東京都男子ポジション別クリニック
7月11日、国立の桐朋学園で、東京都中学男子ポジション別クリニックが行われた。例年は9月に東京都ジュニア選抜の選考を兼ねて行われるが、今年度は7月に早め、かつ参加選手をチーム推薦のみから自薦も可として、意欲のある選手の発掘と啓蒙的な要素をもつクリニックとした。

今後は、3月に行われる「都道府県対抗ジュニア大会(ジュニアオールスター)」にむけて、まず9月12日(予定)に東西(多摩・23区)男女に分かれてのクリニックを行い、そこから指定選手をピックアップ。さらに新人戦での地区推薦選手を加えて11月半ばに強化クリニックを行う。12月23日(予定)に男女それぞれ20名に絞った選抜メンバーを選出、来年1月15日(予定)に駒澤で東西対抗戦を行い、両チーム合わせて40名の中から、12名のチームを2チーム分(都道府県対抗は東京都は開催地で2チームが出られる)の合わせて24名を選出し、3月の大会に臨む。

7/11(日)
バスケットコートが2面取れる桐朋学園の体育館に、中学生選手たちが溢れ返っていた。総勢およそ130名。集合して並ぶと、バスケットコート1面がほぼ埋まった。

14時50分、開始にあたり上田強化委員長より「基本的なところがしっかりできてくるように、この2時間余を、有効に使ってください。」とこのクリニックに臨むにあたっての心構えが伝えられた。その後、講師陣の紹介、クリニックの流れが説明され、今日のメイン講師である桐朋学園の金田伸夫先生にバトンタッチ。東京都の「ゴール下の力強いシュート」と「ドリブルで突破する力」の不足から全国大会で結果が出せない現状上げ、その2点を主眼にクリニックをスタートした。

<今日の練習メニュー>
14:50〜

・挨拶
・姿勢(トリプルスレット、ピボット、ミート)
・1on1
・ ポジション別
(インサイド:ぶつかり練、ワンドリシュート、ポストからの1on1
アウトサイド:ミート、カットイン、1on1、パス、2メン )
最初に行ったのは全てに通じる「姿勢」について。まず基本のパワーポジション、次にピボット。母指球を起点にすること、合わせてボールを持つ位置・動かし方も確認する。そこからボールミートと膨らませていき、2・3人1組になってパスし合い、ミート時にディフェンスのプレッシャーに負けないでキープすることを繰り返し行う。
中には、 こういう場での練習が恥ずかしいのか、なかなか大きく動けない選手も。だが金田先生の「いい選手はコーチに言われた事をまずやってみる。それもオーバーにやる。練習中手抜きをしては、本番ではもっとダメだ。」という言葉に触発され、参加選手たちもどんどん大きくはっきりとした動きができるようになってきた。
続いてミートして最初の1歩で抜く練習へ。14グループに分かれ、それぞれで10分間順番に1on1を行う。DF→OFと行い、後のOFでシュートが入ると続けてオフェンスができる。個々のスキルに差があり、中には1周以上オフェンスを続ける選手もいた。

休憩を挟み、後はポジション別へ。全体を「主にインサイドでプレーする」組と、「主にアウトサイドでプレーする」組に分け、最初に金田先生が指摘した「ゴール下の力強いシュート」と「ドリブルで突破する」ことを目的に、それぞれにプログラムを行った。

インサイド陣はさらに細かくグループに分かれ、まず「ゴール下でディフェンスに身体を当てること」を行い、次にローポストでゴールを背にボールをもらい、振り返りってワンドリブル(パワードリブル)でゴール下に入ってシュートという流れの動きを行う。身体を当てるタイミングがなかなか掴めなかったり、流れの動きがスムーズにいかないなどあったが、それぞれのグループについている先生方の指導で徐々に動きがよくなっていっていた。ここからさらに、ポストからの1on1を行う。ボールを
持ったら振り返ること、当たる前に下がる(逃げる)シュートはしないことなどが伝えられ、それぞれのグループで白熱した1on1が繰り返されていた。最後に金田先生からゴール下のシュートとして覚えているとよいシュートをいくつか紹介され、実際にやっていった。

アウトサイド陣は、まず大きくミートする練習を行う。続けてブロック・モーションでドライブしていく。さらにそれらを基にした1on1をグループに分かれて行う。ここでも、各グループに入っている先生方から、1人1人止めながらの指導が続いた。続けて「速いパス」を出す練習。ボールをしっかり指でコントロールするように指導される。エンドラインからフリースローラインまでの2メンをパスの数を3回から始め、最後は6回まで増やし、短い距離の中で、速く確実なパスを出せるようにしていった。

最後に全体に対し金田先生から、「基本的には、「決めたい」「守りたい」「シュートしたい」といった”絶対”という気持ちが大切。その気持ちがあれば、今日ここで習った事はできる。」という言葉を贈られた。
締めに上田強化委員長から、「どんな練習も1から10まで繋がっている。最初に習った基本の”姿勢”を忘れないように。」という言葉があった。
その後解散となり、選手たちはそれぞれの学校毎に講師の先生方へ挨拶をしに行っていた。

<講師紹介>
金田伸夫先生・桐朋学園中・高
「東京の(男子)バスケは今、”地盤沈下”の状態です。それは上手い・下手の問題ではなく、基本とか技術とか、精神とか…“魂”がないのです。それは本人たちだけの問題ではなく、環境や指導者の問題が大きいです。大切な事を少しでも早めに伝えたい、という思いでこのクリニックを開きました。やってみて思ったのは、やはり今まで知らなかったいい選手というのはいるのだということです。彼らがいいチームにいれば、これからも伸びるでしょう。しかし、いいチーム、いい指導者がいなければ、彼らは伸びない。現実問題として、結局“運”に左右されてしまうのですね。そういうことができるだけなくなるような”サポート組織”を作っていけたらいいと思います。今の子どもたちに”ハングリーさ”を持てというのは難しいかもしれませんが、諦めない気持ち、強い気持ちを持つことが必要なのです。」

伊勢竜太先生・立川五中
上田智公先生・町田市立小山田中
岸本圭史先生・青梅泉中
久保光弘先生・東村山六中
谷伸彦先生・明大明治中
彦坂好郎先生・練馬区大泉中
細谷建次先生・足立区立千寿青葉中
吉村達也先生・板橋区上板橋二中
和田栄治先生・練馬区開進四中


<取材 渡辺美香/構成 北村美夏>
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