<第54回関東大学バスケットボール選手権大会>

第54回関東大学バスケットボール選手権大会(通称トーナメント)は27日に準々決勝、28・29日に5-8位決定戦を代々木第2体育館で行った(ボックス・レポート→関東学連公式サイト)。
まず、5-8位のチームを紹介する。
5位 青学大
6位 早稲田大
7位 筑波大
8位 明治大

5位:青学大
<準々決勝>
TEAM
 



 
TEAM
 
65
11
1st
14
88
 
青学大
14
2nd
27
日本大
21
3rd
28
19
4th
19

<5-8位決定戦>
TEAM
 



 
TEAM
 
62
11
1st
17
82
 
明治
11
2nd
28
青学大
26
3rd
16
14
4th
21

<5、6位決定戦>
TEAM
 



 
TEAM
 
64
10
1st
22
85
 
早稲田
12
2nd
25
青学大
23
3rd
18
19
4th
20

青学大#14荒尾
ルーキーながら
そつなく貢献

#5佐藤
リーグ戦は1・2回負けても優勝の可能性がある
 春の交流戦の1つ、京王杯では9戦無敗で優勝も、準々決勝の日大戦は持ち味を出せずに敗退となった。だが、その後の2試合はいずれも20点差を付けて実力を示した。長谷川健志監督は言う。
「今日(5-8位決定戦vs明治)は選手にとって、リーグ戦に向けてのいい経験になりました。リーグは14戦全勝が目標ではなく、1・2回負けても優勝の可能性がある。でも2連敗はだめだと。もちろん準決勝と5-8位決定戦ではモチベーションがだいぶ違うと思いますが、それも気の持ちようですから。試合をする以上は同じモチベーションで臨む。明治には京王杯では勝ちましたがそれをいっさい忘れて臨みました」

では、日大戦は何が足りなかったのか。
「基本的に1人1人がポジションごとに負けていました。インサイドはもちろん、(日大#10
)菊地と#14荒尾のところにしても、マッチアップで1人1人が止めないとチームとして勝てない。しかも負けているのが1、2人ではなく、全てでだった。体も、心も、技術も負け
ていた印象でしたね。日大があれだけの力を発揮した時に、うちはあの程度じゃ勝てないということがはっきりしましたね」

たまたま青学の悪い時と、日大の良い時が重なったのだろうか?
「いえいえ、“調子が悪かった”だなんて、“それがバスケットの全てなの?自分達の良さを出そうとしたの?”ということですよ。
シュートを入れられた後もゆっくり運んで、こわがって1on1しているし、オフェンスリバウンドにも飛び込まない。1つ1つのプレーを全力でやっていなかったですね。
  相手はリベンジという気持ちがあってそれがプレーに出ていたのに対して、うちは“競ったら勝てるだろう”ぐらいの気持ちだった。試合というのは先制パンチをくらわさないといけないのに、それでは勝つ気がないのと同じ。1度始まったら“強いな”と相手に思わせないといけないのに、逆にくらって負けてしまった。今日は最初にガツンといけたから、後から相手のリズムになってもゲームは大きく左右されなかったでしょう」

このまま勝ったら選手は勘違いをしたでしょう

#9正中
青学は少数メンバーながら、1人1人の技術が高く、経験・サイズもある。それでも勝てなかった理由を長谷川監督は“甘え”と表現した。順位決定戦ではそれを排し快勝。この準々決勝の敗退が、逆にこのチームが本当に隙をなくすきっかけになったかもしれない。
「今日はゾーンディフェンスに対してターンオーバーが多かったですが、ゲームとしては勝ちました。やっぱり負けて反省というのはなかなかできないのですが、勝てば1つ1つの課題、練習しないといけないところ、今の時点でのウィー
クポイントも出たので結果的に良かったですね。例えばノーマークのシュート。バスケットはやはりシュートがすごく大事なので、ノーマークのシュート率を挙げないといけませんね。このまま勝ったら選手は勘違いをしたでしょう。ファンダメンタルの大事さなどに改めて気付けました。

春は戦術・戦略などチームとしてのことはやりきれていません。この大会が終わってから細かい部分、チームの約束事の練習をしていきます。調子が悪くても勝てる、そういうチームづくりをしていきます」(5/29インタビュー)

