<デフ男子日本代表チャリティマッチ>
9月25日、大阪の松下電器体育館で、デフ男子日本代表チャリティマッチが行われた。東芝−新潟のプレシーズンマッチに続き、松下電器と対戦。その後はオークション・チャリティで集まった278,080円がデフ日本代表に贈られた。
                     
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<デフ男子日本代表 チャリティマッチ>
9月25日(土) 会場:松下電器体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
34
9
1st
32
100

 
デフ男子代表
4
2nd
25
松下電器
12
3rd
17
9
4th
26

スターティングメンバー

デフ:#5及川・#11中村・#19辻・#20福島・#23稲村
松下:#0荒川・#6永山・#11川面・#30ブース・#40田中
この試合は8分クォーターで行われた。
第1クォーターデフ代表は、ジャンプボールからいきなり松下#40田中のダンクで先制される。しかし#5及川がすかさずミドルシュートを入れ返す。さらに#20福島の3ポイントシュート、#19辻のゴール下も決まり、残り5分30秒7-10とついていく。だがそこから松下#30ブースにゴール下を決められてしまうと、オフェンスでもパスミスが出て残り3分30秒7-18と話される。ここで松下が5人全員交代する。この後#11中村のジャンプシュートで9-20とつなげるが、松下に速攻・3ポイントシュートと一気に加点される。インサイドの#19辻に託すも、続けてトラベリングとなり9-32とされる。

第2クォーター、バックコートからプレスをゆるくかけられると、ミスを続けてしまう。松下#0荒川に続けて3ポイントシュートを許すなどする間ノーゴールに抑えられ、残り4分9-43となる。この後#19辻がハイポストから1on1でファインプレーを見せるが、松下#24ストルトに3ポイントシュート2本を含む連続得点を許し、13-57で折り返す。

第3クォーターに入ると、#11中村のシュート、さらに#9辻のリバウンドシュートで始まる。さらにディフェンスでもインサイドにダブルチームをしかけるなど積極的なプレーも出始める。また、スタートではない#22雪森も1on1からのミドルシュートなど持ち味を魅せる。だが足が止まり、速攻からイージーなシュートを許して残り3分22-66となる。残り10秒には松下#1木下にバスケットカウントも決められ、25-74で最終クォーターへ。

最終クォーター、速攻と#7手塚の迷いのない3ポイントシュートで32-80とする。だがトランジッションについていけず、速攻やフリーでのシュートを許す。残り2分34-89でタイムアウトをとって、スタートの5人に戻すが、ターンオーバーから失点し、残り8秒での松下#0荒川のシュートで34-100で終えた。

林彩根ヘッドコーチ
「真剣にやってくれただけでありがたいです。やられるのはわかっていても自分達でできるだけやろうと努力させました。今日は気持ちが負けているというか、ひいていましたが、それを超えないと次のステップが踏めません。セレモニー的な要素が強かったとはいえ、ひいてしまうのはこうして観る人がいる状況慣れ、試合慣れしていないからです。なので今日はいい経験を積ませてもらいました。
実は、こうして日の目に出るような状況を、5年前から代表に入っている選手は考えられない、と言っているんです。環境は本当に変わりましたね。」

#11中村選手

「試合どうこうより、今はありがたいという気持ち。こうしてお客さんがたくさんいるところで試合をするのは久しぶりだったので、緊張しました。でも、その中で自分達のバスケットが出来て、本当に恵まれています。世界大会に向けても、なかなか松下の選手のように大きい人のいるチームは少ないから、いい経験になったと思います。」

#19辻選手
「マッチアップしたブース選手、ストルト選手は“すごい!”の一言ですね。パワーも高さも自分よりうえなので、何もかも未知の領域でした。まさか3ポイントシュートを打つとは、という感じでした(笑)。デフリンピックの相手は全員外国人なので、それに向けていい経験になったと思います。自分としても、第3クォーターでフックシュートをしてみたり、高さに対していいイメージを持ってやれました。
世界大会に向けて、やるべきことは本当は数え切れないほどたくさんあるのですが、オフェンスならフックシュートやゴール下のステップ、ディフェンスなら普段からスイッチ・ヘルプ・リカバリーを意識していきたいです。 」

積極的に3Pを狙った福島
カットイン、パスと視野の広い中村
松下・ブースは止められなかった


『今日はありがとうの日』

  今日のデフ代表には、強化合宿で見せたような必死さはなかった。
ディフェンスで必要な“コミュニケーション”が声で出来ない分、ヘルプやローテーションが遅れてノーマークのシュートを打たれてしまうのはしょうながい。だが、オフェンスでは松下の選手の迫力におされて切り込んでいけず、ディフェンスでは怪我をさせてはいけないと気を使ったのか遠慮があった。途中、交代でコートに入った選手がベンチで感じたことや、自分の持ち味を精一杯コートで表現しようとしていたが、それもまたベンチに戻ればコートはもとの雰囲気になった。

もちろん、こうしてたくさんの人の前で、スーパーリーグのチームに相手をしてもらえることに、感謝の気持ちがこんなにもわいてきて、それがこんなにも表情に表れるのは彼らの暖かさだ。しかし、こうして“競技”として認められ始めると、難しくなるのは勝ちをどこまで求めていいのかということだ。

ただ、その適正な距離がつかめない中でも、近付いて手を伸ばした松下の心意気は素晴らしい。シーズンインを1ヵ月後に控えた今、快く迎え入れたチームも、新潟−東芝戦の後も応援を続けたファンも。

