<第80回男子関東大学リーグ戦>

第80回男子関東大学リーグ戦は11・12日、代々木第2体育館で、1部の第1週目が行われた。
早稲田大-日大は、1戦目は日大が99点奪う快勝。2戦目は第3Q早稲田が猛チャージを見せるも1歩及ばず連敗した。
大東大-筑波大
は、1戦目は大東大が第4Qに突き放し、2戦目は筑波がロースコアで守り勝った。
法政大-日体大は、法政が最後に失速。2戦目は延長に持ち込むも及ばなかった。
そして、最後の専修大-慶應大は、慶應大が会心のバスケットで昨秋リーグ・今春トーナメントの覇者・専修大に早々に土をつけた。2戦目は敗れはしたが、善戦した。


<第80回男子関東大学リーグ戦 1週目 第4試合>
9月11、12日(土、日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
75
18
1st
32
77

 
専修大
26
2nd
20
慶應大
9
3rd
19
 
22
4th
4
 

TEAM
 



 
TEAM
68
15
1st
18
65

 
専修大
12
2nd
23
慶應大
23
3rd
10
18
4th
14
 

(9/11分)
スターティングメンバー
専修:#6中川・#9長澤・#10波多野・#13大宮・#15小淵
慶應:#4志村・#5石田・#10辻内・#17酒井・#18竹内

専修大#13大宮と慶應大#18竹内の、日本代表コンビのジャンプボールは竹内に軍配があがる。それを慶應大#5石田に合わせのレイアップにつなげられ、専修大は先制を許す。慶應大#10辻内、#17酒井にも1on1を決められるが、#9長澤がインサイドで得点し、残り7分6-8とする。だが、この後シュートが決まらず、インサイドで囲まれて5秒オーバータイム、トラベリングなどイージーミスも出て、残り3分30秒8-18となってタイムアウトを取る。だが慶應大#5石田をファールでしか止められず、フリースローを与える。慶應大#17酒井の3ポイントシュートでついに10-25とされる。この後代わって入った#12伊藤の3ポイントシュート、#9長澤のインサイドで何とか加点するが、残り20秒から慶應大#5石田に1on1を決められ18-32で終える。

第2クォーターも、#9長澤の1on1を慶應大#18竹内にブロックされるなどリズムに乗り切れず、慶應大#5石田の中外自在のシュートで残り7分24-40となる。ここから#10波多野がミドルシュート、ゴール下と決め、残り5分30秒#6中川和の3ポイントシュートがやっと決まって31-42とする。だが慶應大に

攻撃力が格段に増した慶應#5石田
1on1から楽なシュートを決められる一方、#9長澤のゴール下が慶応大#18竹内に抑えられ、10点差から詰められない。残り1分を切って、#13大宮のブロックショットから#12伊藤の速攻につなげて42-52とし、慶應大にタイムアウトを取らせる。その後の慶應大のパスミスを#9長澤のゴール下につなげるが、少ない残り時間も早いパス回しから慶應大#18竹内のフリーのゴール下シュートにつなげられ44-52として折り返す。

第3クォーター、専修大はディフェンスを集中して24秒オーバータイムを取るなどするが、肝心のオフェンスで足が止まってしまう。そのうちに慶應大#10辻内、#5石田に連続得点を許し、160cmの慶應大#4志村にオフェンスリバウンドを取られてセカンドシュートを許すなど、残り5分46-62と差が開いてしまいタイムアウトを余儀なくされる。この後#9長澤がポジション取りで慶應大#17酒井から4つ目のファールとフリースローを得るが、2投とも落としてしまうなど巻き返しの糸口がつかめず、残り2分慶應大#18竹内にリバウンドシュートをバスケットカウントで許し51-71とついに20点差をつけられる。結局53-73として最終クォーターへ。

