男子4強出揃う 2004.1.10

<男子第79回女子第70回全日本総合バスケットボール選手権大会>
全日本総合バスケットボール選手権大会は10日、代々木第2体育館で男子準々決勝を行った。前回優勝・準優勝のアイシン精機・松下電器はそれぞれ快勝。第3、4試合は1点を争う好ゲームとなった。


<男子第79回女子第70回全日本総合バスケットボール選手権大会 男子準々決勝 アイシン精機(JBL1位)vs横浜ギガキャッツ(関東) >
1月10日(土) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
79
22
1st
13
52
 
アイシン精機
17
2nd
12
横浜ギガキャッツ
JBL1位
18
3rd
11
(関東)
22
4th
16

王者・アイシン精機と唯一の地域代表・横浜ギガキャッツが前回に続き3回戦で対戦した。
第1クォーター、横浜は得点源の#6松島がインサイドでポジションをとらず外で勝負するが、ミドルシュートの確率が悪く、ガード陣のドリブル、パスミスも出て開始3分で2-10とされる。タイムアウト明けもリズムに乗り切れず、アイシンにバランス良くポイントされ残り1分で8-22とリードを広げられてしまう。ここから#14根間が3ポイントシュート、フリースローとつないで何とか13-22で終える。

第2クォーターはゴール下でファールがかさむが、アイシン#55マッカーサーのフリースローが外れ助けられる。横浜はここで#6松島を休ませるが、代わった#12サダトのところを攻められて17-29とされ、たまらず#6松島を戻す。するとインサイドで連続得点をあげ、残り4分15秒で23-31と一桁差に詰め寄る。しかしアイシンの隙のないディフェンスに苦しいシュートを打たされて得点が止まる間に再びじりじりと離され、25-39で前半を終える。


第3クォーター、横浜は巻き返しをはかりたいが、個人の能力に勝るアイシンの攻撃に徐々にマークが外れはじめ、残り6分で29-48とされる。攻めてもパスやカットインで振り切れず、大黒柱の#6松島のシュートにも迷いが見られる。#13石橋がリバウンドで粘るが、フリーのシュートチャンスを作れず残り1分30秒での#7福田のポイントまでの間フリースローの3点のみに抑えられ、、36-57と20点あけられ最終クォーターへ。


第4クォーター、アイシンに#2佐古、#6後藤、#55マッカーサーを下げる余裕を見せられる。代わったアイシン#43高辻、ベテランの#7外山に中、外とうまく攻められる一方、横浜は#6松島のフリースロー、速攻の得点しかあげられず残り4分で42-71と決定的な点差を付けられる。残り3分から、アイシンはさらに#5佐藤、#7外山をさげる。ベンチメンバーを相手に、横浜#6松島の連続ブロックが飛び出すが、点差を詰めるまでには至らず、52-79と力の差を見せ付けられた。



<男子第79回女子第70回全日本総合バスケットボール選手権大会 男子準々決勝 三菱電機(JBL5位)vs松下電器(JBL4位)>
1月10日(土) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
66
15
1st
21
85
 
三菱電機
22
2nd
27
松下電器
(JBL5位)
10
3rd
15
(JBL4位)
19
4th
22

松下電器は、210cmの日本NO.1センター#31青野のゴール下、そのパスアウトからの#6永山の3ポイントシュートで先手を取り、さらに2人の得点で開始3分で10-2とする。三菱#9梶山のポイントで少し詰められるが、このクォーターを21-15とリードする。


第2クォーター序盤、三菱#3大野のシュートで一時22-19とされるが、松下#6永山が4点プレイなど次々にシュートを決め、残り5分で36-25と引き離す。ここから、三菱#32富永にゴール下で踏ん張られ、#1沖田に#31青野の上からのシュートを決められるが、落ち着いてハーフコートバスケットを展開し、48-37で折り返す。


第3クォーター、#31青野が2つめのファールでベンチに下がると、三菱#45古田にインサイドを攻められ、残り6分で50-43とされて再び#31青野をコートに戻す。タイムアウトあけ、#1木下の3ポイントシュートで差を二桁に戻すと、#31青野のバスケットカウント付きのダンクも出て47-63と押し戻す。


最終クォーターも、松下は中で#31青野、外で#9仲村らがポイントを重ね、ディフェンスでも三菱のミドル・ロングシュートを抑える。終盤、三菱に#1沖田、#12柏倉のツインガードでの速い攻撃を仕掛けられるも、#14石坂が攻守によく動き、#31青野を温存して85-66でベスト4進出を決めた。



