<第44回関東大学バスケットボール新人戦>

第44回関東大学バスケットボール新人戦は20日、代々木第2体育館で決勝と3位、5・6、7・8位決定戦を行った。
7・8位決定戦は、拓殖大が2クォーター目に速攻を量産し、専修大の追い上げを振り切った。5・6位決定戦は、日大の得点源#4菊地を封じた早稲田大が勝利。3位決定戦は、法政大が日体大を破った。
決勝戦は、昨年1点差で準優勝に泣いた東海大が前半リードするが、最後までディフェンスの集中を切らさなかった筑波大が逆転し、16年ぶりの優勝を飾った。
<最終成績>

優勝 筑波大学(16年ぶり4回目)

準優勝 東海大学
3位 法政大学
4位 日本体育大学
5位 早稲田大学
6位 日本大学
7位 拓殖大学
8位 専修大学

優秀選手 小松昌弘(筑波大学#4)、尾崎宏次(筑波大学#5)、石崎巧(東海大学#4)、高久順(法政大学#9)、高田秀一(日本体育大学#5)


得点王 菊地祥平(日本大学#4) 126点(3ポイント1本、2ポイント51本、フリースロー21本)
アシスト王 小松昌弘(筑波大学#4) 17本
3ポイント王 山城大作(筑波大学#14) 13本
リバウンド王 高久順(法政大#9) 73本(オフェンス時20本/ディフェンス時53本)
「運が良かっただけ(と笑顔の中にも悔しそうな表情)。3位入賞は、これまでずっと4位が続いて自分達の気持ち的に壁みたいなものがあった。本当は優勝が一番良かったけど、少しでも上に行けてよかったと思う。でもまだ上が残っているから、来年はもっと上に行って欲しい。この大会では、上級生としてチームをまとめたりしなければならないのが難しかったですね。」
新人王 山城大作(筑波大学#14)
「チームの優勝だけを考えていたので、自分が新人王とは。自分はシューターですが、1・2戦目は緊張してしまった。なのでなるべくシュートを打つようにしました。自分では、いつも2本に1本は入れるつもりでいつもやっているので、そんなに当たった!という感じではない。この大会で学んだことは、一生懸命やれば結果が出るということ、それから当たりに弱いのでウエイトをしっかりやらないと、と改めて思いました。賞を取ったことでマークされるかもしれませんが、夏に吉田ヘッドコーチから色々教えてもらって、秋のリーグで貢献したいです。」


<第44回関東大学バスケットボール新人戦 決勝>
6月20日(日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
62
17
1st
18
67

東海大
19
2nd
12
筑波大
18
3rd
21
8
4th
16

スターティングメンバー
東海大:#4石崎、#5阿部、#6内海、#7井上、#8松山
筑波大:#4小松、#5尾崎、#7畑田、#14山城、#15吉田

ジャンプボールは#7井上が勝ち東海大ボール。#8松山から#6内海へ裏パスが通るが、筑波大#5尾崎に完全にボールを抑えられてシュートはトラベリングに。それを筑波大#14山城の3ポイントシュートにつなげられてしまう。その後も続けてパスカットされるが、#4石崎がカットイン、マッチアップの選手が転んだのを見てすかさず3ポイントシュート、ブロックショットと気を吐き、残り7分9−7と互角の展開。だが残り5分、筑波大#14山城に再び3ポイントシュートを許すと、アウトレットパスで#5阿部がボールから目を離すミスと流れが切れかける。しかし#7井上の連続インサイドで残り4分13−10。この後速攻を決められ13−14となるとしばらく1点差の攻防に。残り1分30秒、筑波大#4小松の1on1で15−18とされるが、#7井上が残り20秒でリバウンドショットを決め、このクォーター17−18とする。

第2クォーター、#7井上が筑波大#4小松のシュートをブロックした直後、#8松山の3ポイントシュートが決まると東海大のディフェンスがよくなり、#6内海の速攻につなげて残り8分30秒24−18と差を開く。この後どちらもシュートが入らないが、残り7分#7井上のインサイド、残り6分石崎の速攻で28−18とじりじりと引き離す。東海大はその後もブロックを連発するが、速攻のレイアップを落とすなど波に乗り切れない。残り4分30秒筑波大#16木村に第2クォーター初の得点を許すが、#15小林がルーズボールやスティールで働き10点差をキープ。しかし残り1分を切ってから筑波大#5尾崎にコーナーから3ポイントシュートを決められ34−28となる。タイムアウト後、筑波大がゾーンディフェンスに切り替えると戸惑うが#6内海が1on1でミドルシュートを決め救う。しかし残り7秒で筑波大#7畑田の1on1を許し、36−30で折り返す。

