<第53回関東大学バスケットボール選手権大会>

第53回関東大学バスケットボール選手権大会(通称トーナメント)は27日、代々木第2体育館で6回戦残りの4試合を行い、ベスト8が出揃った。
東海大-筑波大は延長にもつれこむ接戦。慶応大−中央大は慶応大が押し切った。日体大−拓殖大は拓殖大が激しい追い上げを見せた。そして最後の椅子を争った青学大−早稲田大は、早稲田大が崩れ青学大が大差で勝った。
この結果、昨日勝った専修大・法政大・日本大・大東文化大と、筑波大・慶応大・拓殖大・青学大が明日の準々決勝を戦う。



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 6回戦>

5月27日(木) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
80
16
1st
19
86

 
東海大
16
2nd
16
筑波大
22
3rd
19
 
23
4th
23
 
3
OT
9

スターティングメンバー
東海大:#5稲葉、#8池田、#9西堂、#11石崎、#15竹内
筑波大:#4瀬戸山、#5井上、#8森本、#12小松、#13尾崎

立ち上がり、東海大は#9西堂のゴール下で先制する。しかし筑波大#13尾崎にすかさずバスケットカウントを奪われるなどどとらも譲らず、残り3分半でも11-13と互角の展開となる。その後筑波大#4瀬戸山の1on1に集まったところをうまくパスアウトされ11-17とされるが、#15竹内がミドルシュートでつないで第1クォーターを16-19とする。

第2クォーターは、センターにボールを入れたところでダブルチームを組まれてこずるが、#5稲葉の3ポイントシュートでくらい付き、#12内海のシュートで残り5分24−23と逆転する。その後ミスから再び27−29とされるが、またもや#12内海の3ポイントシュートで逆転。しかし#11石崎の1on1からのシュートがリングに嫌われ、さらに残り3秒でシュートを決められ結局前半を32−35とする。

第3クォーターは#9西堂の3秒バイオレーション、#15竹内のチャージングなどでなかなかシュートに持っていけないが、#8池田がうまくファールをもらい、フリースローを決めて36−37とするとしばらく1点差の攻防になる。互いに楽なシュートを打たせず、リバウンドも激しくなる中、筑波大#4瀬戸山にねじこまれ42−45となる。しかしすかさず#8池田が3ポイントシュートを決め返す。すると筑波大#10鹿野、#12小松にペイントエリアで粘られ、45−50とされ残り3分たまらずタイムアウトを取る。そこで落ち着きを取り戻し、#8池田が再び3ポイントシュートを決め、さらに#7吉留の1on1で残り2分50−50と付いていく。そのまま4点ずつ加点し54−54で最終クォーターへ。

筑波#4瀬戸山の1on1から
#12小松へのアシスト

東海大#15竹内をかわし
シュートする筑波大#5井上
第4クォーターは、#15竹内が筑波大#5井上へのパスをカットしてダンクからスタート。さらに#5稲葉が3ポイントシュートを決め、筑波大#4瀬戸山の1on1を囲んで封じそれを速攻に持ち込んで、61−58とすると残り8分で筑波大にタイムアウトを取らせる。その後66−60と差を広げるが、#4瀬戸山にうまくフリースローを奪われる。しかし#5稲葉が3ポイントシュートを再び決めて69-62とする。だがその直後にリバウンドからガードにつなくところでイージーなパスミスが出て流れに乗り切れず、筑波大#10鹿野に3連続ポイントを許して残り4分71-70とされる。さらにリバウンドから筑波大#4瀬戸山に3ポイントシュートを決められついに71-73と逆転を許す。しかし、タイムアウト明けに#11石崎が体勢を崩しながらもねじこみバスケットカウントを得て74-73。その後互いにシュートが落ち、1点差のまま残り1分を切る。東海大は#8池田の1on1に託すが、ボールはリングをつたって外に落ちる。そのリバウンドは筑波大に出てローポストの筑波大#12小松に渡るが、これがチャージングとなる。その後パスカットされるがその速攻につなぐパスを#11石崎がカットし返し、残り10秒でファールをもらう。タイムアウト明け、#11石崎は1投目のフリースローを冷静に決める。しかし2本目を落としてしまい、それを残り2秒で筑波大#10鹿野のステップインシュートにつなげられ土壇場で同点にされる。