<男子第79回女子第70回全日本総合バスケットボール選手権大会 男子準々決勝 日立(JBL7位)vsトヨタ自動車(JBL2位) >
1月10日(土) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
71
20
1st
17
72
 
日立
23
2nd
17
トヨタ自動車
(JBL7位)
9
3rd
22
(JBL2位)
19
4th
16

第1クォーター、日立は1、2回戦でのスロースターターぶりとはうってかわって、#10大渕がいきなりバスケットカウントを奪い、さらに#24佐久本がバックシュートを決める。トヨタのルーキー網野を中心とした攻撃を抑え、12-4とリードする。しかし、トヨタ#12渡辺が入ってから残り3分30秒で12-10と詰められる。ここからは入れ合いとなるが、日立#9宮ノ腰の3ポイントシュートで残り1分19-14とする。しかし、トヨタ#22網野にゴール下で粘られ、#24佐久本がフリースローを与えてしまいこのクォーター20-17とする。

第2クォーター、#9宮ノ腰の3ポイントシュートで始めるが、すかさずトヨタ#22網野に入れ返される。インサイドでも、日立#10大渕がトヨタ#7加藤にいいポジションをとらせないが、速攻でダンクを決められてしまう。しかし次のディフェンスではシュートをブロックと激しく争う。日立は#7五十嵐、#9宮ノ腰の3ポイントシュートで残り5分33-24とアドバンテージを持つが、トヨタ#9折茂の3ポイントシュートで残り3分20秒で33-29と再び詰められる。しかし#9宮ノ腰の連続ポイントで追い付かせず、オフェンスリバウンドを連続で取って最後は#9宮ノ腰が3ポイントシュートを決め、残り1分30秒で40-29とする。さらに前半終了間際にフリースローも得て、43-34とする。


後半も互いに取り合いとなるが、第3クォーター残り6分47-37からフリースロー、トヨタ#12渡辺の3ポイントシュートで残り4分47-46と三たび追い上げられる。日立はフリーでシュートに持ち込めず、残り3分トヨタ#9折茂のシュートで47-48とついに逆転される。さらにトヨタ#7加藤、#22網野のポイントで47-54とされるが、残り20秒の攻撃で#15佐藤が一度カットされたボールをすぐに取り返し、それを受け取った#9宮ノ腰が残り0.1秒で文字通りのブザービーターとなる3ポイントシュートを決め、52-56と50点台に乗せて最終クォーターへつなげる。

第4クォーターも日立はうまく攻め切れず、ミスからの速攻で53-58とされるが、#21戸倉の3ポイントシュートで56-58と食らいつく。そこから残り5分まで2点差の攻防となる。残り4分で日立#7五十嵐がトヨタ#5上山のドリブルをカットし、#11菅が速攻に持ち込むが、トヨタ#22網野に指先だけ触れられボールがリングの付け根で静止する。外に落ちかけるが、フォローに走った#24佐久本が触って、62-62の同点とする。しかし、ファールによるフリースローを与えてしまい、62-66と苦しくなる。残り1分40秒64-68となって、日立は#11菅が2度リバウンドをとって粘り、ファールを得た#21戸倉がフリースローを決めて残り50秒で66-68とする。しかしボールサイドを切れようとしたトヨタ#22網野に#24佐久本がファールしてしまう。フリースローを2投決められ残り40秒で66-70となるが、#24佐久本がミドルシュートを沈め、残り27秒となる。日立は前からあたって引っ掛け、トヨタ#31知花と日立#7五十嵐が体を投げたしてルーズボールを追う。ラインクロスで21秒を残して日立ボールとなる。

タイムアウトあけ、日立は同点の2ポイントではなく逆転の3ポイントを狙うが、#11菅の3ポイントシュートはリングに当たって大きくはねる。リバウンドは日立に出て、もう一度#11菅が迷いなく放った3ポイントシュートはリングに吸い込まれ、残り10秒で71-70と勝ち越す。タイムアウトあけのトヨタの攻撃で、#9折茂のバックシュートは何とかチェックするが、リバウンドがラインを割ってトヨタボールのエンドスローインとなる。残りは2秒だったが、トヨタ#12渡辺の浮かせたパスをゴール正面の#9折茂に通されてしまい、冷静に決められてしまう。既に残り1秒なく、#7五十嵐が放ったボールは大きくゴールを外れ、1点差でタイムアップとなった。



<男子第79回女子第70回全日本総合バスケットボール選手権大会 男子準々決勝 東芝(JBL3位)vs新潟(JBL6位) >
1月10日(土) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
87
20
1st
13
76
 
