<スプリングキャンプレポート>

2月23日国立スポーツ科学センター(JISS)において、男子日本代表強化活動の一環として昨年度より開始されたスプリングキャンプの今年度第1次キャンプがスタートした。このキャンプは今年開催されるユニバーシアード大会に出場するU-24男子日本代表を決めるセレクションも兼ねており、初日の練習はU-24代表チームのHコーチである池内コーチ、Aコーチの山本コーチが主導で、A代表の東野Aコーチも協力し進められた。
メンバーは都合などで途中参加となる4名と辞退者1名を除く27名(うち3名が見学)が参加した。

2/23(水)
 練習前に代表チームのサプライアーであるアシックスのシューズ合わせなどが個々に行なわれた。その後全員で体重測定とミーティングのため一旦体育館を出る。約30分後に帰ってくると、コーチ陣も揃い集合となる。池内コーチより今日の練習内容についての説明があり、全員で声を出し、アップが始まる。小出トレーナーのリードの下時間をかけてしっかり身体を動かすと、気持ちをほぐす意味も兼ね全員で鬼ごっこを行なう。参加選手の表情もほぐれ、体の動きも良くなってくる。
 続けて2つに分かれてのスクエアパスを行なう。ガードとフォワードのグループとセンター・フォワードのグループに分かれる。まずはコート1面を使って長いパスとダッシュ。パスの際の手の返しをしっかりすること、パスの後のダッシュを思いっきりいくことなど、コーチから指示が入る。次に半分の大きさになり、小さなパスと手渡しパスからフロントターン(次にバックターン)を入れる。簡単な動きではあるが選手たちは全員がよく集中して行なっていた。
<メニュー>
15:30 体重測定・ミーティング
16:10 円陣 アップ
16:35 鬼ごっこ
16:40 スクエア・パス
16:50 ドリブル・シュート
17:05 2人組シューティング
17:15 2メン
17:25 3メン
17:35 1on1
18:05 クールダウン
18:20 終了

 次にフリースローラインの横あたりに椅子を置き、そこに向けてドリブルで走りこみ、椅子のところでボールを持ちレイアップへ。これは順次ボールの持つ方向やフェイクを入れるなどの動きが追加されていく。レイアップもダンクが出来る選手は積極的に行くよう東野コーチより声をかけられ、桜井や竹内公がまずダンクに行くと、大西や寒竹などセンターやフォワードの選手たちはどんどんダンクを決めるようになる。ガードも瀬戸山や伊藤拓などがダンクにいっていた。速いスピードで15分間続けられると、2人組みシューティングへと移る。


鬼ごっこ

スクエア・パス
 水分補給の後、オールコートで2メンダッシュを行なう。リバウンドは別に1人入り、バックボードに当てたボールをリバウンダーが取りパスを出す。そこからなるべくドリブルをつかわずパス1本でゴールまで持って行く。続けて3メンとなる。サイドを走る選手のみが交差し反対サイドに行き、センターを走る選手は変わらない形で1組が2往復行なう。両サイドの選手は走る量が多く、シュートまでとかなり厳しいようすだった。またいつもやっているやり方と違うためか、センターを走る選手がサイドに行こうとして選手同士がぶつかりそうになったり、慌てて引き返すシーンも見られた。約10分間行なわれたが、終盤は順番を待つ選手のほとんどが膝に手をつき苦しそうな表情を浮かべていた。
  短い水分補給後、4組に分かれての1on1を行なった。まずはゴール下からディフェンスが3ポイントラインあたりにいるオフェンスに向けてパスを出し、すぐにダッシュしてディフェンスにいき1on1となる。オフェンスは1人が5本シュートを決めるまで続ける。全員が終わると次はディフェンスがオフェンスの手前2m辺りからパスを出し1on1を始める。これは3本決めるとオフェンスは交代する。ディフェンスが出る前に早めにシュートにいったり、出でくるのにあわせてドライブしたりといろいろだったが、ディフェンスも真剣で、シュートを5本決めることはなかなか容易ではない様子だった。特に竹内公・大西・西塔・伊藤孝などの組では抜いてシュートにいってもシュートブロックが入り阻止されることも多く、このグループが最も時間がかかっていた。
 その後クールダウンを行い、円陣を組んで終了となった。

3メンの順番を待つ選手たち

1on1
 スプリングキャンプの初日は昨年とは雰囲気もがらりと変わっていた。ユニバーシアードに向けてという意味でも、A代表入りの可能性という意味でも、選手たちの中にこのキャンプの意味づけがある程度できているようにも見えた。今年度は高校生も参加したが、1on1などではやはり大学生との差が見られる場面もあったが、全体的に臆する様子もなくこのキャンプに参加できているようだった。高校生の参加は大学生にとっても負けられないという気持ちもあり、いい方向に向いているように思えた。
  また、この日ジェリコ・パブリセビッチ日本代表Hコーチは17時過ぎに体育館に姿を見せた。練習に関しては全て池内・山本・東野コーチらにまかせ、終始椅子に腰掛けたまま選手たちの様子を見ていた。明日からのメニューもまた変わってくるのだろう。参加選手たちの前向きな姿勢が見られるキャンプであり、今後が楽しみである。
<取材・文 渡辺美香>
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