<ピックアッププレイヤー> 全国から集まった選手の中から注目プレイヤーをピックアップ!
〈1〉菅谷徹(京産大)/桜井良太(愛知学泉大) 
〈2〉柏木真介(中央大)/朝山正悟(早稲田大) 
〈3〉石崎巧(東海大)/中川和之(専修大) 
〈4〉大田敦也(日本大)/西塔佳郎(大東大) 
〈5〉宮永雄太(大東大)/大宮宏正(専修大)

<ピックアッププレイヤー〈1〉>第1弾は、全40選手中わずか7人の関東以外の選手の中からピックアップ!

菅谷徹(京都産業大学1年)
1984年6月22日生まれ・215cm98kg 

ゲーム中、ファールを取られてしまっても「スガ、ディフェンスはこうやって手を上げてればいいから!」と4年の鵜沢が励ます。シュートやダンクを決めると、スタッフだけでなく選手からも大きな拍手が起こる。大きい選手が揃っている中でもさらに頭一つ抜け出す215cmの長身選手への期待の表れだ。しかし、本人は「みんな自分よりうまいので、ついていけるか心配です」といたって謙虚。上級生のフェイクの全てに反応してしまったりもする素直な1年生だ。

Q1.バスケットを始めたのはいつですか?
「姉の影響で、小学校3年生の時に。長いのでもう飽きてきましたね(笑)」

Q2.スプリングキャンプには慣れましたか?
「関東の人ばかりで、みんなうまいし、まだ遠慮がありますね……。」

Q3.ジェリコHCの印象は?
「厳しいですね。でも色々言ってくれるので、それをしっかりやろうと思います。」

Q4.このキャンプで学んだことは?
「知らない人とやるので、オフェンスでもディフェンスでもとにかくコミュニケーションが大事ということです。」

Q5.3次・4次合宿にむけて
「出来ることをやるだけです。それで残れたらまた頑張ります。今は、あたりが弱いので、ゴール下での強さを身に付けて、センターの仕事を出来るようになりたいですね。ディフェンスのブロックなどで自分のよさが出せたらな、と思います。」
(3月4日インタビュー)

下最左:ダンクを決める菅谷選手
下中左:手も大きい!関節1つ分以上の差がありました。「姉がいるんですけど、姉も190cmくらいあるんですよ。」

桜井良太(愛知学泉大学3年)
1983年3月13日生まれ・194cm75kg

少々踏み切りの体勢が崩れても軽々とダンクを決めてしまう桜井選手の姿に、他の選手からも「すげぇ」と声が漏れる。四日市工3年時のウインターカップ能代工業戦で51点を叩き出し、現在JBL・トヨタ自動車の小野HCが惚れ込んで学泉大に呼び寄せ、2003年度の西日本学生選手権大会ではMVPに輝いた逸材だ。

Q1.1次と2次で何か変わったことはありますか?
「ジェリコHCの考えていることが少しずつわかってきました。シュートをすごく大事にしますよね。シュートセレクションとか気を使っています。」

Q2.関東勢の印象は?
「体も大きいしレベルが高いですよね・・・・・・自分はしんどいです(笑)」

Q3.大きい選手の中でやるのはどうですか?
「リバウンドとか勝負にならないですよね。カットインしてもはたかれてしまうし。それに、チームにいる時と求められる動きが違ってきますね。学校では4番(インサイド)だけれど、ここでは1・2番(アウトサイド)。対応するのは簡単ではないけれど、本来が3番なので逆にやりやすいですね。」

Q4.ライバル!と思う人はいますか?
「同じポジションの人ですね。瀬戸山君とか西塔君とか。」

Q5.アピールしていきたいプレーはなんですか?
「見てもらいたいのはやっぱりランニングプレーですね!」(3月4日インタビュー)

上中右:豪快なダンク!
上最右:2003年西日本学生選手権3ポイント王でもある桜井選手

<ピックアッププレイヤー〈2〉>第2弾は、卒業後揃ってJBLスーパーリーグ・日立に進む2人をピックアップ!