6位:早稲田大
<準々決勝>
TEAM
 



 
TEAM
 
72
18
1st
24
84
 
早稲田大
20
2nd
25
法政大
12
3rd
19
22
4th
16

<5-8位決定戦>
TEAM
 



 
TEAM
 
63
11
1st
26
83
 
筑波
13
2nd
24
早稲田大
17
3rd
15
22
4th
18

<5、6位決定戦>
TEAM
 



 
TEAM
 
64
10
1st
22
85
 
早稲田
12
2nd
25
青学大
23
3rd
18
19
4th
20

早稲田大#6押野
スピーディでリーダーシップの
ある4年生ガード

#20太田は法政#17高久に
押し込まれない強さを見せた
 今年からOBの松野正氏が監督に就任した。力はあるがそれを出し切れていないように見えるチームに、どう働きかけていくのか。(5/29インタビュー)

強いチームを作るには大きな課題がたくさん残っている
「28年間女子のみを教えてきたので、男子の世界はまだよくわかっていない状況ですね。ただ早慶戦、入替戦に勝たないといけない、とスタートしました。
この大会は、その意味でも本当は慶應に勝って法政に当たる予定だったのでそれは残念ですね。
法政戦はとにかく挑戦して、普段の練習試合より何倍も価値のある経験をさせたいと戦ってきたので、6位はがっかりとか不満ではありません。
ただやっぱり色んな課題がたくさん出てきています。ある意味良かったですけれどね」

それは例えばどんなところだろうか。
「ちょっとした課題じゃないですね。強いチームを作るには大きな課題がたくさん残っているという気持ちですね、今。
例えばビッグセンターには全部ずっとやられているので、どう克服するかとか、アイディアはあるけれど本当にできるか?というのがあります。もう1つは精神的なもろさですね。失敗するとがっかりしてしまう。立ち直る力、復元力がまだチーム全体的に弱いですね。何とかしないといけない。
その2つが1番大きい課題です。
あとはやっていないことがたくさんありますね。他のチームはかなり進んでいてチームオフェンス・チームディフェンスの動きができていますが、うちはやっていないとしか言いようがないです。結局まだ3ヶ月ですからね。体作りから始めて。秋までに何とかもう少しいい形にして臨みたいです」

子どものチームから意識の高い選手に
  松野監督も口にした早稲田の“気持ちの弱さ”は、劣勢の時ほどあらわになった。
「筑波戦のようにいい時は乗るけれど悪いとどんどん悪くなる。へこんでもすぐ立ち直らないと試合は進むわけですから。4点差が6点差になって、それが8点、10点とビハインドが進むといつの間にか追いつけなくなってしまう。去年見た時も全然変わっていないんですよね。

気持ちを前面に出した
#13田上のプレー
ただ乗っている時は強い。だから、先ほど言ったまだやっていないことをこれからやっていけば、気持ちも強くなると思います。
今の段階ではこれくらいというステップはありますが、“まだかな〜”という感じですね。でも選手は気付いていない。“それでいいんだ”とか。意識の高い選手になってほしいですね。非常に素直で可能性がありますが、言ってみれば子どものチームなんですね。選手にもそう言っています。そこから意識のレベルの高いチームへ、そして自分も早く男子の世界を理解していかないといけませんね」

上級生中心に使われていなかった選手も息を吹き返させたい
 「子どものチーム」は失敗をとても恐れているように見える。たくさん失敗していいから、その後にすぐ取り返せるようなタフさを身に付けてほしい。その思いから“ツープラトン”という、チーム内で2つのチームを作り、場面によって使い分ける形をとっている。
「今日(5-6位決定戦)の#4菅原みたいにアクシデントもあったりファールをばばっとやってしまうと修復できなかったところもあった。だから今日もやりたかったのだけれど不安もあって、貫けなかったね、信念を。

#9高島は高い身体能力を生かしたプレーを見せ
交代になると上のような表情で試合を見つめる
上を目指していることが伝わる
 でもね、ちゃんと理由があるんですよ。5・6人で回すのも難しい。体が丈夫じゃないし、絶対的な選手がいないというのもあるから。4年生の主力にも弱いところがあります。それに、10人+2人くらいが常々必要なので、チャンスが与えられます。うまくいけば将来にもつながるし、スレスレの選手が結構いるので彼らを生かすためもあります。
それから上級生も使っていきたいんです。上級生というのは良い新人よりも持つものがある。だから上級生中心に使われていなかった選手も息を吹き返させたい。そのためにはたくさん使わないといけない。