第4クォーター、#9長澤のゴール下と#6中川和の3ポイントシュートでまず15点差とする。その後しばらくどちらもシュートが入らないが、慶應大#5石田に難しい体勢からのシュートを決められ、残り6分60-77でタイムアウトを取る。あけると、4ファールだった慶應大#17酒井が出てくるが、ルーズボールですぐに退場に追い込むと、慶應大のオフェンスを止めやすくなる。さらに囲まれるのに慣れた#9長澤のゴール下、そして#6中川和の3ポイントシュートが決まり、残り5分65-77となる。リバウンド、ルーズボールが激しくなり、アウトオブバウンズのコールがレフェリー間で割れるが、慶應大ボールとなって残り4分慶應大のタイムアウトとなる。あけた後、専修大はゾーンディフェンスを仕掛ける。するとこれが功を奏し、慶應大のシュートミスから速攻を出し、#6中川和から#13大宮へのアリウープパスで慶應大#18竹内から4つ目のファールを奪う。このフリースローを2投とも決めて、残り3分30秒67-77とわからなくなる。さらにシュートブロックから#13大宮のリバウンドシュートで残り3分69-77とし、慶應大をタイムアウトに追い込むが、勢いは止まらず、24秒オーバータイムから#6中川和が速攻を決め71-77、さらに#9長澤のバスケットカウントで残り2分74-77となる。この後慶應大#5石田へのパスを#12伊藤がカットし、24秒クロック3秒を残して慶應大ボールのスローインで、タイムアウトとなる。その後の慶應大#5石田の3ポイントシュートは外れ、#12伊藤の3ポイントシュートで同点を狙うが、大きく跳ねてバイオレーションとなる。この後慶應大の攻撃を止め、速攻を出すが、慶應大#5石田にファールで止められる。残り40秒74-77での#6中川和のフリースローは2投目が外れ、ルーズボールがラインを割ってまたもレフェリーのコールが割れるが、今度は専修大ボールとなる。しかし、託された#9長澤の1on1は痛恨のトラベリングとなり、残り30秒で慶應大ボール。24秒ぎりぎりの慶應大#18竹内のミドルシュートは外れるが、慶應大#6関にリバウンドを取られてしまい、何とかボールを奪おうとするもラインを割って残り3秒で慶應大ボールとなる。タイムアウトを取ってファールゲームを狙うが、それまでのファールの数が少なすぎて持ち込めず、75-77でまさかの敗戦となった。
<EDITOR'S VOICE>
 慶應大は、うまくスペースを取ったオフェンスが見事だった。特に春より格段にうまさを増した#5石田は、“左手の使い方”が良かった。速攻でも、右手で行っても最後は左手に持ち替えてシュートという場面が多く見られたが、これは186cmとフォワードとしては大きくない石田がブロックをかわすのにとても効果的だった。#4志村は“声”でチームを引っ張ったが、第2戦は彼のシュートが1本でも入っていれば2連勝できたかもしれない。
  対する専修大は、思っていたよりももっと自分達がターゲットになっていることに気付けたのではないだろうか。もちろん慶應大のバスケットは素晴らしかったが、それ以上に自分達のプレーが出来ていないことが気になった。

リバウンドを争う
専修#12伊藤と慶應#18竹内
(9/12分)
スターティングメンバー
専修:#6中川和・#9長澤・#10波多野・#13大宮・#15小淵
慶應:#4志村・#5石田・#10辻内・#17酒井・#18竹内

第1クォーター、ジャンプボールは専修大に出るが、シュートタッチが悪く、リバウンドからのセカンド・サードチャンスを生かせない。そのうちに慶應大#5石田の3ポイントシュートで先制を許す。その後も慶應大#10辻内、#17酒井の1on1を許すが、#9長澤のリバウンドシュート、#6中川和の3ポイントシュートでついていく。その後もパスアウトがバックパスになってしまうなどリズムが良くないが、慶應大のファールに助けられる。#6中川和がシュートからピック&ロールのアシストに切り替えて#13大宮、#9長澤がゴール下シュートを決め、さらに残り6秒#15小淵が1on1で慶應大#4志村のファールを誘い、フリースローを2投決めて15-16と1点差に迫る。だが最後の慶應大#5石田のミドルシュートを抑えるも、#17酒井にそのリバウンドタップをブザービーターで許し、15-18で終える。

