<キリンカップ特集インタビュー>
〈6〉『眠れるオールラウンダー。』

渡邉 拓馬
188cm83kg/SG/25歳(78/10/07生)/拓殖大-トヨタ自動車アルバルク

練習で、カットインを何度もねじ込んだり、立て続けにシュートブロックをする時もあれば、“いたの?”というくらいボールに関わらないこともある。
「集中を維持しきれないのが自分の弱点。」
自覚している分、弱い渡邉を強い渡邉が制する日も近いだろう。

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4月に始まった今年のA代表候補の活動を今振り返ってみてどうですか?

「学生が新しく入ってきましたが、コミュニケーションが徐々にとれてきて、だいぶ合い始めていると思います。自分でもよく考えて練習に臨めています。」

では、6月に行われたヨーロッパ遠征については?
「1ヶ月間、それも海外ということで、良い経験になりました。疲労やモチベーションの波があって、自分のコンディションの面ではまだまだ問題がありましたが、2年目ということで気持ち的には余裕を持って出来ました。何をするかなどが大体つかめていたので。」

外国の選手と戦ってみて、自分達と違うな、と感じたところはありますか?
「目に見えるところでは、シュートの確実性。それから目に見えないところでも、スタミナ、当たりなどの細かいところがやっぱりまだ違いますね。当たりは、自分達が何かしようとしたときバランスを崩されてしまって思ったように出来なくて、逆に相手はそういうことがない。オフェンスでもディフェンスでも。あまり力を入れていないときでも、体の芯の強さを感じました。
後はバスケット的センスのところで、平均のレベルが高いなと思いました。自分の弱点も浮き彫りになりましたね。」

その弱点とは?
「ボールハンドリングですね。それから…さっきも少し言いましたが、モチベーションに波があること。これは前からなんですが、つい練習より試合、という風になってしまって、手を抜いてしまうことです。例えばU-24との試合も、練習試合だからと本当の試合より軽く入ってしまう。集中しているのはしているのですが、何か客観的に外から見てしまう感じで。悪いクセなんです。」

それを克服するには何が必要でしょう?

「平常心でいることですね。そして、意識して取り組むこと。それだけです。」

では、渡邉選手についての質問を続けますが、逆に渡邉選手の持ち味は?

「カットイン。それからシュートですかね。」

ジェリコHCからはどんなことを期待されていると思いますか?

「全て…ですね(笑)。オフェンスもディフェンスも。それから声を出して盛り上げること。あとはドライブで自分の良さを出すこと。」

理想とする“自分像”は?

「“オールラウンドに出来る選手”。相手にもよりますが、1・2番どちらでも出来るようになりたいです。今は2番の方が多く、1番を務めるにはまだ力不足ですが。それから外からも打てて、カットインにパスも、と全て出来るようになりたいですね。カットインは先にも言ったように得意なので、パスなど苦手なところを埋めていきたいです。」

では、渡邉選手にとって、“日本代表”ってどんなものですか?
「誇りを持ってやりたいものです。日本のために、という気持ちを常に持っていたいし、その分他の人からうらやましがられるような存在でありたい。今、日本でバスケットをやっている人にとっては憧れだと思うから、選ばれて光栄です。皆に“入りたい”と思われるような全日本を作って行きたいです。」

最後に、キリンカップに向けて何か意気込みがあればどうぞ。
「日本代表の名に恥じない試合をしたい。それから、一緒に開催される女子はオリンピックに行くので、僕らが少しでも勢いをつけられればと思います。」

(2004年7月17日インタビュー)

<取材・文 北村美夏>

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