<スプリングキャンプレポート〜第4次・前編
大学生を対象とした男子第4次スプリングキャンプが、3月17日から3月21日まで、東京の国立科学スポーツセンターで行われた。第1、2次の40名から22名にセレクションされた選手(U-24代表に選出)が、ジェリコHCの熱心な指導を受けた様子をレポートした。
                                                 参加選手はこちら

3/17(水)
スプリングキャンプもいよいよ最終クール。初日と言えども手加減はない。いきなりサーキットトレーニングから始まる。
1.フリースロー
2.0度からのカットイン(左フックシュート)
3.メディスンボールを使っての腹筋/背筋
4.ボール2個でのドリブル
5.0度からのカットイン(右フックシュート)

<今日の練習メニュー>
16:00 アップ
16:30 サーキット2セット
17:45 スクリメージ
18:35 補強
18:40 シュートゲーム
18:50 終了
6.ジャンプシュート
7.ワンドリレイアップ8.ドリブルドリル(切り返し)
9.連続ステップシュート
の9種類を、2人組で1箇所3分(インタバール20秒)で次々に回っていく。選手も思わず苦笑いのメニュー。1セット目を終えると、各コーナーの注意点を確認。「ここはDFがこうついているイメージだからレイアップではなくフックだ」「つま先の向きに気をつけて」等、出来ている選手を手本にして見せたりして細かく指示していく。そしてすぐに2セット目へ。メディスンボールを使った背筋は、悲鳴をあげつつもこなしている選手もいれば、本当に上がらない選手も。瀬戸コーチが大声で励まして何とか終えた。

さらにその後スクリメージ。5分間で勝ち残り。チーム分けは、A:蒲谷・桜井・菅谷・澤岻・竹内(譲)・山田、B:朝山・太田・大宮・大屋・中川・宮永、C:石崎・柏木・西塔・瀬戸山・竹内(公)・田中。チームCの調子がよく、7本中4勝した。

その後補強の腹筋。「今日は10種類を10回。いつもより50回も少ないよ」とジェリコHC。

最後にシュートゲーム。1人が代表して3ポイントシュートを打ち、入ったか入らなかったかでメニューを決める。立候補を募るが誰も出ない。「じゃあ、蒲谷」。かなりもったいぶって打ったシュートは見事にはずれてしまった。シャトルラン。「練習で頑張ろう、ここでMAXをあげよう」とHC。次は西塔。「試合でも疲れているとき決めないとね」の言葉がプレッシャーになったのか、またもや入らず。ダッシュ+両足ジャンプ。次は、「この前は余裕で決めていたよね」と瀬戸山。打った瞬間「よっしゃ!」と声があがるが、惜しくもリングの付け根に。「今日は運が悪いね」。そこで最後に登場したのは貝塚マネージャー。「誰も決めてくれないから、カイがダンク決めたら終わり」とHC。選手から「出来るの!?」「アップした方がいいんじゃないですか?」「練習!練習!」と声があがる中トライ。結果は惜しくも失敗。しかし、「でもリングに触ってたからいいよ。」と、やっと長い1日目が終わった。

<ジェリコHC裏語録>
(シュートゲーム中)「いいシューターがいないなぁ。次、誰かやりたい人は?いないなら私がやりましょうか?」

3/18(木)
午前は、2対2のピック&ロール。スクリーンの基礎を徹底する。6人程のグループに分けて、1人1人見ていく。「エンドラインを抜かせたらだめだ」「OFでもDFでもコミュニケーションをとって」等、多様なアドバイスが出る。その中で誉められたのは中川だ。「中川がやっていることを、誰か出来ますか?」お手本として全員の前で何本かやって見せた。「1対1のミスはあるが、一番よく出来ている」。

次に、それを応用させた4対4。ゴールした方がエンドスローから再開し、DF側がリバウンドを取ったらそのままシュートして良いというルール。以前にもやったことがあるが、今回はスクリーンを特に意識して作っていく。このメニューはあいたらどんどんシュートを打っていけるため、インサイドだけでなく宮永、中川ら1対1の得意なG陣も目立っていた。

<今日の練習メニュー>
09:30 アップ開始
10:00 2対2のピック&ロール/
2人組シューティング
11:00 4対4(21点取り)
11:30 1対1(7点取り)/2人組ストレッチ
12:00 終了
16:00
アップ開始
16:30
20分ゲーム×5本
10分ゲーム×1本
18:40 補強
18:50 終了

その後30分かけてストレッチ。その間に、ペア1組づつ出て7本取りで1対1。ルールは先の4対4と同じだ。特に強かったのが蒲谷。力強いステップで連続得点。他にも、普段はパス回しに徹している選手も自由に仕掛けていた。

午後はゲーム。チームAは、石崎・柏木・西塔・桜井・菅谷・竹内(譲)・田中・中川・山田。チームBは朝山・太田・大宮・大屋・蒲谷・瀬戸山・澤岻・竹内(公)・宮永。「DFはスクリーンをつぶそう」と、今日のテーマとも言える指示が出る。