第2クォーター、23cmの身長差を生かして再三シュートに行っていた#15小淵のシュートがやっと決まる。さらに#9長澤のリバウンドシュート、連続ブロックショットが出るが、慶應大#17酒井に1on1からバスケットカウントを決められ19-24と波に乗り切れない。
さらに前から当たられ、コミュニケーションの声が途切れ手こずる。その後も#9長澤へのパスをボールを見ていないのに出してしまい、残り6分30秒19-26でタイムアウトを取る。だがその直後慶應大#5石田に3ポイントシュートを許し、#12伊藤が決め返すも慶應大#17酒井にさらに決め返され、残り5分22-32と10点差になる。巻き返したいが、スティールからの速攻、さらに#13大宮がディフェンスの手をはらったものがオフェンスファールとなってしまう。ここでガードに4年生の#8小野を入れ、リズムを変えようとするが、その1本目のパスをカットされ速攻を許す。それからもスティールを続けて許し、残り3分22-39と一気に離される。#10波多野のリバウンドを粘ってのバスケットカウントで流れを変えたいが、ディフェンスリバウンドのルーズボールで#9長澤が負傷退場となる。その後の慶應大の得点を何とか抑え、27-41として折り返す。

第3クォーターも#9長澤は復帰できず、#12伊藤でスタートする。まず得点を取りたいが、慶應大はキャプテン#4志村の「行け!」という声に乗ったスピーディな攻撃から#5石田に連続得点を許す。しかしここから#10波多野が奮起。慶應大#5石田のシュートに#13大宮とのダブルブロックに跳んだのを初め、リバウンドをもぎ取っていく。そして慶應大のオフェンスのインサイドを楽に打たせず、外からのシュートはリバウンドを支配する。攻めてはリバウンドシュートなどでじわじわと得点し、残り2分フリーの#6中川和が3ポイントシュートを決めて43-49と追い上げる。その後慶應大#5石田のシュートを許すが、残り1分を切ってから#13大宮が1on1、さらに#10波多野のリバウンドからブザービーターとなる3ポイントシュートを決め、50-51として最終クォーターへ。
第4クォーター、慶應大#4志村のドリブルをカットし、#12伊藤が速攻を決めて56-55と逆転するが、慶應大#10辻内らの1on1を止められず残り5分60-65と先行される。だがその直後に#6中川和が慶應大#4志村から4つ目のファールを奪うとタイムアウトとなる。あけた後の#15小淵の3ポイントシュートは外れて慶應大の速攻となるが、そのパスを#15小淵がカットして、ドリブルから3ポイントシュートをねじ込む。さらに慶應大#5石田へのパスミス、オフェンスファールで残り3分63-65とついていく。その後#6中川のレイアップシュートは慶應大#18竹内にカットされるが、#10波多野がフリースローを2投落としてしまうなど得点が動かない。だが、残り1分30秒、#10波多野のリバウンドに下から手を出した慶應大#6関がファールとなり、そのフリースローを今度は1投決める。さらに慶應のミスから速攻を決め、66-65と土壇場で逆転する。その後のディフェンスでは#6中川和が慶應大#10辻内へ激しいディフェンスをしてシュートクロックを減らし、#4志村に無理な3ポイントシュートを打たせてそのリバウンドを確保する。そして24秒ぎりぎりで#10波多野が放ったミドルシュートがリングに当ってインし、残り30秒68-65で慶應大のタイムアウト。その後のディフェンスも集中力を切らさず、#5石田へのパスを読むも#12伊藤と#13大宮が同時にカットに出てファールとなる。だがそのスローインも3ポイントシュートを徹底的にケアし、慶應大#4志村の2ポイントシュートも外れ、専修大が苦しみながらも雪辱を果たした。
長澤は負傷するもベンチで
「勝つぞ!」とチームを鼓舞

<第80回男子関東大学リーグ戦 1週目 第3試合>
9月11、12日(土、日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
67
18
1st
19
79

 
法政大
19
2nd
19
日本体育大
21
3rd
24
 
9
4th
17
 

TEAM
 



 
TEAM
 
87
23
1st
18
89

 
19
2nd
22
法政大
18
3rd
23
日本体育大
 
19
4th
16
 
 
12
OT
10
 

(9/11分)
スターティングメンバー
法政:#4山田・#5小川・#7亀井・#9町田・#11末廣
日本体育:#4佐藤・#8大西・#9野口・#10新井・#12与那嶺