5分間の延長では、#11石崎がパスの出しどころがなくトラベリングを取られるなど攻めあぐみ、筑波大#10鹿野の連続ポイントで残り1分半80-83と先行を許す。#8池田らのシュートが惜しくも外れる一方筑波大#4瀬戸山に決められ、80-86で1分を切る。ファールゲームに持ち込もうとするがうまくファール出来ず、24秒いっぱい使われてしまう。最後に#11石崎が持ち込んで放った3ポイントシュートも外れ、東海大は80-86で接戦を落とした。


東海大・陸川章監督
「良い試合でした。皆頑張っていたのに勝たせてやれなかったのは自分の責任です。ちょっとした隙をつかれたり、エンドスローインのパスミスなど細かいところでミスが出た。バスケットは流れのスポーツなのに、自分たちで断ち切ってしまった。そういうところを詰めるには練習しかないので、この反省を今後のリーグ戦、インカレにつなげていきたい。」

東海大・#8池田
後半、3ポイントシュートで追い上げに貢献。しかし、終盤の1on1のチャンスを生かしきれなかった。
「シュートの調子はここのところあまり良くなかった。自分や石崎のイージーシュートが落ちたことで追いつかれてしまった。いつも通り打ったつもりだったが、入らなかった。」

東海大・#11石崎
2年生ながら筑波大の得点源・瀬戸山とマッチアップ。その疲れからか要所でのフリースローを決め切れず。
「瀬戸山さんは周りが良く見えていて無理をしない。スクリーンをうまく使ってくる分守りにくかった。フリースローは、打った時は入ったと思った。まさか外れるとは…。何故外れてしまったのかはわからない。(土壇場で追いつかれたのは)ボールを持っている人に任せきりになってしまって組織的なバスケットが出来ず、その分1人1人に負担がかかり、流れも引き寄せられなかった。最後は自分が行くところだったが、決められなかった。シュートの機会は少なくても、それをしっかり決めなくてはいけなかった。」

東海大・#15竹内
立ち上がりはアウトサイドぎみでプレーしていたが、展開が厳しくなるにつれリバウンドで体を張った。
「こちらが悪いわけではなかったと思う。悔しいのは悔しいが、次頑張ろうと思える試合だった。(ポスト的な動きは)自分より周りに攻めどころがあると思ったから。最後はオフェンスだけになってしまって、シュートがたまたま入らなかった。でも力は出し切れたと思う。」



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 6回戦>

5月27日(木) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
78
35
1st
18
89

 
日本体育大
17
2nd
32
拓殖大
17
3rd
15
9
4th
24

スターティングメンバー
日体大:#4佐藤、#5橘、#8大西、#9野口、#12与那嶺
拓殖大:#6熊谷、#8加々美、#9小島、#10長谷川、#12伊藤

第1クォーター、拓殖大は日体大#8大西、#9野口にインサイドを支配される一方でシュートが入らず、そのリバウンドも取られてしまう。結局18-35とダブルスコアのリードを許す。

そこで第2クォーター、ディフェンスにゾーンを使い、積極的にプレスを仕掛けると、日体大にターンオーバーが出始める。それを速攻につなげ、さらに#6熊谷がリバウンドに飛び込んでセカンドチャンスを作り、残り5分4点差にまで詰め寄る。その後も日体大の攻撃を#4佐藤の3ポイントシュートなど抑え、 わずかに2点のビハインドで折り返す。

