<第53回関東大学バスケットボール選手権大会>

第53回関東大学バスケットボール選手権大会(通称トーナメント)は30日、代々木第2体育館で決勝、3位決定戦、5-6位決定戦、7-8位決定戦を行った。

7-8位決定戦は、点の入れ合いを日本大が制した。5-6位決定戦は、最後の5秒まで勝敗がもつれた。3位決定戦は、法政大エース#12山田の不調で大差が付いた。そして決勝は、専修大が最終クォーターに青学大を突き放し、初優勝を果たした。
最優秀選手賞には、専修大#6中川和之が選ばれた。

<最終結果>
優勝 専修大学  (初優勝)
準優勝 青山学院大学
第3位 拓殖大学
第4位 法政大学
第5位 慶應義塾大学
第6位 筑波大学
第7位 日本大学
第8位 大東文化大学

個人賞
最優秀選手賞 中川 和之 (専修大学#6)
敢闘賞 鈴木 伸之 (青山学院大学 #4)
優秀選手賞 波多野 和也 (専修大学 #10)
  大宮 宏正 (専修大学 #13)
  佐藤 託矢 (青山学院大学#7)
  熊谷 渡 (拓殖大学#6)
  山田 謙治 (法政大学#12)
得点王 加々美 裕也 (拓殖大学#8) 99得点 9-30-12 (3ポイント-2ポイント-フリースロー)
3ポイント王 岡田 優介 (青山学院大学#10) 16本  16/44本
竹野 明倫 (大東文化大学#9) 16本  16/27本
リバウンド王 竹内 公輔 (慶應義塾大学#19) 73本  20-53 (オフェンス時-ディフェンス時)
アシスト王 辻内 伸也 (慶應義塾大学#10) 18本



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 7-8位決定戦>

5月30日(日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
75
16
1st
20
91

 
大東文化大
19
2nd
20
日本大
14
3rd
20
 
26
4th
31
 

スターティングメンバー
大東文化大:#4月野、#5西塔、#6孟、#7石井、#9竹野
日本大:#4日下、#5太田、#7蒲谷、#9呉屋、#11城間


大東文化大は、5月初めに怪我していた#4月野をスタメンで起用。第1クォーターはその#4月野らの3ポイントシュート、オフェンスリバウンドからの得点を重ねるが、日本大#9呉屋にシュートを許し残り3分10-14とリードされる。しかし前日からあたっているルーキー#9竹野が1on1などでつなぎ、16-20とする。

第2クォーター序盤はその#9竹野と、日本大#16菊池の入れ合いとなる。残り6分、#17金城がドライブからフリースローを得て28-29とすると、#9竹野の連続カットインで32-29と逆転に成功する。だがその後日本大のターンオーバーなどのチャンスを生かせず、残り2分45秒日本大#9呉屋の3ポイントシュートで再び32-34となる。その後#7石井、日本大#16菊池が入れ合うが、そこから厳しくなる日本大のディフェンスにターンオーバーが相次ぎ前半を35-40とする。

第3クォーター立ち上がり、日本大#7蒲谷の3ポイントシュートを決められ、35-43と苦しくなる。ディフェンスでオールコートプレス、2-3ゾーンなどを試みるが効かず、日本大#11城間の得点を許し49-60で最終クォーターへ。

第4クォーターは#9竹野の3ポイントシュートで52-60と一桁差に戻すが、206cmの日本大#5太田の1on1にたまらずファールしてしまい残り7分30秒55-63と詰められない。タイムアウト後、#9竹野が得点するがその度に日本大#9呉屋に返され残り4分でも63-73。その後日本大#7蒲谷に3ポイントシュートを決められ63-76でタイムアウトを取る。残り3分から#17金城のドライブ、3ポイントシュートで70-78とつなぐが、残り1分半に5ファールアウトすると万事休す。ゴール下でファールを誘われ、そのフリースローを確実に決められて75-91で日本大が7位、大東文化大は8位となった。