1本目は24−27とチームAがわずかにリード。しかし2本目の中盤チームBにミスが続いて残り4分でA53−39Bとなる。結局2本目終わってA66−44Bとなり、ジェリコHCが少しアドバイスを与える。3本目はB蒲谷があきらめずに引っ張り、A86−71B。すると4本目にBに速攻が出て残り12分A97−90Bと一桁まで詰める。しかしA山田がロングシュートを確実に沈めて、A119−112B。しかしこれでBは勢いづき、残り13分B大宮のシュートでA125−125Bとついに同点に追いつく。残り5分でもA131−131Bと譲らないが、B朝山、蒲谷が長いシュートを決めてA135−139B逆転。しかしAも残り30秒でさすがの3ポイントシュートを決め、1点差で最後の10分へ。インターバルは2分程でやっていたのでほとんどの選手が膝に手をついているが、「これが最後だ。頑張ろう。1点差だよ」とHC。序盤はチームBが竹内(公)のインサイドなどでA138−145Bとするが、その後ミスが出て残り3分で再びA148−149Bと1点差に。A山田の3ポイントシュート、B朝山のAのミスからの速攻でA153−153Bで残り1分。A山田、B蒲谷の1対1が外れて残り10秒のAの攻撃は、B宮永がA石崎を追い込んで終わったかと思ったが、何とか逆サイドの竹内(譲)へパス。ブザーと同時にゴールインした。

補強は、勝ったAのメンバーは5種類、Bは10種類。そして最後に恒例のシュートゲーム。HCが 「やりたい人はいますか?」というと、澤岻が手をあげた。「今日は本当に頼むよ」と朝山がプレッシャーをかける。その期待に応え、きれいに決めて終了となった。

<ジェリコHC裏語録>
(練習後長身選手の身長を自動で測定。澤岻選手が近付いて来ると)「ガードが乗るとIQがはかられるよ。」

3/19(金)
午前は、ポジション別練習。
G陣:ボール2つ/1つでのドリブルドリル
    トップ・左右45度から、チェンジ(ハーキー・フロント・レッグスル
ー)してシュート(レイアップ・フック・バック)
    1対1
F陣:ハーフコートでのドリブル鬼ごっこ
   左右からコーナーでチェンジしてシュート(フック・ジャンプ)
   ハイポストからレイアップ
    1対1
C陣:ゴール下シューティング
    ローポストからの1対1
    ミドルシュート
    1人タップ
    連続ゴール下

<今日の練習メニュー>
09:30 アップ開始
10:00 ポジション別練習
11:40 2人組シューティング(200本in)
12:10 終了
16:00 アップ開始
16:30
スクリメージ
18:15 シュートゲーム
18:25 補強
18:30 2人組ストレッチ
18:45 終了

    リバウンドシュート
    ターンシュート
    リバウンドからダンクGはスピード
Cは強いステップを特に意識するよう指示されていた。1対1は、5本取りで組み合わせを変えていくルール。F組の竹内(譲)が桜井に決められ、床を叩いて苦笑いして悔しがっているのを見て満足そうに微笑むジェリコHC。G組では蒲谷が本領発揮。相手の足の間をボールを通したり、右手でフックをするふりをして実は左手に持っていたボールを時間差でシュートしたり。C陣は、最後のリバウンドからダンクに苦戦。

その後2人組シューティング。200本入れ終わると、皆ふらふらと水のボトルのある場所へ。「もう立てないよ〜」と声が出るほど盛りだくさんの内容だった。

午後はスクリメージ。当初3チームでラリーをやろうとしたが、始めてすぐに「動きが良くないから違うメニューをやる」とスクリメージに変更。ルールは、ディフェンスチームの−5から始めて、守るか速攻を決めたら+1、シュートを決められたら−1で、0になったら攻守交代。最初のメンバーはOF:太田・柏木・西塔・瀬戸山・竹内(譲)、DF:蒲谷・桜井・菅谷・竹内(公)・山田で、どんどんメンバーを入れ替えていった。1本目は、瀬戸山・西塔の確率の高いシュートで一気に−12に。その後何とか−1まで行くが、−3・4を行ったり来たりして長く掛かり、やっと攻守交代すると今度は山田・蒲谷が引っ張り再び長期戦に。しかし、17:30に水飲み休憩を入れた後は、柏木を中心に速攻がうまく決まってどんどん入れ替わった。

その後恒例のシュートゲーム。指名されたのは石崎。見事に決めて喜ぶが、「後45分もあるのに終わると思ったの?セットが1つ減っただけだよ。」とHC。続いて宮永も決め、「今日はずすのは誰?」という問いにどこからともなく「朝山」の声が。しかし朝山も決め、「次決めたら終わり」と指名されたのは太田。これが惜しくも外れると、「昨日決勝シュートを決めた」竹内(譲)、「今日結構決めていたよね」と言われた柏木も外してしまい、ペアで手押し車に背負い歩き。「次は?」と聞かれて自ら手を上げたのは瀬戸山。皆の期待に応えて決め、補強と2人組ストレッチをして終了した。

サーキット
2対2
ポジション別練習

サーキットで温かく見守る田中
ダンクに挑戦するマネージャー
シュートゲーム外してしまった瞬間

<取材・文 北村美夏>
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