攻守の“キーマン”
筑波大#5尾崎


要所でリバウンドを取った
筑波大#16木村

第3クォーターも互角の展開となり、その点差をキープするが、残り6分30秒筑波大#4小松の1on1を止めるも合わせて走りこんできた#7畑田に#4石崎がバスケットカウントを与えてしまう。東海大は単発のシュートが外れると、筑波大#5尾崎のリバウンドシュート、パスミスから筑波大#15吉田の#4石崎をかわしての速攻で残り5分45秒42-41とついに1点差となる。その後は再び1点差の攻防。東海大はリバウンドをキープしきれず、ルーズボールで#4石崎が3つ目のファールとなるが、筑波大#7畑田のシュートが落ち、残り3分46-43。ここで筑波大#5尾崎に3ポイントシュートを決められ残り2分48-46となるが、#7井上がインサイドでファールを得てこのフリースローを2投とも決め50-46と2ゴール差まで開く。しかし筑波大#14山城にバンクでの3ポイントシュートをねじこまれ、残り1分20秒再び1点差となる。この後#15小林のリバウンドから#7井上のゴール下が決まる。#15小林のファールによるフリースローを筑波大#7畑田が2投とも外すが、そのリバウンドを取られ筑波大#5尾崎にダブルクラッチを決められる。残り40秒で#7井上がゴール下を決め、なんとか54-51とする。

最終クォーター、どちらもリバウンド、ルーズボールと激しく守りあうが、残り8分10秒筑波大#14山城に1on1の合わせから3ポイントシュートを決められついに54-54と振り出しに戻る。この直後東海大は24秒タイムオーバーを取られ、筑波大#4小松のステップバックで54-56と逆転を許すと、残り7分第3クォーター終わりから休ませていた#4石崎をコートへ戻す。するとその#4石崎がリバウンドを連取し、#8松山のロングシュートにつなげて56-56。しかしここで、筑波大#14山城に6本目の3ポイントシュートを決められ、その直後にまたもや24秒タイムオーオーバー。しかし切り替えて守り、残り4分30秒#7井上のミドルで58-59とついていく。この後筑波大#4小松、#7井上が決め合い、残り1分でも62-63とわからない。残り45秒から#6内海が3ポイントシュートを放つが外れ、逆に筑波大#15吉田に1on1から体が流れながらのロングシュートを決められ残り22秒62-65で最後に残していたタイムアウトを取る。東海大は#4石崎の3ポイントシュートに託すが、放たれた瞬間力がないのがわかる短いシュートとなり、リバウンドも筑波大#16木村に取られ、すぐさまファールゲームに。まだチームファールが残っていたため、残り4.5秒でエンドスロー。石崎のプレッシャーから#16木村がパスをミスするが、それを#6内海が取りきれずラインを割る。残り3.4秒で再びファールをするが、そのフリースローを筑波大の1年生#15吉田にきっちり2投決められ、またもや決勝で涙を呑んだ。

筑波大・吉田ヘッドコーチ
「今日のポイントは内海(慎吾・東海大#6)を止めることだった。昨日(対法政)の高久もそうだが、インサイドの井上に20点、30点取られても彼はチームに勢いをつける選手ではないから構わない。だが内海の3ポイントシュートはチームに勢いをつけるから。この大会で伸びてくれたマッチアップの尾崎(宏次・#5)がよく頑張った。優勝は、何よりも選手達の自信になるし、3・4年生もうかうかできないという雰囲気になった。予想を超えていたのは山城(大作・#14)の3ポイント。こんなに入ると本人は知っていたのだろうが、周りが知らなかったんですね。チームメートも驚きました。ただ、これでリーグ戦ではマークが厳しくなると思うのでそこでどうするかがひとつの壁でしょう。チームとしてもマークは覚悟の上で頑張って行きます。」
東海大・陸川監督
「悔しい。選手は良く頑張った。バスケットという流れのあるスポーツで、山城(大作・筑波大#14)くんに持っていかれましたね。昨日に続いて乗っていたのは、もともとそれだけの力を彼が持っているということでしょう。最初はいいリズムでいけていたが、オフェンスの足が止まってしまった。去年の新人戦(1点差で準優勝)、リーグ戦(2部優勝も入替戦敗退)、と反省ばかり。まだ足りないことがあるということですね。自分ももっといいプログラムを出来るようにしたい。今年のリーグ戦はなんとしても上に行きたいので、夏に体力や技術を高めるしかない。今ある足りないところを、いい方向に持っていけるように努力します。あきらめません。」