しかし後半立ち上がりは、再びシュートが外れ、リバウンドが取れなくなる。開始3分で一気に10点差となるが、ディフェンスで我慢する。オフェンスでも粘り、日体大のファールを誘い、日体大#4佐藤、#8大西、#12与那嶺のスタート3人を4ファールで交代に追い込む。この間に得点を重ね、わずかに4点リードを許して最終クォーターへ。

第4クォーターも勢いを持続し、#9小島のペイントエリア内での1on1、#10長谷川のミドルシュート、リバウンドからの速攻など多彩に攻めて残6分71-69とついに逆転する。さらにその直後、日体大#8大西を5ファールアウトさせる。拓殖大は、攻撃の基点がいなくなった日体大を7分間ノーゴールに抑える。#8加々美を中心にシュートを確率良く決め、残り3分30秒には80-69とリードをひろげる。残り3分日体大は#5橘に3ポイントシュートを決められるが、その後はゴールを割らせない。残り20秒から日体大#9野口、#10新井に3ポイントシュートを決められるもセーフティリードは変わらず、大逆転で拓殖大がベスト8を決めた。



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 6回戦>

5月27日(木) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
71
16
1st
19
90

 
早稲田大
14
2nd
25
青山学院大
24
3rd
23
17
4th
23

スターティングメンバー
早稲田大:#4木村、#11押野、#14菅原、#15高木、#22近森
青山学院大:#4鈴木、#6伊藤、#7佐藤、#8大屋、#10岡田
早稲田大は第1クォーターこそ16-19とするが、第2クォーターに入ってもシュートが決まらず、青学大#7佐藤のリバウンドから速攻をくらい前半を30-44とする。

後半巻き返しをはかるが、パスミスなどオフェンスのミスが相次ぎそれを青学大に得点につなげられ、残り6分34-52と20点差が付いたところでタイムアウトを取る。すると#22近森が1on1を決め、悪い流れを断ち切ったかに見えたが、パスミスが出てしまう。得点源の#15高木が3ポイントシュートを決めても、直後に青学大#10岡田に4点プレイ(3ポイントシュートのバスケットカウント)を決められ乗り切れない。その後#15高木の3ポイントシュート、#22近森のフリースローで詰めるが、残り8秒で青学大#6伊藤のシュートを許し54-67で第3クォーターを終える。

第4クォーターは、立ち上がり青学大のミスから#4木村らが得点し60-69と一桁点差に迫るが、青学大#7佐藤にダンク、3ポイントシュートと暴れられ、残り6分60-77と押し戻される。タイムアウト明け、#15高木が3ポイントシュートを決め、さらにフリースローを得るが、これを2本とも落としてしまう。その後もう1本決めるが今度は青学大#10岡田に入れ返されるなど点差を詰められない。71-88で1分を切り、#13久保のパスの出し所がなく放った3ポイントシュートがはずれ、青学大#10岡田が時間ぎりぎりで3ポイントシュートを決めるというこの試合を象徴するような場面で早稲田大の惨敗となった。

28得点の青学大#10岡田


早稲田大・倉石平コーチ
「ひどい以外に何も言うことはないでしょう。何故こうなったかは言うことを聞かないから。自分(の采配)が悪かったのかな。」

早稲田大・#15高木
後半、3ポイントシュートを沈め気を吐いたが、クールダウン時は本当に残念そうな表情を浮かべていた。
「チームは頑張ろうとしていたけれど頑張っていなかった。チャレンジャー精神が欠けていたんです。うまくこなそうとしてシュートを逃げたりして決められなかった。怖がってしまった。立て直せなかったのは意識が弱いから。経験も少かったし、練習でもっと危機感を持ってやらないといけない。自分のプレーも、ボールをあまりもらえなかったし、決めるところで決められずミスも結構あったりしてあまり良くなかったです。」




<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 6回戦>
5月27日(木) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
79
27
1st
12
71
 
慶應義塾
22
2nd
26
中央大
12
3rd
14
18
4th
19
89
18
1st
35
78
 
拓殖大
32
2nd
17
日本体育大
15
3rd
17
24
4th
9

<取材・文 北村美夏>

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