男女準決勝:日本航空初の決勝進出(女子)、男子は2年連続アイシン-トヨタ 2005.1.8 特集ページはこちら
1月8日、代々木第2体育館で男子第80回女子第71回全日本総合バスケットボール選手権大会(オールジャパン)が行なわれ、男女準決勝が行なわれた。

 JOMOvsシャンソンは、このカードならではの激しい戦いとなったが、点の止まる時間帯のあったJOMOに対しシャンソンは5人それぞれが要所でのシュートを決め逃げ切った。

  トヨタ自動車-日本航空は、トヨタ自動車が3ポイントシュートとゾーンディフェンスで粘ったが、勝負所で日本航空が正確で力強いシュートを決め初の決勝進出を決めた。

  決勝は9日14時から行なわれる。 

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<平成16年度男子第80回女子第71回全日本総合バスケットボール選手権大会 女子準決勝>
1月8日(火) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
74
21
1st
11
67
 
シャンソン
22
2nd
18
JOMO
14
3rd
18
17
4th
20

スターティングメンバー
シャンソン:#0永田、#3三木、#7相澤、#8石川、#12江口
JOMO:#1大神、#8田中、#10矢野、#11川畑、#15諏訪

 シャンソンは#8石川のゴール下で先制すると、#3三木ら全員が積極的にゴールに向かい残り7分9-4と先行する。だがJOMO#1大神がひるまず速攻を作り、パスカットから自らが決めて残り5分11-11とする。しかしその後ファールが続いてフリースローを与え、さらにシャンソン#7相澤に体勢を崩しながらの3ポイントュートを決められてしまう。ここでJOMOは#4立川を起用するが、シュートミス・ファールと流れを変えられず、残り2分15秒11-17でタイムアウトを取る。だがチームファールによるフリースローで11-21と差を広げられて終える。
 
 第2クォーターに入ってもJOMOは#10矢野が難しいシュートになってしまい思うように攻められない。#15諏訪・#11川畑がインサイドでつなぐが、シャンソン#3三木の3ポイントシュート・#7相澤のバスケットカウントとなるカットインで残り6分30秒17-29となる。JOMOは前の試合30得点の#1大神が3ポイントシュートを決めて流れが傾くのを食い止めると、#4立川も続く。さらに速攻で得たフリースローをルーキーの#15諏訪が2投とも決め25-31まで詰めるが、すかさずシャンソン#0永田にバスケットカウントを返される。さら

オールラウンドに得点する勝負強さを
見せたシャンソン#3三木
にJOMOはその直後の運びでコミュニケーションミスによってパスがラインを割ってしまい、シャンソン#8石川のリバウンドシュートにつなげられる。残り2分45秒27-36でJOMOのタイムアウトとなるが、再開後もJOMO#10矢野の1on1を#8石川にカットされて速攻を決められ、#1大神もシャンソン#3三木の走りこみに3つ目のファールときっかけをつかめない。シャンソンがフリースローを落としてくれるものの、JOMOは残り18秒に#11川畑がロングシュートを決めるのがやっとで、シャンソン#7相澤にブザービーターとなるリバウンドシュートも決められ43-29シャンソンリードで折り返す。

 第3クォーター、JOMOはオールコートのディフェンスから#1大神ボールを奪って速攻を決め、さらに#10矢野の1on1も決まって残り7分30秒39-45まで追い上げる。だがシャンソン#3三木が連続で3ポイントシュートを沈め、さらに#7相澤にパスカットから速攻を決められ残り5分41-53と再び2桁差に戻されタイムアウトを取る。この後JOMOは#15諏訪がインサイドで奮闘し、47-57で望みをつなぐ。

  第4クォーター、シャンソンはルーズボールの混戦から1人立ち上がる強靭さで#0永田が決める。さらに#3三木に

攻守でチームを支えた
JOMO#11川畑
バスケットカウントを決められてしまうが、ワンスローのリバウンドからJOMO#10矢野がバスケットカウントを決め返す。さらにパスカットからJOMO#11川畑が速攻を決め残り7分50秒52-61とすると、シャンソンはタイムアウトを取る。あけた後#0永田が1on1を決めるが、JOMO#10矢野が速攻・3ポイントシュートと決め、じわじわと追い上げる。だがシャンソン#12江口に決められた後ミスが出てしまい、残り5分30秒57-65で今度はJOMOがタイムアウトを取る。