柏木真介(中央大学4年)
1981年12月22日生まれ・183cm78kg 

センターとの距離が近く、少し眉をひそめるが次の瞬間にはうまくディフェンスのタイミングをはずして パスを入れてしまった。ここではパス回しに徹し、ここぞという場面で放つシュートはほとんど沈めてくる。 「たまたまですよ〜」と笑って見せるが、チームメートからも指導陣からも絶大な信頼をおかれているポイントガードだ。

Q1.インカレ(12月)の後、動いていましたか?
「動いてなかったです(笑)。体力がほんとないですね。ディフェンスとかついていけると思っても、足がついていかないことがある。」

Q2.ジェリコHCの印象は?
「いい厳しさがありますね。細かいところも言ってくれるので、ためになります。」

Q3.やり方には慣れてきましたか?
「うーん、ゲームでもこうしろっていうのがまだないですからね・・・・・・。求められているものがわからないので、持ってるものを出すしかないですね。」

Q4.その「持っているもの」とは?
「声を出すことですかね。それからパス。これだけのメンバーだから、自分が打つより、周りを動かして生かしたほうがいい。」

Q5.「日本代表」ってどんなイメージですか?
「すごい“上”って感じですね。ふつうでは入れない、すごいひとばかりのところ。この先入れたらいいなぁとは思いますけど、まだまだ先ですかね。」
(3月5日インタビュー)

下最左:めずらしいミス場面
下中左:パスアウト

朝山正悟(早稲田大学4年)
1981年6月1日生まれ・192cm88kg

「体力的にきついはきついけど、素直に楽しいんですよね。」単調になりがちなシューティングや、つい遠慮してしまうスクリメージでも、朝山の周りは常に笑いに溢れている。どんな雰囲気にもすっと入っていけるムードメイカーは、心からこの合宿を楽しんでいる。

Q1.ちょっと体型がふっくらされたような気がするんですが(笑)?
「いやいやいや(笑)。オフは毎年こうなってしまうんですよ。JBLの開幕(秋)にはちゃんとあわせますよ!」

Q2.いつ召集を知らされたんですか?
「結構直前でしたね。おかげで旅行などの予定全部キャンセルですよ〜。『今○○着いたよ』って電話かかってくるんで『よかったね』って(笑)。」

Q3.ジェリコHCの印象は?
「めちゃ真面目ですね。日本人に合った考え方を持ってると思いますよ。後は選手がどれだけついていけるかですよね。」

Q4.この合宿はどのように位置付けていますか?
「自分に足りないことを見つける場、ですかね。2006年と言われても今はピンとこないんで。段階を踏んでいければいいなと。」

Q5.その「足りないところ」は見つかりましたか?
「はい。やっぱり運動能力ではこの中で劣っている方だと思いますが、この先すごく速く走れるようになったり高く飛べるようになったりということはない。だから、いかに得点を取っていくか、シュートを打てるかってことだってわからせてもらいましたね。」
(3月5日インタビュー)

上中右:華麗なシュートフォーム
上最右:笑顔で雰囲気を和ませる

<ピックアッププレイヤー〈3〉>第3弾は、戦術がない中でゲームメイクを任されるガードの中から2人をピックアップ!

中川和之(専修大学3年)
1982年6月6日生まれ・180cm70kg 

ドリブルドリルではいつも余裕の表情。5対5でもそのハンドリングの良さを生かして1対1を魅せ、下でリバウンドに絡んでいくかと思うと、その視野の広さからディフェンスの出方を見てアシストも量産。確実なシュートも持っていて、次に何をしてくるのか読むことが出来ないのがこの中川という選手だ。

Q1.1次の時の怪我のほうは大丈夫ですか?
「最初は調子よくやれてたんですけどねー。2次で復帰して何とか名前覚えてもらったんで(笑)、痛いとか言ってられません!」