大東文化大・ベッカートHC
怪我人が続出したこの大会、去年まで出場経験のない#17金城を抜擢した。
「彼はこのチームには珍しいユニークな選手で、雰囲気を明るくしてくれる。今日は日本大のカバーディフェンスが良く、止められる場面もあったが、いい経験になったと思う。彼は妥協せず頑張るタイプなのでチームメートも認めているし、見ている人にも応援してもらえたと思う。オフェンスのリズムが悪いときも、攻め続けてくれてよかった。だから少々止められても彼のためにも今日はずっと使いました。」



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 5-6位決定戦>
5月30日(日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
78
22
1st
25
81

 
筑波大
20
2nd
25
慶応義塾大
18
3rd
14
18
4th
17

スターティングメンバー
筑波大:#4瀬戸山、#5井上、#8森本、#12小松、#13尾崎
慶応義塾大:#4志村、#5石田、#10辻内、#18酒井、#19竹内


慶応大は序盤、筑波大の#4瀬戸山に連続ポイントを許し6-11とされるが、#10辻内の連続ポイントで11-11と追いつき、#19竹内のシュートで16-11と逆転する。残り1分を切ってから筑波大の1年生ガード#18吉田に3ポイントシュートを決められるが、第1クォーターを25-22とする。

第2クォーターは、引き続き筑波大#18吉田の速攻で28-29と一時逆転を許すが、#4志村が要所でシュートを決め残り4分42-36とリードする。この後筑波大#5井上の得点で詰められるが、#5石田のそとのシュートが決まり50-42で折り返す。

後半は、#10辻内のシュートで10点差をつけるが、第3クォーター残り6分#19竹内をベンチに下げた直後に筑波大#13尾崎にリバウンドからバスケットカウントを奪われる。慌てて#19竹内を戻すが、筑波大に勢いを与えてしまい#4瀬戸山のミドルで残り4分58-54まで迫られる。#19竹内のゴール下で61-54とするが、筑波大#5井上のステップイン、#18吉田のフリースローで61-58となる。この後筑波大#5井上がそれぞれ決めて64-60とする。

最終クォーター立ち上がりに筑波大#5井上に決められ64-62とワンゴール差になる。この後#6関がフリースローを得るも2本とも落とすが、筑波大#12小松もフリースローを1投落とし64-63。だがリバウンドから#4瀬戸山に決められ、さらに#10鹿野のゴール下で64-67と逆転される。しかし交代して入った#18酒井がバスケットカウントで残り7分67-67と振り出しに戻る。

筑波大のタイムアウト明け、#5石田が3ポイントシュートを含む連続得点で残り5分75-67と一気に突き放す。だがこの後筑波大#4瀬戸山のシュート、速攻でじりじりと詰められ、残り2分筑波大#18吉田-#5井上の速攻で77-76とされタイムアウトを取る。#19竹内、筑波大#12小松が決め79-78で慶応大のオフェンス。#10辻内のアシストでフリーの#19竹内がミドルシュートを決め、残り5秒で81-78とリードする。筑波大はここでタイムアウトを取り#18吉田を入れて最後の攻撃にかけるが、その#18吉田が運びで持ち過ぎエース#4瀬戸山にパスが渡ったところでブザー。慶応大が接戦を制して5位、筑波大が6位となった。



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 3位決定戦>
5月30日(日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
75
23
1st
26
93

 
法政大
15
2nd
23
拓殖大
22
3rd
16
15
4th
28

スターティングメンバー
拓殖大:#6熊谷、#8加々美、#9小島、#10長谷川、#12伊藤
法政大:#11亀井、#12山田、#15小川、#17町田、#23末廣


拓殖大は#6熊谷、#8加々美、#9小島が得点を重ね、法政大の攻撃を#17町田のみに抑え残り3分20-12とリードし、1年生の#23宇田を投入する余裕を見せる。だがこの後拓殖大#23末廣の3ポイントシュート、#11亀井・#19高久のゴール下で22-19まで詰められこの第1クォーターを26-23とする。