その後シャンソン#7相澤のアシストから#0永田に決められ10点差となるが、JOMO#4立川が3ポイントシュートを決め、さらにルーズボールから#1大神も決めて残り3分45秒63-67となる。すると次のワンゴールを互いになかなか決められないが、残り1分50秒シャンソン#3三木が千金のジャンプシュートを決める。だがJOMOもチームファールによるフリースローで食い下がり、残り1分15秒66-69とついに3点差となる。JOMOはさらにオールコートディフェンスの激しさを増し、シャンソンはあわや8秒オーバーとなりかけるが残り3分から入っていた2mセンター#33河へのロングパスで切り抜ける。だがその#33河のインサイドの1on1は外れ、残り56秒でJOMOボールとなる。だがうまく組み立てられず、24秒クロックぎりぎりでの#1大神のシュートは外れてしまう。ファールゲームに持ち込むが、シャンソン#3三木にきっちり決められ、74-67でシャンソンが逃げ切った。
(北村美夏)

JOMO・内海ヘッドコーチ
「前半戦、我々のトランジションゲームができず、遅い展開になってしまいました。その中でペースがつかめない時間帯が多かったです。後半は追いかけると言う部分もあって積極的にディフェンスからのトランジションができました。前半のリバウンドが取れていなかったことも大きいです。トランジションはフルコートのディフェンスも大事ですが、リバウンドを取らないとできませんから。これはこれまでのリーグ戦でもいえる事で、これから修正していかなくてはいけないです。
ゲームの入り方も余りよくなかったですね。これももう1回徹底させなくてはいけません。今年のチームはトランジションの速いゲームで、速い展開に持ち込むことが必要です。競った展開で第4クォーターまでもっていって、最後に仕掛けるという展開が望ましかったのですが。先に相手に10点差をつけられていては今のチームではそれを跳ね返すことはできないですね。第3クォーターで1桁差に、第4クォーターで3点差までいけたのですが、そこで勝ちを引き寄せるだけの力が、まだうちの選手たちには足りません。「確実に点を取る」という勝負所が掴めていない。勝つことによって自信がつくという面はありますが、こういう(負けの)経験を積みながら獲得していくものもあります。勝負所のシュートが落ちるのですから、あとは入れるだけです。」

前半2得点に終わったJOMO#10
矢野は時折疲れたような表情も見せた
JOMO・#1大神選手
「やはりディフェンスとリバウンドができていなくて、自分たちのバスケットができませんでした。JOMOの弱いところを今日改めて感じました。でも、これで終わりではないので、残りのリーグをみんなでそういう部分を意識しながら戦っていきたいです。」

JOMO・#10矢野選手
「リバウンドが取れなくて、相手にセカンドショットを与えてしまい、ペースを掴まれてしまいました。それで自分たちのディフェンスのリズムが崩れてしまい、そのまま前半が終わってしまったことが大きかったです。後半は追いかける形になって、今の内のチームの状態ではそういうビハインドを跳ね返す力はまだまだないです。」

シャンソン・李ヘッドコーチ
「今日はディフェンスとリバウンドが勝ちにつながりました。ゲームプランとしてはいつのもうちのゲームをやるだけでした。(2回戦で怪我をした)河選手の調子はまだ悪いので、代わりに江口をはじめとする3・4・5番の選手たちでリバウンドを取りにいくようにしました。
(#33河選手の器用については)河は準備は万全にしていましたが、まだ調子はよくないので、使わなくて済めばベストでした。最後にちょっと出しましたが、みんなが頑張ってくれてほとんど出さなくても結果がでたので、よかったです。
(JOMOとの対戦は)元々お互いに、今の調子や相手の特徴、弱点などをよく知っているので、今日はみんながそれに上手く対応してくれました。
(決勝に向けて)“絶対勝つ!”という強い気持ちで臨みます。なによりチームが一丸となっていけているので、決勝戦もいい結果がでると思います。」