東芝
18
2nd
16
新潟
(JBL3位)
15
3rd
22
(JBL6位)
22
4th
24
 
12
OT
1
 

第1クォーター、東芝は#33宋のミドルシュートで先制する。新潟のシュートが外れる間に、#51北、#2中元らのシュートで残り4分30秒で12-2とリードする。新潟#6堀田の連続3ポイントシュートで詰められるも、20-13とする。

第2クォーターもリズムに乗ったオフェンスを展開し、#51北のジャンプシュート、代わった#3佐藤のスピードに乗ったレイアップシュートなどで残り4分30秒34−17とダブルスコアとする。ここから新潟#12平岡、#25竹田のシュートで追い上げられるが、2度のタイムアウトをとって流れを作らせず、前半を38−29とリードする。

後半、新潟#25竹田の3ポイントシュートで40−34と詰められる。東芝は#34伊藤がインサイドでファールを得るが、フリースロー4本中1本しか決められない。ディフェンスでもリバウンド争いで#33宋が続けてファールをとられてしまい、ボールを支配される。新潟#10庄司のマイナスからのジャンプシュートで残り7分41−38とされ、さらに速攻のパスミスからカウンターで#34高橋にダンクを許し、残り6分で41−40とされる。ここで東芝#6節政が新潟の中途半端なパスをカットするが攻め切れず、リバウンドは新潟に出て、#34高橋のミドルシュートで残り5分43−42とされる。タイムアウトをとるが勢いを止められず、#34高橋のポストから43−44とついに逆転される。

しかし#51北がすかさず3ポイントシュートを決めて、このクォーターやっと2本目となるフィールドゴールで再びリードする。さらに#34伊藤のリバウンドシュート、#3佐藤のフリースローで50−45とするが、新潟#6堀田に4点プレイを決められ突き放せない。東芝は#2中元がバスケットカウント、#51北が新潟#4長谷川からオフェンスファールを奪い53−49と踏ん張る。しかし1分を切ってから#11折腹が#12平岡にチームファールによるフリースローを与えてしまい、53−51と何とかリードしてこのクォーターを終える。

最終クォーター、東芝はミスから新潟#34高橋に決められ残り9分53−53の同点とされる。しかしベテランガード#6節政が3ポイントシュートを入れ返し、56−53とする。するとこちらもベテランの新潟#10庄司に3ポイントシュートを決められ、残り7分60−60と再び振り出しに戻る。#51北のシュートが外れる間に新潟#34高橋のアリウープでのリバウンドシュートなどで残り5分で60−66と離されるが、#11折腹が倒れこみながらねじ込み、カウントワンスローも決めて63−66と食らいつく。さらに#34伊藤がゴール下で粘り、フリースローを今度は確実に決めて65−66とする。しかし新潟に24秒ぎりぎりでのシュートを続けて決められ、残り2分30秒で65−71と戻される。パスカットからの速攻もファールでしかとめられないが、代わった#33宋からのパスアウトを受けた#6節政が3ポイントシュートを決め、残り2分で68−72とついていく。

さらに#33宋がリバウンドで粘ってフリースローを決めワンゴール差とする。新潟#6堀田にロングシュートを浴びるも、今度は#34伊藤がリバウンドでファールを得て、残り1分72−74とする。ここで#51北が新潟#25竹田のドリブルにファールしてしまい、チームファールによるフリースローを与えるが、1投落ちて72−75と何とか生き延びる。そして#34伊藤のスクリーンから#51北がファールを帳消しにする3ポイントシュートを決め、残り40秒で75−75とついにとらえる。新潟は#10庄司の1on1に託すが、そのカットインがオフェンスファールとなって、24秒を残して東芝ボールとなる。タイムアウト明け、時間を使ってから選択したシュートは#6節政のカットインだったが、新潟の厳しいチェックで流れたシュートはボードの角にあたって決着は延長に持ち越された。

5分間の延長では両者激しいディフェンスを展開するが、東芝は新潟#34高橋からゴール下でファールを得る。ベンチに座ってしまうほど悔しがる#34高橋。これを2投決めて抜け出し、さらに新潟#10庄司の3ポイントシュートのリバウンドをとった#6節政がスピードで運び、走りこんだ#11折腹の速攻が決まって残り4分で79−75とする。新潟に簡単にシュートを打たせず得点を抑える間に、#33宋がゴール下でファールを取り、新潟#10庄司をファールアウトに追い込む。東芝は新潟の得点を#4長谷川のフリースローの1点のみに抑え、ファールゲームによるフリースローを確実に決めて、接戦を制した。

<取材・文 北村美夏>

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