Q2.練習の雰囲気には慣れましたか?
「全然気が抜けないです。監視下?!みたいな(笑)。でも、いい緊張感ですよ。」

Q3.PGを任されているのはどうですか?
「背が低いので、できないと話にならないです。本当はいっぱいいっぱいなんですけど、ばれないようにやってますよ。」

Q4.他にも同じポジションの選手がいる中で、持ち味は出せていますか?
「1対1とか、もうちょっと行きたいんですけどね。でもその前にまず、言われたことをしっかり出来るようにしたいですね。ここではポジション、一人一人の役割がはっきりしているので。」

Q5.中川選手にとって、理想のPGとは?
「パスも出来て、でも攻めも忘れない!ですかね。」
(3月4・11日インタビュー)

下最左:余裕のドリブル
下中左:確実性の高いシュート

石崎巧(東海大学1年)
1984年7月6日生まれ・187cm79kg

バスケット歴はすでに14年目。ポーカーフェイスでメニューをクリアしていき、1年生にしてベテランのような風格。スタッフがモップかけやボールを片付けていたらそっと手伝う気遣いも見せる。唯一年相応だと思わせるのは、話す時の声だけかもしれない。

Q1.1年生ながら3次メンバーに選ばれましたね?
「でもやっぱり周りのレベルは違いますよ。1年生ということで経験させてくれるためじゃないですかね。」

Q2.その中で、PGとしてゲームを作っていくのはどうですか?
「実は、ポイントガードのポジションは高校3年くらいからしかやっていなくて、まだ不慣れなので勉強が必要ですね。」

Q3.PGにとって大事なものは何だと思いますか?
「味方に安心感を持たせるってことですかね・・・・・・。雰囲気的にも。どんな状況でもそれぞれのプレイが出せるようにしてあげる。それで状況が悪ければ、自分でも行かないとだし。難しいですね。」

Q4.大学とここでは何が一番違いますか?
「考えてやらなければいけないということですね。もちろん大学でやる時も考えますけど、もっとレベルが高く、考えることも多い。でも、やりがいがあります。」

Q5.この合宿でどんなことを身につけたいですか?
「同じポジションの先輩がたくさんいるので、特に4年生をよく見て少しでもいいところを盗んでいけたらな、と思います。」
(3月11日インタビュー)

上中右:ドリブルをしながら指示
上最右:整ったフォームでレイアップ

<ピックアッププレイヤー〈4〉>第4弾は、代表へ人一倍熱い思いを持つ2人をピックアップ!

太田敦也(日本大学1年)
1984年6月4日生まれ・206cm105kg 

「いいんですか、自分なんかで」。恵まれた体格とそれを感じさせない運動量で、1年生にしてA代表にも選ばれているが、けしておごることはない。このキャンプでも、ごみ集めなどを手伝い、他のメンバーともよく笑い合っている。

Q1.A代表との違いはありますか?
「(年齢が)一番下っていうのは変わらないですけど、Aではめったなこと出来ないですよね。一番年上の古田(悟:三菱電機)さんとは一回り違いますから。ここではやりたいことが出来ているほうですね。」

Q2.最下級生は大変ですか?
「何故か自分だけ洗濯とか頼まれるんです(笑)。でもそういうのは別に嫌じゃないんで、普通にやってます。」

Q3.どのメニューでも先頭に立ってやっているのは、何か意図があるんですか?
「やっぱりせっかくこういう機会を与えてもらっているんで、フットワークでも何でも積極的にやっていこう、と。HCもそういうところを見てくれるかもしれないし。」

Q4.今回は他にも大きい選手がいますが、どうですか?
「みんな大きいです。菅谷(215cm)とか立たれたらシュート打てません(笑)。竹内兄弟(203cm)も、手を伸ばしたら彼らのほうが大きいんですよ。僕は手短いんで。どんどんうまくなっていて焦りますね。でも気持ちでは負けてないです。そこだけは負けられません。」

Q5.代表に思い入れがあるんですか?
「はい。自分の夢は、オリンピックに出ることなんで。高校の時からの、最終的な目標です。」
(3月11日インタビュー)