東海大・#15小林慎太郎選手
この試合にスタート以外で出場したのは、ともに1年生の#18西垣とこの#15小林。自ら“持ち味”と言っていたリバウンド、ルーズボールに動き回った。
「やられちゃいましたよ…。でも、監督は自分のディフェンスや気持ちを買って使ってくれた。シュートと違ってディフェンスには波がない。そこを信じて同点や1点差の場面でも使ってくれたこと、それからそうやって出た時みんなが応援してくれたことには本当に感謝したい。
そうやって出ている時、自分はシュートとか派手なプレーが出来ないけれど、相手が嫌がるディフェンスとか、内海さん(#6)や阿部さん(#5)らのチームの得点源を生かす“見えないアシストプレー”は出来たかな、と思う。でも、こういうどっちに転ぶかわからない試合で、最後に出たのは気持ちの差。相手は練習を必死にやってきただろうし、これまでやってきた自信とか、全てを含めた気持ちで負けた。
今年勝てなくて、正直来年勝てるのか?!という気持ちはあるが、それを言ってもしょうがない。秋のリーグで実力をつけて、今回出られた自分が引っ張って、来年入る1年生の元気さとかパワー加えて、来年、もう1度筑波とやりたい。筑波は(同じ小林高校出身の吉田)周平とかいい選手がいるけれど、もう1回やって、勝ちたい。」

『2人のキャプテン』

  筑波大の小松はバスケット人生ではじめてのキャプテンを務めた。“らしいことは何もしていない”と謙そんしたが、その彼の態度そのもののような控えめだが熱い気持ちを秘めたチームが最後に栄冠をつかんだ。
「日の当たらないチームがこうして優勝できたのはすごいことだと思います。東海はいい選手ばかりの中、こちらは地道に頑張ったのが結果につながって、良かった。筑波らしいバスケットが出来たと思います。」

 その言葉通り、守っての逆転勝ち。この大会の筑波大の4Qの得点に注目すると、3Qまでに大差をつけた初戦以外の全ての試合で相手を上回っている。
「前半負けているときは、とりあえず我慢しよう、と言っていました。点を取るより、ディフェンスで耐えよう、と。今日のディフェンスでは、尾崎(#5)や木村(#16)が内海(東海#6)の外のシュートをすごくよく抑えた。自分は(東海#14井上に)やられてしまったけど…皆が頑張ってくれました。」

 その分、小松はオフェンスで貢献した。苦しい時に1on1を決めてチームを救い、落ち着いたアシストでアシスト王も獲得した。
「アシスト王は、チームプレーでたまたま自分のところがアシストパスになった
だけ。もちろん賞を頂けるのは嬉しいけれど、皆のおかげです。」
とここでもチームの皆のことを口にする。
「僕達みたいに背も低く、能力が高いわけではないチームが勝つためには、ディフェンス・ルーズ・リバウンドを頑張ることが必要です。これを1試合続けられたのは、相手も疲れていたし、いつも5人集まったりして慢心をなくしていったからですね。」

 一方の東海大のキャプテン#4石崎巧は、初めてのキャプテンと言うわけではないが、既に3・4年生もまじえた大会でも活躍していることやその謙虚な人柄、要所で決める実力など小松と共通点を持つ。そして“勝ちたい”という気持ちは、小松よりも、いや誰よりも大きいはずだった。
  だが、つかみかけた勝利は手をすり抜けていった。
「今日の試合は…やっぱり、練習の部分で、メンツがそろっているということで必死になれず、試合を想定してやれていなかったということですね。それを今反省しています。」
といつもの静かな口調で言った。

