若いんだし(笑)。後、浮き沈みがあるけれど、それは徐々に良くなってきています。」

では、6月に行われたヨーロッパ遠征については?
「バスケット的というか、バスケットに関係のあるトレーニングが中心でした。去年は走り込みなどのフィジカルが多かったですが、今年はターンとか、速いパスをするためにメディシン(重いボール)を使ったり、マシンを使ったりしました。」

ここが学べたな、というところはありましたか?
「耐えることですか。しんどかったんで(笑)。休みもなかったと思いますよ、あっても半日。でもそういう状況でも、悪いコンディションでも、出来ることを精一杯やらなければならない。身も心も大きくなれたんじゃないかと思います。ゲームの中でも色々な状況を経験できました。」

では、逆にまだまだだなと感じたところはありますか?

「まだ当たりが弱いことです。体を太くしないといけないですね。それからもっと積極的にプレーすること。これは精神的なものですね。シュートも前よりは打つようになりましたがまだまだですね。全体的にもっと自分を出せるようにしたいです。」

それでは、柏倉選手についての質問に移ります。柏倉選手の持ち味は何ですか?

「うーん、キャラ?色々狙っていたりして。何かギャップがあるじゃないですか、マジメそうに見えるって良く言われたりして…あ、でも本当に真面目ですよ、はい。持ち味は…必死なところです。」

他の2人のガードの選手(五十嵐、柏木)は気になったりしますか?

「なりますよ。負けたくないです。ポジション争いは大変だけれど、でも面白いですね。自分が勝っていると思うところは…元気なところくらいですかね。練習でも意識して声を絶やさないようにしています。ガードとしてはまだまだなところがたくさんありますよ…リーダーシップとか、色々。全て完璧にしたいです。」

理想とする“自分像”は?

「そうですね…173cmの代表選手ってなかなかいませんよね。だから子ども達に夢を与える存在でありたいですね。小さくてもトップで出来る!って。」

身長をハンデに感じたことは?

「小さいのはもう慣れました。むしろ、そういう中でどうやって生き残るか考えるのが面白い。見ている人も、そうやって小さい選手が大きい選手を翻弄している方が見ていて面白いはず。」

では、柏倉選手にとって、“日本代表”ってどんなものですか?

「小さい頃からの目標であり、夢です。それが今現実になった。でもそれで満足せず、06(世界選手権)、08(北京五輪)年の世界大会でも選ばれてコートに立ちたい。06年でさえ必死にやらなければ、Gは自分以外に今2人いるし、下からも上がってくると思うし、来年だって選んでもらえるかわからない。今年のJBLである程度結果を残して、また選んでもらって、と積み重ねてやっと夢がかなうのだと思います。」

最後に、キリンカップに向けて何か意気込みがあればどうぞ。
「プレータイムがどのくらいになるかはわかりませんが、与えられた時間の中で自分の出来ることをしたい。出た時に流れが悪ければ良く、良ければ維持できるようにして、チームに貢献したいです。(宮城出身なので)仙台で行われる第1戦は楽しみですね。」

(2004年7月17日インタビュー)

<取材・文 北村美夏>

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