下最左:軽々とダンク
下中左:ランニングプレイにも積極的に参加

西塔佳郎(大東文化大学3年)
1982年6月16日生まれ・197cm85kg

「おーしっ!」と西塔の声が体育館に響いた。第3・4次キャンプ参加者の平均身長は194cm。その中では西塔
はけして大きいとは言えない。それでもインサイドに飛び込み、時にリバウンドシュートをねじこむ。それはこのキャンプにかける思いの表れだ。

Q1.かなり気合いが入っていますね?
「高校の時はジュニアに入ってたんですけど、大学に上がってからはこれがはじめてなんで。選ばれてない間はほんと悔しくて、裏で練習してましたよ(笑)。インカレで結果を残せた(チームは準優勝、個人では3ポイント王獲得)のがよかったかな。」

Q2.ジェリコHCはどうですか?
「毎日のようにはまっています。でも、ジェリコHCはそれだけ僕のこと好きなんです(笑)!期待の裏返しだと思って、頑張ってます。」

Q3.他のメンバーはどんな印象ですか?
「意識が高いし、センスがありますね。“だり〜”と口では言っていてもちゃんとやっているし、技術の面でも基本が出来てるなって。」

Q4.独特のシュートフォームですよね?
「高校の時はすごい腕を伸ばして打ってたんですけど、顔の横くらいに構えるようにしたら安定しました。でもそうするとブロックされやすくなるので、その分速く打つようにしています。」

Q5.これから何でアピールしていきたいですか?
「中でも外でも出来ること!それからやっぱり3ポイントですね。」
(3月10日インタビュー)

上中右:真剣なディフェンス
上最右:得意なシュート

<ピックアッププレイヤー〈5〉>最終回は、個性豊かなメンバーの中で存在感を発揮する2人をピックアップ!

宮永雄太(大東文化大学4年)
1981年8月1日生まれ・182cm78kg 

個性豊かなメンバーの中で、決して強く自己主張をするわけではないが、しっかりと存在感があるのがこの宮永だ。リーグ戦で見せていた、相手をおちょくっているような1対1はそれほど繰り出さないが、ロングシュートを確実に決め、いてほしいところに必ず「いいよ」という表情で待っている、頼れるポイントガードだ。

Q1.何だかおとなしくありませんか?
「そうですかね?ここでは他にやる人がいるから、自分はいいかなって。」

Q2.1対1は封印しているんですか?
「行きたいけど…HCは嫌がるだろうから、パス回しに徹してますね。それに、他にも1対1に行きたいやつはいるしね。」

Q3.他にもPG陣がいますが、それはどう思いますか?
「どうでしょうね。他のガードのことはあんまり考えないですね。」

Q4.4週間やってみて、ジェリコHCの意図は理解できましたか?
「わかってきた、かな。大学のHC(ランス・ベッカート氏)も最初はわけわかんなかったしね(笑)」
(3月17日インタビュー)

最左:確実なシュート
中左:カットインも見せる

大宮宏正(専修大学2年)
1983年9月4日生まれ・198cm80kg 

体力的にきついメニューが並ぶ中、いつも声のする方にいるのがこの大宮だ。アップ中も「ファイト!」と積極的に盛り上げていき、グループでの練習も「もう声出してやるしかねー!」と仲間を励ます。おおらかさと
抜群の身体能力でHCからの期待も大きい。

Q1.いつも率先して声を出していますね。
「そうですね。もう、下手なんで声出すしかないって感じなので。」

Q2.でも、誉められたこともありましたよね?
「それは嬉しかったです、HCは何を考えているのか、なかなかわからなかったので(笑)」

Q3.この4週間の感想は?
「正直疲れましたね……でも本当に勉強になりました。」

Q4.この合宿でどんなことを得られましたか?
「ディフェンスやシュートがまだまだだなっていうこと、それから気持ちの面でもっとタフにならないといけない、ってわからせられました。」
(3月21日インタビュー)

中右 :圧巻の両手ダンク
最右:積極的に声を出す

<取材・文 北村美夏>
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