シャンソン・#0永田選手
「ゲーム全体としては、フリーでのオフェンスが悪くて、やるべきことができていない部分がありました。でも、大事なところでリバウンドが取れていたし、自分たちのいいところが出ていたと思います。
(JOMOとの対戦は)今のリーグではうちが勝ってますが、去年のこの大会でも負けているし、去年のチャンピオンチームでもありますから、自分たちの中にちょっとでも「大丈夫!(勝てる)」という気持ちがあるとやられると思っていました。自分たちは“チャレンジャー”としてチーム一丸となってぶつかっていくだけでした。
(決勝に向けて)これまでここに向けていろいろ準備をしてきました。明日は自分を、そしてチームメイトを信じてやるだけです。」

シャンソン・#3三木選手
「点差が開いた後にミスが出てしまって、ディフェンスが空回りしてしまいました。
(#7相澤の加入で変わった点は)去年は1人でボールを運ばなくてはいけなかったのですが、今年は運んでくれるので楽になりました。それに私は自分が攻めにいってしまうタイプなので、上手くロール(パスを回す)してくれるのですごく助かってます。
(決勝に向けて)ベンチに入れない選手もいますから、コートに立つ私たちはしっかりとしたプレーをして、終わった時にみんなで喜べるように頑張りたいです。」

シャンソン・#7相澤選手
「後半にもっと点差を開けるかと思ったのですが、ミスが出てしまって、自分たちで崩れてしまいました。そういう点を修正していかないといけないです。
(決勝に向けて)もちろん優勝はしたいですが、あまりムキにならずにいきたいです(笑)。一つのリバウンド、1つのルーズ(ボール)をしっかりと取れるように、気持ちを集中してやっていきたいです。」


<平成16年度男子第80回女子第71回全日本総合バスケットボール選手権大会 女子準決勝>
1月8日(火) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
63
14
1st
21
74
 
トヨタ自動車
20
2nd
16
日本航空
13
3rd
19
16
4th
18

スターティングメンバー
トヨタ自動車:#2桜庭、#4矢野、#5小田、#8榊原、#15池田
日本航空:#6堀部、#7薮内(夏)、#10柳本、#11矢代、#13畑岸

  日本航空は#7薮内夏がジャンプボールから簡単にレイアップシュートを決める。さらにトヨタのシュートが落ちる間に#11矢代がインサイドを決め、残り6分20秒10-2としてトヨタはタイムアウトを余儀なくされる。だがターンオーバー後のファールがかさみ、日本航空はチームファールによるフリースロー、さらにパスカットから#7薮内夏の速攻で15-2とリードを広げたところでタイムアウトを取る。再開後、トヨタは#2桜庭のシュートでやっと加点すると、#4矢野が遠い位置から3ポイントシュートを決めて追い上げる。さらにスクリーンでのファールの間に放たれた#2桜庭の3ポイントシュートがカウントとなり、さらに#5小田がフリースローを得る。これは2投とも外れたが、残り1分20秒17-14と一気に詰める。だがトヨタはその後第1クォーター最後の攻撃で24秒オーバーとなるのに対し、日本航空は残り3秒で#7薮内が決め22-14とする。

  第2クォーター、トヨタ#4矢野が第1クォーターと同じ位置から再び遠目の3ポイントシュートを決め、さらに#2桜庭がリバウンドから運びそのまま3ポイントシュートを決めて開始1分で21-20とする。そして#4矢野のパスカットからの速攻で逆転するが、日本航空は#11矢代がすかさずバスケットカウントを決め

インサイドで力強くプレーした
日本航空#11矢代
、さらに#7薮内夏が3ポイントシュートを決めるが、リズム良く攻められず残り6分10秒29-22でタイムアウトを取る。だがフィールドゴールをあげられず、残り5分にはトヨタ#4矢野に3ポイントシュートを決められ29-27と再び詰められる。だが#6堀部がその直後のバックドアで得たフリースロー、残り3分30秒にはエンドスローから3ポイントシュートとつなぎ、残り2分40秒33-27で今度はトヨタのタイムアウトとなる。あけた後日本航空は#3薮内敏のフリースロー・ゴール下で37-27と2桁差を付けるが、残り2分間ノーゴールの間にトヨタ#8榊原に決められ、さらに#1三浦のパスカットから残り0.7秒で受けた#4矢野がトップから3ポイントシュートを決め、37-34で前半を終える。