第1クォーター立ち上がりはどちらもシュートが入らないが、法政大は#5小川の連続シュート、#4山田のバスケットカウントや#7亀井のリバウンドシュートで14-10とリードする。だが日体大#12与那嶺が繰り出すスピーディなバスケットからフリーの3ポイントシュートを許し、残り3分14-13でタイムアウト。その後はどちらもインサイドが決めあい、18-19で終える。

第2クォーターも立ち上がりはシュートが入らないが、#8高久の3ポイントシュートを皮切りに交互に決め合い、残り5分27-29とする。その後も#8高久が3ポイントシュートを決めれば日体大#14沼波が決め返すなど互角の展開となる。#4山田の3ポイントシュートで逆転するが、日体大#14沼波に1on1からのシュートをブザービーターで決められ37-38とわずかにリードを許して終える。

第3クォーター、日体大#10新井に3ポイントシュートを決められると、次のオフェンスではチャージングを取られる。すかさず5人集まって流れを渡すまいとす
日体大ツインタワーの1人#8大西
るが、再び日体大#10新井に3ポイントシュートを決められ38-46とされて残り8分30秒タイムアウトをとる。だがあけた後、日体大#10新井にさらに3ポイントシュート・速攻を決められてしまい、残り6分42-55となって再びタイムアウト。この後日体大#10新井に、#9野口とのアウトサイドスクリーンからやや崩れた体勢での3ポイントシュートでさえも決められてしまうが、#8高久がリバウンドで日体大のチャンスを摘み、さらにオフェンスでもバスケットカウントを決めるなど勢いをつける。交代した後は、#4山田がスティールからの速攻、3ポイントシュートを決め、残り1分30秒59-54まで差を詰める。この後#4山田がさらに3ポイントシュートを沈め、残り1分59-57とワンゴール差とし、この後インサイドをやぶられるも58-62として最終クォーターへ。

第4クォーター、どちらもディフェンスが厳しくなかなかシュートが決まらないが、日体大#9野口、#8大西の得点で残り4分64-70とじりじりと離されていく。ファールがかさみ、フリースローで得点され、#7亀井が「まだ!いける!」と励ますも苦しくなる。打たされたシュートがエアーボールとなり、それを日体大#8大西の速攻につなげられ、残り1分30秒65-76となってタイムアウトをとるが、万策尽きてしまい、67-79で敗れた。

<EDITOR'S VOICE>
 日体大は、新井の3ポイントシュートが鮮やかだった。最後まで#8大西・#9野口のインサイドが走り切り、法政大に楽にゴール下シュートを打たせなかった。最後は2年生#17高田らを起用することもできた。
 法政大は4Qに無念の失速。中でも点取り屋の#11末廣が無得点に抑えられたことが大きかった。何度もコート内で5人が集まり立て直そうとしたが、ゴールが遠かった。

『帰ってきた男』新井靖明(日体大)
新井靖明が帰ってきた。
「最初は緊張しました。」 久しぶりのスターティングメンバー。「1回ベンチに戻ってからですね、慣れたのは。」

秋田・能代工高時代には、1試合73得点、うち3ポイント21本という驚異的な数字をたたき出したこともある。日体大1年次のインカレでも3ポイント王に輝いたシューター。
だが、怪我に苦しんだ。左足のテーピングは高校時代からのものだ。
登録メンバーに入りながら、なかなかコートに出てこない新井。そんな彼のことを しかし、観客も味方も、敵さえも待ち望んでいた。

今日、復活を印象づけたのは第3クォーター。それまでのワンゴールを争う展開から、3連続3ポイントシュートで一気に10点差とした。しかし、本人は「せっかくセンターがパスをくれたのだから、もっと決めて楽にしてあげたかった」と言う。
「ディフェンスは個人的にも(高校時代のチームメート・山田謙治とマッチアップ)チーム的にも全然ダメだった。一度離れた時にきっちり日体大のバスケットをしていたら、もっと点差をつけられたと思う。オフェンスもボールをもらえるような動きが少なかったから、これからもっと頑張りたい。」
その頑張りの成果が、たくさんの人の目に触れることを願う。

<第80回男子関東大学リーグ戦 1週目 第2試合>
9月11、12日(土、日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
65
19
1st
30
73

