<第53回関東大学バスケットボール選手権大会>

第53回関東大学バスケットボール選手権大会(通称トーナメント)は25日、駒沢体育館、代々木第2体育館で4・5回戦を行った。この日からリーグ1部校が登場し、いずれも順当勝ちした。



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 5回戦>

5月25日(火) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
67
15
1st
20
117

 
東農大
20
2nd
28
明治大
13
3rd
37
19
4th
32

スターティングメンバー
明治大:#13神崎剛、#14神崎健、#6樋渡、#10黒田、#21古橋
東農大:#4小原、#7上野、#8武藤、#9三原、#12会川


第1クォーター序盤、明治大は黒田・古橋のセンター陣で加点し残り3分で16-6とリードする。しかし外のシュートの確率が良くなく、その後18−11と詰められ、#12緒方のブザービーターで何とか20−15とする。第2クォーターもファールがかさんでリズムに乗れないが、残り3分オフェンスリバウンドを粘って尾崎がバスケットカウントを決めたところで東農大にタイムアウトを取らせる。さらにタイムアウトあけにゾーンディフェンスに切り替えるとこれが機能し、攻めても神崎健のロングシュートなどで46−28と一気にリードすると48-35で折り返す。

第3クォーターもゾーンディフェンスを続け、東農大の攻め手をつぶし残り5分69-39と30点差をつける。オフェンスでも交代するメンバーが積極的にゴールを狙い、85-48として最終クォーターへ。ディフェンスリバウンドを取り切れず東農大にセカンドチャンスを与える場面もあったが、新しくコートに入った選手が厳しいディフェンスを見せ、最後は1年生3人をコートに立たせる余裕も見せて117-67と大勝した。

明治・神崎健


明治大・塚本清彦ヘッドコーチ
「今日は中澤が頑張ってくれた。3クォーター目のブロックショット、その前のリバウンドは引き離すきっかけとなってくれたと思う。差がつくとモチベーションが下がり、雑になったので66点以上取られたらダッシュ、など指示を出した。こういう時はオフェンスよりディフェンスの目標を言ってあげた方がいいんです。集中が落ちて雑になるのは怒ればいいけれど、怪我をしたら取り返しがつかないので。それに、見てくれている人もいるので最後まで盛り上げていくのは自分の役割、仕事と思ってやりました。」

明治大・#13神崎剛
今日の試合はシュート率が今ひとつ。ディフェンスで貢献したものの、ミスも見られた。
「昨日は調子が良くシュートも入ったのだけれど、今日は良くなかった。でも自分が打たなくなるとチームのリズムが悪くなるので打っていきました。今日は全体的にも外のシュートが今ひとつでしたが、その中でもチームの流れはしっかり掴めていたと思います。明日も集中して頑張ります。」

明治大・#14神崎健
大きな声で指示を出し、苦しい時にシュートを決めるなどフロアリーダーぶりを発揮。

「自分の中で、東農大は格下だけれど1クォーター目は競る、と思っていました。今日はオフェンスよりもディフェンスが良くなかった。ゲームメイク的には少し止まってしまう場面もあったけれどまぁ良かったのではと思います。声は意識しなくても出ちゃうんですよ。ポイントガードが向いているのかな?(笑) シュートは、自分の思う良いポイントガードは少ないシュートチャンスでも苦しい時に決められるものだと思うので、集中して打ったのが良かったと思います。明日(シードの大東文化大戦)は、韓国遠征(5/13〜18の対高麗大定期戦)の時のように挑戦する気持ちでいきたいです。高麗大よりは強くないと思うんで。」



『しゃべる明治』
今年の明治はとにかくにぎやかだ。コートの中も外もよくしゃべる。
一番顕著なのが塚本新ヘッドコーチ。「ディフェンスだ!ここだ!」と手を叩き続ける。身振り手振りも大きく、選手と肩を組み背中を叩いて指示を出す。
コートで一番大きな声を響かせていたのは今シーズンからポイントガードにコンバートされた神崎健。フォーメーションコールはもとより、「大樹さん、上がって!大樹!」と先輩の樋渡を呼び捨てにしてしまうほどのゲームメイクぶり。プレー以外の面でも、「我慢!」「ここが離しどころだぞ!」と存在感を発揮していた。
それ以外にも、尾崎がオフェンスでのミスの直後に「ディフェンス!」と落ち着かせようとしたり、試合中は大人しい黒田が「(フォーメーションで)だめならだめってすぐ言わなきゃだめだよ」とはっきりと言っていたり。そして、ベンチも反対側のスタンドも積極的にコート内に声を掛ける。
おかげで明治の勢いは最後まで落ちなかった。終盤に出てきた選手も短い時間ながらディフェンスにオフェンスに積極的に動き続けた。
昨年は2部リーグ6位ながら、明治の潜在能力は高い。今後ぶつかる1部校とも、厳しい時間帯を我慢しこの勢いを途切れさせなければ、対等にわたり合えるのではないだろうか。



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 5回戦>

5月25日(火) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
71
17
1st
29
94

 
駒沢大
17
2nd
13
東洋大
12
3rd
24
25
4th
28

駒沢大は、17−29と劣勢スタートとなる。しかし第2クォーター、ディフェンスリバウンドから連続して速攻が出て、開始2分半で24-29と一気に詰める。さらにゴール下で粘ってフリースローを得るもなかなか決められないが、残り5分#22向が2本沈め32-32とついに追いつく。しかしそこからもシュートの確率が悪くリズムに乗り切れず、残り2分でのタイムアウト以降得点が止まり前半を34-42とする。