「ディフェンスは、67点とそんなに悪いわけじゃないけれどたまに気が抜けて粘りがなくなってしまった。オフェンスは組織的にやれず、相手がチームで守ってくるのにかなわかったです。自分でも、前半に行き過ぎて後半攻め切れなかった。相手も反応してきて、それでも決めてくる力がなくて、自分で勝負どころで攻められなかったのは悔しいです。
前半は勝っていて、もっと離そうというのはありましたが、結局最初に離して油断して、相手のペースに持ち込まれてやられるという負けるパターンになってしまいました。気持ちが弱かったんですね。
確かになめすぎた、というか…なめていたわけではないんですが、なんというか過信しすぎたところがあった。昨日も一昨日も、自分達の試合が出来れば本当はもっと離せていた。でもそれが出来なかったのは、練習からそれをやってこれなかったからですね。皆高校では練習が厳しくて、特にジュニアのメンバーは“楽に”という気持ちがこの1年はあった。ここ何ヶ月かずっとそうだったけれど、何とかなるだろうと思ってしまっていました。
それから自分でも高校の時より努力していないと感じていました。自分を奮い立たせられず、勝手に落ち込んだりして…。頭で考えすぎて、体を動かしていなかったと思うので、初心に戻りたいです。」

5点と言う少しの差の要因に、小松は慢心をなくしたことを、石崎は少しの気の緩みをあげた。その結果、今日小松は宙を舞い、一方の石崎は納得の表情で敗戦を受け入れていた。

この大会はまさに終始1点を争う激戦で幕を閉じたが、彼らの好勝負はこれからも続く。
「頑張れば強いチームに勝てる、というのは自信になりました。この“チャレンジャー”の気持ちを持って、上級生と一緒のチームでも頑張りたいと思います。」(小松)
「この大会、この結果を良かったといえるようにしていきたいですね。この大会も過信していて、トーナメントも筑波に負けると思っていなくて、結局負けた。このままいったら次も同じだから、今までの自分にはないリーダーシップを発揮して、チームを盛り上げて行きたいと思います。」 (石崎)


<第44回関東大学バスケットボール新人戦 3位決定戦>
6月20日(日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
78
22
1st
8
60

 
法政大
14
2nd
27
日体大
15
3rd
13
27
4th
12

スターティングメンバー
法政大:#7末廣、#9高久、#11福田、#14山田、#16深尾
日体大:#5高田、#6瀬木、#8田中、#9松本、#10樋本
法政大は、#14山田の#9高久への合わせで先制。日体大の得点を#5高田のゴール下1本に抑える間に、#9高久のインサイド、#11福田の3ポイントシュートで15-2と一気にリードを広げる。この後日体大#10樋本、#8田中に3ポイントシュートを決められるが、#9高久、#14山田が加点し22-8といきなり優位に立つ。

第2クォーターも#9高久のインサイド、#5高崎の3ポイントシュートで残り7分30秒30-10。だがここから、日体大#9松本、#5高田に続けてバスケットカウントを許し30-16となる。さらに速攻を連続してくらい30-22まで詰められるが、#9高久がインサイドを2本決め残り4分34-22とする。だが24秒オーバータイムを取られるなど攻めあぐね、日体大#5高田に連続得点を許し残り2分30秒34-30となる。ここで#16深尾がドライブを決めるが、残り1分15秒日体大#5高田のゴール下に体をぶつけた#9高久がアンスポーツマンライクファールのバスケットかウント。フリースローの後の日体大のオフェンスで#5高田にミドルシュートを決められ、前半を36-35とかろうじてリードして折り返す。

第3クォーター開始20秒、3つ目のファールで日体大#5高田をベンチに追いやるが、それで得たフリースローを#11福田が2投とも落とすと、代わった日体大#11宮島のゴール下で36-37とついに逆転を許す。この後決め合いとなるが、残り1分40秒#7末廣が1on1からバスケットカウントを決めて48-43と抜け出す。この後日体大#11宮島のリバウンドから失点するが、51-48として第4クォーターへ。

