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＜第53回関東大学バスケットボール選手権大会＞

第53回関東大学バスケットボール選手権大会（通称トーナメント）は26日、駒沢体育館、代々木第2体育館で5・6回戦を行った。

明治大・塚本清彦ヘッドコーチ
第1クォータータイムアウト時から「気持ちがない。点差は関係ない、思い切りやれ！大丈夫だから」と言い続けた。
「就任してから3ヶ月、「気持ち」「心」を変えようとやってきた。初戦では“明治のプライド(かつて北原憲彦を擁しこの大会を連覇)を見せろ”と怒ったが、今日は20点差があってもあきらめずにやれて、それが少しは形になったのではと思う。ただ、プレー面では、“アウトサイドは水もの”とよく言ったもので予想以上に相手の3ポイントが入り、こちらは入らなかった。また、今回は4年生に体調や経験で不利があり踏ん張れなかったし、明治はどうしても小さくインサイドが弱点になってそこにつけこまれてしまった。ただ、終盤はゾーンディフェンスから相手のミスを引き出すなど出来ていたので、もう少しはやくアジャスト出来れば良かった。負けた時はコーチングが悪い。選手は良くやってくれた。“心技体”とよく言うが、この大会で選手は皆それぞれ悔しさだとか“折れない気持ち”をを得られたのではないかと思う。これからはスキルをつける段階に入って、秋のリーグ戦につなげていきたい。」

明治大・＃13神崎剛
“打たないとチームのリズムが出ない”その言葉通り、ティップオフからの1本目を迷わず狙った。
「甘くなかったなって思います。向こうの5番(西塔)のカットインをケアしていたんですが、3ポイントシュートを決められてしまった。あの身長(197㎝)で打たれるとさすがにきつい。逆にこっちのシュートは入らなくて、リズムをつかめなかった。点差が付いてからは決められたけれど、0-0の緊迫した場面では決められなかった。タッチは良かったのだけど…。やっぱり3ポイントシュートが入らないと、明治にとっては死活問題。明治が勝つ1番の要因は外のシュートを入れることだと思い知らされた。タッチは良かったのに入らないのは、気持ちがだめだからだと思う。これからリーグ戦に向けて精神面を強くして行きたい。」

明治大・＃14神崎健
「うまくできなかった、という感じです。ディフェンスでも相手の5番のところをやられてしまったし。点差が離れてからは開き直れったところもあったし、相手も気持ちが楽になっていたから出来たというだけです。立ち上がりは、センターの黒田が外でシュートを打つ場面が多くて、自分たちは“あいつは中でがつがつ行けるのに”という考えがあるからかみ合わず、リズムを掴みきれませんでした。今日はフォーメーションをコールして動かしていけと言われていて、ノーマークを作るところまではちゃんと出来ていたと思うが、そのシュートが入らなかったです。」

『リーダーシップ』
明治大の黒田は、フリースローのとき必ず1本目のリバウンドを取って丁寧に審判に手渡す。センターという体の接触が多いポジションだが、どんなにダーティなファールをされても怒る素振りも見せない。

その黒田がこんなことを言った。
「やり返せばいいんだぞ！」
大東大のエンドスローインで、チームメイトに「センター来るぞ！」と言われていながらバスケットカウントを許してしまった1年生センター・古橋へ向けた言葉だ。
「あの言葉は別に腹が立っていたとかではなくて、思ったことを言っただけです。古橋はまだ先があるやつだし、怒っても気持ちが折れてしまうだけ。だからああいう言い方をしたんです。」

黒田は193㎝とこのポジションでは決して大きくないが、練習のビッグマンドリルで押し役の相手を簡単に跳ね返す程のパワーの持ち主。この日も1on1で1部のセンターを圧倒していた。「プレイングタイムが1番長いのが黒田。あいつがコートにいると安心できる。」と塚本ヘッドコーチからも信頼されている。

「今までも割と声を出してきたつもりなんですが…(笑) もう3年生で上級生だし、リーダーシップを取らないとと思いまして。」
優しすぎる大黒柱が自覚を持ち始めた。

東洋大は、第1クォーター日大＃7蒲谷・＃9呉屋を止めることが出来ず、14-35と大量リードを許す。しかし第2クォーター、＃4須賀・＃8小鷹のスピーディなカットインから＃7青柳らの3ポイントシュートが決まり、残り4分33-45と差を半減させる。その後1on1を守りきれず失点するが、206cmの日大＃5太田を囲んで守り、前半を41-58とする。

後半も15-20点差でついていくが、要所で日大＃4日下に決められ60-85と差が開く。第4クォーターは足が止まり、＃12丸岡、＃5阿部らがファールアウトと苦しくなる。日大に確実なシュートを決められ、78-108と30点差がついたが、最後まで声を出し合いプレーした。

『いい感じ』
東洋大は、前年度優勝の日大を相手に第2クォーター27点取るなど大健闘。最後までディフェンスコールが途切れず、あきらめずに走り回った。精一杯やれたからか、4番の須賀善仁は終了後の挨拶時笑顔を見せていた。

「やってきたことを見せることが出来たと思います。でももうちょっとやれたかな。自分達の方がどう見ても小さいので、スピードとディフェンスで対抗しなければなりませんでしたが、最後は少し疲れてしまいました。」

終盤はディフェンスで足がついていかずファールがかさんでしまい、中には足がつってしまった選手もいた。

「日大のような強いところとやれたのは絶対に良い経験なので、それを秋のリーグ戦にどう生かしていくかですね。いけると思うんですけどね…チームもいい感じだと思うし。」

春に得た“いい感じ”が、秋にどんな形で見られるようになるか楽しみだ。