逆に考えればまだまだ伸びるのでそこに期待し、楽しみにしています」。

7位:筑波大
<準々決勝>
TEAM
 



 
TEAM
 
54
12
1st
19
69
 
筑波大
4
2nd
15
東海大
17
3rd
17
21
4th
18

<5-8位決定戦>
TEAM
 



 
TEAM
 
63
11
1st
26
83
 
筑波
13
2nd
24
早稲田大
17
3rd
15
22
4th
18

<7、8位決定戦>
TEAM
 



 
TEAM
 
78
24
1st
17
87
 
明治大
18
2nd
19
筑波大
22
3rd
20
14
4th
31

筑波大#7小松
相手監督からも「さすが気持ちのタフな選手」と言われる
 6回戦で日体大を破り堂々ベスト8に名乗りを上げた。しかし、3年連続で準々決勝の壁に跳ね返されてしまう。良いところが見えたと思ったら、悪いところが顔を出す。結果、7位。このチームに関わって3年目の吉田健司HCに聞いた。(5/28インタビュー)

“優勝のイメージ”が選手の中にないのが課題
「日体大戦はつながりができましたが、その後の2ゲームは消極的でしたね。原因は心の弱さでしょう。1つは優勝に対するイメージがない。経験のない選手がほとんどということからもきています(3年前のリーグ優勝が最後)。ここ3年間、ベスト8に入った後の負け方に悔いが残りますね。
優勝のイメージ、どうしたら優勝できるか?それが選手の中にないのが大きな課題です。
上に行くほど強い相手になりますが、やっていて力不足だな、ここの部分で負けているなというのが見えないうち
 
#16梁川・#17中務らルーキーもプレータイムをもらった。
「1年生は頑張ってくれています。勝ちに対する執着心をもっとコートで表してもらいたいですね。」 (吉田健司HC)
にだだっと落ちてしまう。一生懸命やっているのでしょうが、気の抜けたプレー、ずるずると落ちるように見えてしまう。
今日も(早稲田戦)そうですが入り方ですよね。ハーフタイムに話をして、それで始めてうちらしいバスケットができた。それを最初からやれないということに、フラストレーションがたまりますね。
とにかく明日、最後になりますが、うちらしいゲームをすれば結果が出るでしょう。明治も昨日・今日(準々決勝、5-8決)と50点・60点くらいしか取れていませんがうちもそうです。そんなに楽になるとは思っていません。ちょっとしたきっかけで変わると思うので、第1Qに決まるでしょう。そこでいいプレーを出せればつながります」

求心力のあるフロアリーダー誕生を期待
では、その“きっかけ”をつかめたりつかめなかったりするのはなぜなのか。
「やっぱりフロアリーダーをどうするのかというのが表れていますね。いかに立て直すか。タイムアウトではなく、選手同士の話とかハドルとか、芯になるものが。ガードなのか?上級生なのか?そこが今日はっきり問題として出てきていました」

その点については、昨年までははっきりしていた。
「そうですね、去年は4年の瀬戸山(京介・#4・現アイシン)が口でも言うし、プレーでも見せて、井上(裕介・#5)もやることをやりましたからね。今年は4年生はシックスマン的役割ですし、これに関しては明日に向けて選手に話そうと思っています。

#4森本

#11吉田
フロアリーダーには指示の声が必要なので、1番いいのはボールを持ってコントロールする役割のポイントガードです。でも#4森本にはまだそこまではっきりしたものがなくて、勉強中ですね。#11吉田も2年目ですし、そこまでいけるキャラクターではまだありませんね」

候補に挙がったのは森本と吉田。ポイントガードとしてのプレーでも、今はタイプの違う2人が補完し合う形になっている。だが、森本にはキャプテンとして、最上級生としての強い思いがあるだろう。吉田も6月の新人戦で何かをつかむかもしれない。どちらにしろ、この大会で自分達に何が足りないのかをチームのメンバーが知ったところから、今年の筑波大は本当にスタートをきったと言える。

「とにかく明日、どんな顔で来るかですね。私自身も変わっていかないと勝てません」。

8位:明治大
<準々決勝>
TEAM
 



 
TEAM
 
47
7
1st
16
71
 
明治大
14
2nd
18
専修大
13
3rd
19
13
4th
18

<5-8位決定戦>
TEAM
 



 
TEAM
 
62
11
1st
17
82
 
明治
11
2nd
28
青学大
26
3rd
16
14
4th
21

<7、8位決定戦>
TEAM
 



 
TEAM
 
78
24
1st
17
87
 
明治大
18
2nd
19
筑波大
22
3rd
20
14
4th
31

スタートに起用された
明治大#13横尾
果敢にシュートを狙った

チームメートに声を掛ける#10黒田(右から2人目)
彼がコンスタントに力を発揮できる環境を作りたい

#4高橋CAPはチームの
ムードメーカーでもある

司令塔・#8神崎健の声は
気持ちよいくらい響く

明治スタンド。この中にも可能性を持つ選手が控える

専修戦の後、塚本監督を囲む明治チーム

<取材・文 北村美夏>

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