第2クォーターは#10長谷川のシュートでスタート。ターンオーバーからの速攻で32-23とリードを広げる。ここで法政大は司令塔をルーキー#21深尾に代える。すると#19高久に得点を許し36-30まで詰められる。そこでディフェンスを2-2-1オールコートプレス、ハーフの2-3ゾーンなど変えて翻弄し、ターンオーバーを誘って44-30と2桁差をつける。前半残り10秒を切ってから法政大#17町田のバスケットカウント、#22山田のバックコートのフリースローライン辺りからのブザービーターを許すが、49-38とセーフティリードを維持する。

後半は#10長谷川と法政大#17町田が入れ合う展開となり、点差は動かない。だが残り3分法政大のエース#12山田の連続3ポイントシュートで61-54と詰め寄られる。拓殖大はミドル、法政大はゴール下でそれぞれ加点し第3クォーターは65-60となる。

第4クォーターはいきなり法政大#19高久に3ポイントシュートをくらい65-63となるが、#9加々美が中に外にと活躍し残り5分30秒76-68と再び突き放して法政大にタイムアウトを取らせる。だがその後も得点を重ね、#12伊藤が法政大#12山田をブロックして加々美の速攻バスケットカウントにつなげ残り4分83-68とする。法政大は再びタイムアウトを取り、ゲームメイカーに#21深尾・#22山田の1年生コンビを使ってくるが、#10長谷川が引き続き得点し88-73と寄せ付けない。残り1分を切ってこの大会の得点王となった#8加々美が3ポイントシュートを沈めて3位を決めた。



<第53回関東大学バスケットボール選手権大会 決勝>
5月30日(日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
68
17
1st
16
86

 
青山学院大
17
2nd
23
専修大
16
3rd
18
14
4th
21

スターティングメンバー
青山学院大:#4鈴木、#6伊藤、#7佐藤、#8大屋、#10岡田
専修大:#6中川和、#9長澤、#10波多野、#13大宮、#15小淵


専修大は、青山学院大#4鈴木のミドルで先制を許す。#6中川和のシュートを青学大#10岡田に守られ、残り6分#13大宮のシュートでやっと2-7とする。残り3分#5中川直を入れるとそのアシストで#6中川和が得点できるようになるが、青学大#6伊藤にシュートを決められ乗り切れない。残り1分30秒青学大のエース#10岡田の3ポイントシュートで10-17となるが、その後#9長澤、#10波多野、#13大宮が高さを生かして第1クォーターを16-17とする。

第2クォーターも引き続き#5中川直を起用し、#6中川和の連続得点で20-17と逆転する。しかしここから青学大#8大屋らの得点で再び22-27とされる。だが、残り6分青学大のインサイドの要#7佐藤がチャージングで3つ目のファールとなり交代を余儀なくされたのを機に、#9長澤らのインサイドで27-30とする。青学大#4鈴木の3ポイントシュート、#6伊藤のミドルでくらいつかれるが、残り1分を切ってから再び#9長澤のインサイドプレーで39-34とリードして折り返す。

後半は青学大#7佐藤がコートに戻るが、それをものともせずリバウンドから速攻を出し#13大宮が連続ダンクを決めるなど開始3分で49-34と一気に差を広げる。しかし青学大にゾーンディフェンスを敷かれるとリズムがやや崩れ、速攻で青学大#8大屋にバスケットカウントを決められ残り2分30秒53-46とされる。その直後に#10波多野がオフェンスファールを取られたところでたまらずタイムアウト。その後は#13大宮と青学大#6伊藤が入れ合い57-50で終える。

第4クォーターは、青学大#10岡田の3ポイントシュート、#6伊藤のシュートで4点差まで詰められるが、その度に#13大宮が決めて4-6点差の攻防となる。ゲームが動いたのは残り5分。これまで外のシュートを抑えられてきたが、その青学大のディフェンスに疲れが見えたところで、#6中川和、#13大宮が3ポイントシュートを決め70-59。その後は#10波多野、#9長澤がインサイドを攻め残り1分を切る。#13大宮のアリウープダンクで締めて、専修大が関東トーナメント初優勝を飾った。

<取材・文 北村美夏>

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