 
筑波大
21
2nd
19
大東文化大
17
3rd
6
 
8
4th
18
 

TEAM
 



 
TEAM
59
20
1st
11
53

 
筑波大
10
2nd
10
大東文化大
12
3rd
16
17
4th
16
 

(9/11分)
スターティングメンバー
大東文化:#4月野・#5西塔・#7石井・#8黒木・#10高橋
筑波:#4瀬戸山・#5井上・#8森本・#10鹿野・#12小松

第1クォーター、立ち上がりから点を取り合うが、大東大は#10高橋の3ポイントシュート、ブロックショットなどで残り5分30秒16-8とリードし、筑波大にタイムアウトを取らせる。その後筑波大#12小松の連続得点で残り3分19-14とされるが、リズム良くシュートを決めていき30-19とする。

第2クォーター、#6孟の連続得点出34-21とするが、筑波大#4瀬戸山、#10鹿野の3ポイントシュートで残り6分30秒36-29とされる。だがその後筑波大のシュートミスを速攻につなげ、残り3分30秒42-31として再びタイムアウトを取らせる。その後は離しては詰められる展開となり、残り2秒で筑波大#12小松にブザービーターを決められて49-40で折り返す。

第3クォーター、フリースローを2投とも落としてしまうなどシュートを入れられない間に、筑波大#10鹿野の3ポイントシュートなどで残り6分51-48とされてタイムアウトを取る。だが立て直せず、筑波大#5井上の連続シュートで

4Q猛チャージの大東#5西塔(右)
残り4分51-52と逆転を許す。その後も攻めあぐみ、筑波大#10鹿野のミドル、#12小松の3ポイントシュートで残り1分51-57となるが、そこからルーズボールが#6孟の足元に転がってのラッキーシュート、さらに#8黒木のカットインで何とか55-57として最終クォーターへ。

第4クォーター、#8黒木が3ポイントシュートを決めてガッツポーズ。だがタイムアウト明け、筑波大#10鹿野のステップシュート、#4瀬戸山のレイアップで再び60-61とされる。さらに筑波大#12小松にオフェンスファールを取られるなど苦しいが、日本代表を経験した#5西塔の3ポイントシュートで残り5分65-61とする。このあと筑波大#5井上から続けてファールを奪い流れを引き寄せ掛けるも、これまで果敢なカットインで局面を打開してきた#8黒木が右膝を痛めて負傷退場と苦しくなる。だが、ここで#5西塔が3ポイントシュートを続けて決め、残り2分73-61と勝負を決める。焦った筑波大のファールや無理なシュートを誘い、73-65で逃げ切った。

大東大・#5西塔選手
「実は昨日はすごく緊張していて、入替戦なんてことになってしまったらどうしよう、という不安が頭をよぎったこともあったので、今日は勝ててよかった。筑波に1勝出来たのは大きい。個人的にもいい形でリーグに入れた。」

<EDITOR'S VOICE>
 大東大は、苦しみながらの勝利。主力の5人のうち、#4月野・#6孟・#8黒木・#10高橋の4人が今シーズン怪我を経験。この日#6孟に代わってスタートを務めた#7石井も例外ではない。春のトーナメントでいい働きをした#16金城らを使って休ませながら、何とか1試合乗り切った。このチーム事情を救ったのは#5西塔。「3Qは追い上げられても、4Qのために充電しようと余裕でいられた」と、日本代表を経験した分気持ちに余裕が出て、代表合宿時とは比べ物にならないパフォーマンスを披露した。
  筑波大は「3Qに頑張りすぎて4Qに体力がなくなった(吉田HC)」とらしくない展開。その中で気を吐いたのが、6月の新人戦ではキャプテンを務めた#12小松。ディフェンスリバウンドや強気のシュートで第3クォーターのチャージの立役者となった。

<第80回男子関東大学リーグ戦 1週目 第1試合>
9月11、12日(土、日) 会場:代々木第2体育館

TEAM
 



 
TEAM
 
78
18
1st
29
99

 
早稲田大
20
2nd
18
日本大
14
3rd
27
 
26
4th
25
 

TEAM
 



 
TEAM
 
72
20
1st
28
74

 
早稲田大
12
2nd
19
日本大
25
3rd
9
 
15
4th
18
 

(9/11分)
スターティングメンバー
早稲田:#4木村・#13菅原・#14高木・#15高島・#22近森
日本:#4日下・#5太田・#7蒲谷・#9呉屋・#11城間