後半立ち上がりは激しい主導権争いとなり、どちらもなかなかゴール出来ないが、ディフェンスのミスから東洋大に3ポイントシュートを決められると、東洋大のディフェンスが冴えペースを握られてしまう。残り5分38-53と差が開くと、集中力が切れてオフェンスリバウンドを許し、気持ち良くシュートを決められ46-66となる。最終クォーター巻き返しを狙うも体力が落ち、71-94と流れを変えられずに終わった。



『気持ちだけ』
第2クォーターの追い上げに、駒沢大は盛り上がり。しかし第3クォーターそれと逆のことが起きると、一転静かになった。その中で、1人、あきらめずに声を出し続けた部員がいる。
「頑張ろうよ!」「声出していこうぜ!」「中合わせてやれよ!」「ここ大事だよ!」
2年生の外山真也だ。声を出すというより最後までコートの仲間に呼び掛けるという感じだった。
「声はいつも出しています。練習でもずっとです。みんな沈んでしまっていたので、盛り上げてもう一度まとまれればと思って。」しかし大差がついた。「こんなに差がつくとは思わなかったです。経験の差じゃないですかね。1人1人がやることをしっかりやらなければいけなかったですね。」
その“1人1人”に外山は入っていない。彼の座っていたところはベンチの反対側だ。「もどかしいっていうのはありましたよ。」だからと言って攻められもしないし、守れもしない。「メンバーに入るために足りないのはあと技術だけですね。気持ちは1番あるって思ってます。」
それでもこの試合、彼の気持ちだけは確かにコートの上にあって、駒沢大の選手に“もう一歩”を出す力を与え続けていた。
写真中央が駒沢・外山



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 5回戦>

5月25日(火) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
66
17
1st
35
108

 
国際武道大
15
2nd
24
法政大
22
3rd
24
12
4th
25


法政大は序盤、町田のゴール下シュートなどで17−9とリードする。しかしそこから国際武道大#4本間、#9田中の合わせやパスカットからの速攻などで17−15と詰め寄られてしまう。法政は#12山田が積極的にゴールを狙うが、外も中も気持ち良く決めることが出来ない。ただディフェンスで圧倒してインサイドに全くボールを入れさせず、リバウンドから#23末廣のシュートにつなげてこのクォーター35−17とする。第2クォーターもインサイド陣の優位を生かし差を広げていき、残り3分から#14長谷川・#18福田・#19高久・#21深尾・#22山田の下級生をコートに出す余裕を見せ、59−32とする。

後半もインサイドを重点的に攻め、ファールを奪ってフリースローを得るなど優位に試合を進め、第3クォーター終了時83-54、最終的に108-66と貫録勝ちした。

法政・町田



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 5回戦>

5月25日(火) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
49
10
1st
30
119

 
横浜国立大
13
2nd
28
専修大
10
3rd
25
16
4th
36


専修大は中川和、大宮、波多野、長澤、小渕とベストメンバーで臨むが、横浜国立大#17香川のバスケットカウントで先制され、長澤がオフェンスファールを取られるなど立ち上がり調子が出ない。しかし、ディフェンスリバウンドを支配して速攻につなげると徐々に本領を 発揮し、第1クォーターだけで3本のダンクを叩き込み30-10とリードする。第2クォーター以降はオフェンスリバウンドも取り続け、守っても横浜国立に中でも外でも楽なシュートを打たせず、前半を58-23、最終的に119 - 49と完勝した。28 - 13 25 - 10 36 - 16
専修・長澤



『1部ですから』
この日から関東大学リーグ2部上位、1部校が登場。楽しみにしていた人も多いはずだ。しかし、今日の試合はどちらかといえば“期待はずれ”だった。
1部の法政大、専修大は、全体的にアウトサイドシュートのタッチが良くなく、またそのリバウンドシュートなどイージーなシュートまで落としていた。ただオフェンスリバウンドを取り続けることが出来、ディフェンスに分があり大差を付けて勝ってはいた。しかし観に来ていたひとが観たかったのは1部校が“勝つところ”ではなかったと思う。
もちろん、この日が初戦ということもあったし、ピークはもっと先に合わせてあるのだろう。それでも“さすが1部”と誰もに言わしめるようなバスケットを見せて欲しかった。



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 4・5回戦>
5月25日(火) 会場:駒沢体育館・代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
74
18
1st
25
105
帝京大
18
2nd
21
神奈川大
17
3rd
33
21
4th
26
 
79
16
1st
18
87
千葉大
15
2nd
22
茨城大
19
3rd
28
29
4th
19
92
17
1st
8
72
 
東京成徳大
24
2nd
19
東京大
29
3rd
22
22
4th
23
 
80
22
1st
14
101
神田外語大
15
2nd
31
獨協大
14
3rd
30
29
4th
26
 
88
25
1st
27
102
立教大
21
2nd
17
東京経済大
26
3rd
26
16
4th
32
 
60
14
1st
17
89
上武大
14
2nd
22
城西大
17
3rd
19
15
4th
31
 
76
23
1st
31
123
千葉商科大
16
2nd
30
玉川大
23
3rd
30
14
4th
32
 
69
15
1st
30
106
武蔵大
15
2nd
24
白鴎大
18
3rd
19
21
4th
33
 
94
32
1st
28
103
国士舘大
18
2nd
31
順天堂大
18
3rd
24
26
4th
20
 
75
19
1st
31
105
亜細亜大
15
2nd
37
関東学院大
17
3rd
17
24
4th
20
 
69
26
1st
21
91
國學院大
12
2nd
21
大東文化大
17
3rd
18
14
4th
31
104
32
1st
18
62
 
日本大
21
2nd
8
東京学芸大
24
3rd
18
27
4th
18

<取材・文 北村美夏>

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