  第3クォーター、まずトヨタ#15池田がシュートを決めるが、その直後に日本航空#13畑岸の1on1にファールしてしまい4ファールとなってベンチに下がらざるを得なくなる。だが#2桜庭がドリブルから3ポイントシュートを決め、残り8分20秒37-39と逆転する。さらにトヨタのゾーンディフェンスに対して3ポイントシュートが落ちる間に、トヨタ#4矢野に3ポイントシュートを決められてしまう。トヨタ#2桜庭のパスカットからの速攻を何とかファールで止めたところで、日本航空はタイムアウトを取る。すると落ち着いて#8岩村が3ポイントシュートを決め、さらにゴール下でフリーになった#11矢代が決めて残り5分40秒42-42と追いつく。トヨタはここで外のシュートが落ち始めるが変化をつけられず、早打

巧さが光った日本航空#3薮内(敏)
ちになってしまう。その間に日本航空は#11矢代がチームファールのよるフリースロー、さらにリバウンドシュートをバスケットカウントで決めて49-44とする。そしてトヨタのゾーンがインサイドに気を取られたところで#7薮内夏が3ポイントシュートを決めて52-42と10点差をつける。残り1分30秒からまたしてもトヨタ#2桜庭に3ポイントシュートを決められるが、日本航空#3薮内敏を起点にインサイドで加点し56-49で終える。

  第4クォーターは、トヨタ#4矢野がこの日6本目となる3ポイントシュートを決めて始まる。だが日本航空は#3薮内敏がディフェンスを良く見て1on1を続けて決め、#6堀部のシュートで62-52と10点差に戻す。それでも残り5分50秒、1on1頼みになってしまっているのを修正しようとタイムアウトを取る。しかし再びフィールドゴールが止まり、残り3分45秒62-58とまたしても追い上げられる。だが#11矢代がインサイドをねじ込むと、残り3分リバウンドルーズで手を出したトヨタのセンター#55角井が5ファールで退場となり流れが傾く。#8岩村・#11矢代がフリースローをきっちり決めて残り2分70-58とすると、トヨタの粘りを#8榊原の3ポイントシュート・1on1に抑えて74-63で決勝進出を決めた。
(北村美夏)

日本航空・林監督
「正直に言って申し訳ありません。今日は思ったプレーが1つもできていない。本当に心からお詫びしたいです。
ただディフェンスでは思ったくらいの動きができました。今日の勝利はディフェンスとリバウンドですね。オフェンスとしては何もできていません。相手がゾーンを敷いた時そのやぶり方がまずかったしその前のマンツーマンにもてこずっていました。大事なのは、決勝に行くくらいのレベルのチームなら相手がディフェンスを変えても対応できないといけないのに、できなかったことは監督として申し訳ないです。
うちがやっているのは簡単なことなのです。コンビネーションが崩れるとだめ。明日は勝ち負けよりまず立派なプレーを見せたいと思います。」

トヨタは#4矢野、#2桜庭の3Pで追い上げた
日本航空・#7薮内(夏)選手
「決勝と言う意識はなく、もう1度シャンソンと試合が出来るいいチャンスだと思うので、今日の反省点を修正して明日に臨みたいです。」

日本航空・#11矢代選手
「今日は監督が言うように自分達のプレーができなかったのが悔しいです。相手のディフェンスに対しての自分達のコンビが全員一致していなかったり、自分のチャンスを逃してしまったりしていました。これまで明日のためにやってきたので、それを修正して明日しっかりやりたいです。」

トヨタ自動車・丁ヘッドコーチ
「今日は本当に勝ちたい試合でした。相手が大きいからスピードで勝負と思ってメンバーを代えましたが、結果的にその代えた選手が良くなかったです。
第3クォーターはこちらの計算通りです。ゾーンディフェンスでJALの形をしにくくさせました。
今日の1番の敗因は体力ですね。挽回、逆転させようとする気持ちがあっても体が動かない。またその気持ち、意識の面でこれで満足してしまう選手が多いのです。だからいい試合でも最後に勝てない。でも今日は自分が考えるよりもすごく頑張りました。うちの選手にはこれが精一杯です。」

トヨタ自動車・#4矢野選手(写真)
「出だしはJALのペースで、途中うちのペースになりましたがミスが出てしまい、追いつこうとしましたがうまく行かなかったです。勝負どころで思うようにできませんでした。」

<取材・文 北村美夏、渡辺美香>

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