第4クォーター、日体大は1-3-1ゾーンを敷いてくるが、#7末廣が3ポイントシュートを決め残り7分63-55と差を開く。この後日体大#10樋本に3ポイントシュートを許し65-60となるが、#16深尾のタップシュート、#14山田のフリースローで残り6分30秒69-60とじりじりと差を開く。日体大は1on1の足が止まり、頼みの#5高田へのパスも封じる。残り2分#9高久が外に出て3ポイントシュートを決めて76-60とセーフティリードを得る。この後フリースローで2点加える一方最後まで日体大を抑え、78-60で法政大が3位となった。


日体大の1on1を封じる
法政大#9高久

『春の秋風』
 途中出場ながら、リバウンド・3ポイントシュートで貢献した高崎は、1試合ごとにプレーに自信が出ていった。
「リバウンドはそれしかないですから、自分には(笑)。この大会で思ったことは、やっぱり勝つのはディフェンスのチームだということ。最後まで自分達のリズムで出来た方が強い。筑波などもコーチが言うことをきちんとやっている。これから、個人ではなくてチームのディフェンスからやっていきたいですね。
自分としては、3ポイントシュートはもともと得意なんですよ。ただ速攻されないように無理して打たないだけで。
これからは1on1の能力を上げたいです。あとはリバウンド。さらに磨いて、リバウンダーになりたいと思います!」
タレント揃いの法政大に、また1人頼もしい選手が加わった。この大会で起こした風が、秋のリーグにつながってゆく。

『名物』

 日体大は唯一2階席から応援を展開する。もはや関東大学バスケの名物とも言えるバリエーションに富んだ応援でタイムアウトの度に観客を楽しませてくれたが、この日は人数も少なく試合も敗れてしまった。
代表して、よく通る声で大所帯の応援部隊を引っ張った1年生・藤川君に聞いた。
「昨日・今日は下班(Bチーム)の大会で1年生しか来られませんでした。やっぱり人数が少ないと盛り上がりにも欠けるし、やれることも限られて
しまうんです。タイムアウトの時の歌とか“落ち”っていうコントとか。あと、競ったりピンチになると“デンソー”という応援をするのですが、これも人数がいないとできないんです。」
と残念そう。だが、彼らにはもっと残念な事がある。
「今回は応援でしたが、やっぱりコートでやりたいのでこれからまた頑張りたいと思います。」
部員が100名を超える中でユニフォームをきる権利をつかむのは容易ではないが、こうした選手1人1人が名門・日体大を支えている。


<第44回関東大学バスケットボール新人戦 5・6位決定戦>
6月20日(日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
66
21
1st
22
81

 
日本大
21
2nd
15
早稲田大
12
3rd
23
12
4th
21

スターティングメンバー
日本大:#4菊池、#5太田 、#9小野寺、#10香野、#15齋藤
早稲田大:#4岩隈、#14風間、#18菅川、#20近森、#21前川

早稲田大は、#20近森のシュートで先制するが、日大#4菊地、#5太田、#10香野とたたみかけられ第1クォーター残り5分30秒6-13とリードを許す。ここで昨日活躍した#17木下を起用すると、いきなり日大#4菊地をスティールして速攻を決める。さらに#14風間の3ポイントシュートが続けて決まり、残り2分20秒#17木下のスティールからの速攻で18-17と逆転に成功。第1クォーターを22-21とする。

しかし第2クォーター、日大#22木村の連続シュートを許し残り6分40秒24-29となるが、#17木下のアシストから#4岩隈が3ポイントシュート、さらにインサイドの1on1ですかさず逆転。だが日大#4菊地に続けてゴール下をねじ込まれる。#17木下の3ポイントシュートのも日大#4菊地に返され残り2分33-36。この後は互いに決め合うが、前半残り1.4秒で日大#7嶋中にフリースローを与えてしまい、37-42とされる。

だが第3クォーター立ち上がり、#4岩隈の連続得点で42-42と一気に追いつく。残り4分でも50-50と互いに譲らない。残り3分から#4岩隈の3ポイントシュート、#17木下のカットインで55-50と少し抜け出す。残り2分引っ張ってきた#4岩隈が4つ目のファールでベンチに退くが、残り40秒#17木下がスローインからの3ポイントシュートで60-54とリードを守る。