もちろん、デフバスケットは走り始めたばかりだ。こうした機会を得られるまでこぎつけたところだ。だから、今日は“ありがとう”がそのまま表れた。これから、デフリンピックを経験して、悔しさや喜びを味わっていくうちに、“ありがとう”が違う形で表れるようになっていくといい。
どんなバスケットでも、たとえそれが感謝の気持ちが作用したものだとしても、コートに出たら“逃げない”ことが、支えてくれる人たちへのメッセージになる。

試合前のリラックスしたムード
指示を伝える林HC(左)、坂本AC(右)

<チャリティ・オークション>
 試合前には、デフ代表がそれぞれの出身地の特産品、松下電器がチームグッズを持って登場、交換。試合後はデフの選手から松下の選手に声を掛けて一緒に写真におさまるなど、交流が深められた。
 さらにこの日は試合の他に、チャリティ・オークションも行われた。来年1月にメルボルンでのデフリンピックを控えるデフ代表は、参加費用の1部を自己負担しなければならない。その助けに、と松下電器の各選手がユニフォームなどを出品。仲村・青野選手は日本代表のユニフォームも気前良く放出。青野選手は代表のセカンダリーまでつけていた。1000円からスタートし、来場者が続々と入札していった。
 試合後の結果発表では、仲村選手の日本代表ユニフォーム、木下選手のユニフォームは2万円以上となるなど盛況。その後は松下の選手が出口で募金を呼びかけ、オークション156,900円+募金121,180円のなんと278,080円が集まり、デフ代表に贈られた。

松下電器の選手が勢揃い。怪我の青野、佐藤以外全員出場した

記念品交換
オークションにはユニフォーム他サインボールなどが
提供された
目玉は代表ユニフォーム
天日監督より手渡された

<プレシーズンマッチ>
 チャリティマッチに先立ち、JBLプレシーズンマッチが行われた。
 新潟・庄司、東芝・北らベテラン陣は健在。様々な選手が起用され、新潟の新外国人デービスも攻撃の基点となり、チームに馴染んでいるところを見せた。また、東芝・板倉(法政大出)宮永(大東大出)、新潟・小菅(近大出)のルーキーもプレイタイムを長くもらっていた。

TEAM
 



 
TEAM
 
85
25
1st
19
90

 
新潟
17
2nd
19
東芝
21
3rd
33
22
4th
19

第1クォーター、新潟がリバウンドからシュートチャンスを広げ、残り6分9-3とリードする。だがその後東芝・クラインシュミットをファールでしか止められず、フリースローを与える。残り5分に東芝・北の3ポイントシュートで同点とされると、しばらく一進一退となる。だが残り2分から庄司が3ポイントシュートを続けて決めて、25-19で終える。

しかし第2クォーターはその勢いを生かせず、東芝・クラインシュミットの3ポイントシュートで29-26と詰められる。だが東芝・宋からオフェンスを展開させず、ミスを誘ってじりじり差を広げる。残り6分30-26でタイムアウトとなると、その後は2-1-2ゾーンをぶつけて思うようにさせない。だが、徹底してマークしていた東芝のエース・北がベンチで冷静さを取り戻して戻ってくると、連続得点を許し残り3分37-32となる。この後東芝のゾーンを攻めあぐみ、残り30秒で庄司がフリースローを2投決めるも終了間際に東芝・北に返され、42-38とする。

第3クォーターは激しく点が動く。まず東芝・節政の3ポイントシュートにも庄司が1on1を返して44-41とするが、その後東芝・佐藤の3ポイントシュートで逆転されると、シュートミスから速攻に持ち込まれ残り7分45秒44-48となってタイムアウトを取る。だがオフェンスリバンドを粘って残り6分には48-48と追いつくと、竹田の連続シュートで52-50と再びリードする。その後東芝・節政の3ポイントシュートで1点ビハインドとなると、東芝・クラインシュミットと、デービス・竹田が入れ合い残り3分45秒56-60となる。さらにギャリソンの連続得点で60-60とするも、この後ファールからフリースローを与え60-65。藤原の3ポイントシュートも東芝・クラインシュミットのバスケットカウントで返され、63-67で残り1分を切る。東芝・伊藤、仲本にゴール下シュートを許し、結局63-71となる。

第4クォーター最初からリバウンド、ルーズボールと粘るも、東芝・板倉の速攻で67-75と詰められない。だが庄司が3ポイントシュートを沈めると、ディフェンスリバウンドからの速攻で東芝・クラインシュミットからアンスポーツマンライクファールを得て、残り7分70-75でタイムアウトとなる。この後、ここまで健闘していたルーキー小菅が体の接触に負けてファールが増えるが持ちこたえ、逆に小川がチームファールのフリースロー、さらにパスカットから庄司の3ポイントシュートにつなげ、残り5分75-77とする。そして小菅の3ポイントシュートで78-77とついに逆転し、残り4分30秒タイムアウトを取らせる。しかし、小菅からのパスを東芝・クラインシュミットにカットされてそのまま速攻を決められ、残り4分78-79で逆にタイムアウトを取る。この後フリースローを与えるが、小川のジャンプシュートで83-83と譲らない。しかし東芝・クラインシュミットのアシストから北のゴール下、さらに小菅が折腹を守りきれずにバスケットカウントを決められ、残り2分20秒83-88と苦しくなる。小川のフリースローで3点差とするも東芝・北に決められ、85-90で残り1分を切る。東芝のオフェンスを止めるも、加点できずそのまま敗れた。

新潟・庄司
東芝・北
新潟・デービス
東芝・板倉

レンズの関係で、全員は入りませんでした…本当にごめんなさい。
<取材・文 北村美夏>
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