第1クォーター最初のディフェンスで、早稲田大は206cmの日大#5太田にボールが入ると3人が寄る。しかし惜しくもファールとなり、エンドスローインで日大#7蒲谷に3ポイントシュートを決められてしまう。だが、怪我から復帰した#15高島の1on1、#4木村の合わせで残り7分9-10とついていくが、日大#11城間に連続と点を許し残り5分11-18となってタイムアウトを取る。だがオフェンスに焦りが出て、#4木村が前があくもためらったり、#13菅原がナンバーコールをしている間に8秒オーバータイムを取られるなど加点できず、残り2分で11-24となる。ここから#16岩隈を投入すると、3ポイントシュート、ディフェンスで粘ってボールを奪うなど奮闘し、18-26とする。だが残り25秒からの日大の最後の攻撃で、寄って#7蒲谷を抑えるもフリーにした#4日下に3ポイントシュートを決められてしまい、18-29とする。

第2クォーター、負傷で一時ベンチに下がった#15高島に代わって入った#17田上らベンチメンバーがつなぎ、日大がイージーシュートまで落としたことにも助けられて残り4分には34-37まで追い上げる。だが、この後日大#7蒲谷の
中に外にと活躍の日大#9呉屋
同じ45度からの3ポイントシュートを連続で決められ、34-43と再び10点差となる。だが#15高島が1on1を決め、38-47で前半を終える。

第3クォーター、#22近森と日大#11城間が点を取り合うが、日大#9呉屋の3ポイントシュートで残り8分41-56と15点差をつけられる。その後どちらもシュートが外れるが、パスミスから日大#5太田にゴール下の1on1を決められ、次にダブルチームに行くとフリーの日大#4日下に合わせられて、残り4分46-64となってタイムアウトを取る。だがまたもミスからの速攻を許し、46-66と20点差となる。ここで201cmの#8早川を起用して流れを変えようとするが、日大#6仲西に連続シュートを決められ、52-74と離されてしまう。

第4クォーター、早稲田大はPFの#22近森が3ポイントシュートを打ってしまうなどオフェンスを組み立てられない。#4木村、#13菅原らがゴール下で粘って何とか加点するが、ディフェンスの足が止まり、#6仲西・#8秋元らを投入してうまく主力を休ませ余裕のある日大にパスワークからの3ポイントシュートなどを決められ結局点差を詰められずに78-99と大差で敗れた。

早稲田大・#4木村主将
「最初に頑張って点差をつけたかったけれど、スクリーンアウトやディナイが徹底できていなくて、相手のやりたいことをやらせてしまって逆に差をつけられてしまった。オフェンスでも、スペースを広く取って高さのハンデが出ないようにしたかったけれど、中に固まってしまいました。明日はまず声を出して、ディフェンスからやり直したいです。」

<EDITOR'S VOICE>
 早稲田はディフェンスのチームのはずが、点差をつけられて浮き足立った。第1クォーター、#4木村がオフェンスのチャンスでゴールに向かうことをためらったのが悔やまれる。第4クォーターには点を取れていたので、キャプテンとしても、コートにいる唯一の4年生としても、もっと自分を出して欲しいところ。最初のゴールを決めた時の小さなガッツポーズの大きいものが見たい。さらに、流れが悪くなった時は、ベンチでずっと声を出し続けた4年生ガードを起用してはどうか。エースの高木が敵を引き寄せて出したアシストを生かせず、自身の得点も残り1分を切ってからの3ポイントシュート1本ではリズムが出ない。
 日大は、#5太田が大きく成長。ゴール下の1on1で、春は振り向くことも出来なかったが、ターンなどを身につけ身長さを生かしたシュートでフィールドゴール9/9と役割を果たした。また、選手起用についても、#6仲西・#8秋元を起用して主力を順番に休ませ、#23張を試す余裕も見せた。その結果、#7蒲谷・#9呉屋・#11城間のオフェンスの勢いは最後まで衰えなかった。

<取材・文 北村美夏>

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