最終クォーター、#18菅川のゴール下で64-55とリードを広げる。残り6分15秒、#12福島が24秒ブザーぎりぎりの3ポイントシュートを決め67-57と2桁差をつける。その後は入れ合いとなり詰めさせない。残り1分をきってからファールゲームをしかけられるが、このフリースローを1本ずつ決めて、81-66で5位を勝ち取った。


この大会得点王となった日大#4菊地を抑えた早稲田大#4岩隈隆士。順位決定戦では2連勝とキャプテンの肩の荷が下りた。
「必死でした(笑)。日大の得点源は#4菊地と#5太田だと試合前から分かっていましたが、まさか菊地に自分がつくとは。メンバーが交代するときに番号を言われてつくことになったんですが、自信はありました!その前に抑えるべきところが分かっていたので。
5位という結果は、田上がいれば(筑波戦で負傷)もっと上に行けたかなって思います。今日の日大戦でのディフェンスが、筑波戦でも出来ていたら…。でもいい試合で終われました。今までは一度だめになるとズルズルいってしまいましたが、今回はいい意味で切り替えられたと思います。専修戦の後半、今日の日大戦のようなディフェンスを今後は最初から出せたらいいと思います。」



<第44回関東大学バスケットボール新人戦 7・8位決定戦>
6月20日(日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
70
17
1st
14
80

 
専修大
14
2nd
29
拓殖大
18
3rd
16
21
4th
21

スターティングメンバー
専修大:#6勝久、#7五十嵐、#11横村、#12田中、#13喜多川
拓殖大:#4長谷川、#6仲村、#9宇田、#10森、#12佐久間
拓殖大は序盤、#10森がリバウンド、1on1と活躍するも、専修大#13喜多川らにインサイドを攻められ第1クォーター残り5分9-9と互角。この後どちらも攻めあぐねるが、#4長谷川の1on1、3ポイントシュートで加点し、14-17とついていく。

すると第2クォーター、#4長谷川から#9宇田へのバックドアを皮切りに、速攻の縦パスが続けてつながり残り8分20-17と逆転に成功。専修大の1on1をカバーで止めペイントエリアに入れさせず、無理な3ポイントシュートを打たせてそれを速攻につなげるパターンで残り5分28-20とする。2-2-1ディフェンスを敷き専修大をボール運びで引っ掛け、34-25とリードを広げる。しかし#9宇田へのマークが厳しくなり、ボールを奪われて得点につなげられ残り2分40秒34-29と詰められる。だが#4長谷川の連続得点で押し戻し、残り1分を切ってから#14小下がミドル、速攻とさらに連続得点して43-31で前半を終える。

後半は入れ合いとなり、残り5分54-45とリードを保つが、専修大#13喜多川、#9浅野に得点を許し残り3分タイムアウトを取る。すると落ち着き、#9宇田が続けて得点して59-49とする。

第4クォーターも1本ずつ入れ合って残り6分30秒66-55。この後専修大#13喜多川、#8山本に3ポイントシュートを決められ残り3分69-61となるが、#15柳澤、#4長谷川が決め返し残り2分75-63。この後#9宇田がフリースローをきっちり決める。その後の反撃を抑え、80-70で勝利した。


拓殖#9宇田

拓殖大・#15柳澤孝行選手
徐々にいいシュートを決め出し、プレータイムも伸びていった。
「シュートはでも(この日)2分の2とかですよ?(でもいいタイミングで打てていましたよね。)それは…あいていたので打っただけです。この大会、点数があまり入っていなかったので、積極的に行こう!ってチームで決めたので。
7位という結果は…頑張らないといけないですね。チームはオフェンスで点が取れなかったし、ディフェンスもまだまだだけど、修正していけたと思う。自分はやっぱりもっとうまくなるしかない。体の強さ、スピード、もちろんシュートも。でも通用するところがないわけじゃないってわかりました。今日のディフェンス(専修大#13喜多川をマーク)も、フェイスガードと言われていたのが出来たと思う。相性が良かったというのもありますが。
リーグ戦に向けては…とりあえず、メンバーに入れたらいいですね!」

<取材・文 北村美夏/インタビュー協力 渡辺美香>

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