『4人の4年生』
明大の最上級生は4人。前出のキャプテン・宍戸治一、寺岡欣吾、尾崎紘之、樋渡大樹。日々入れ替えのあるトップとベースチームのうち、取材時にトップチームで練習していた宍戸・樋渡・尾崎の3人に聞いた。
結果を見れば、思うようにいかないことも多かったはずの明治での4年間。でもここまで続けてきた、この4人に注目したい。

リーグ戦に向けて
宍戸：「俺はさっき(CAPTAIN’S EYEインタビューで)たくさん話したから、2人が言って。」
樋渡：「今までと気合が違います。“最後”ってやっぱり違う。1部に上がって終わりたいっていうところが。」
尾崎：「自分は出なくてもいいから1部に行ければ！と思います。」
宍戸：「出なくてもいいの？(笑)」
尾崎：「いや、もちろん出たいけど、出なくてもじゃなくて、出られなくてもいいから、1部に行きたい。」
樋渡：「個人ではシュートをいっぱい決めたいです。そして、声を出してディフェンスを頑張って、盛り上げたい。」
尾崎：「オフェンスは、ほめられたこともあるんですが、ディフェンスが悪いと思うので、頑張ってゴール下を守りたい。あと、樋渡も言ったけど、ベンチにいても、声を出して盛り上げのリーダーシップをとっていきたい。」
樋渡：「試合に出ている時は、出ていない人の分まで頑張りたいです。」
宍戸：「大事なところは、初戦。」
樋渡：「毎年失敗しているんです。」
尾崎：「後、個人的には東海。3年間で1度も勝ったことがないから、今年こそは勝ちたい。」

最上級生として
樋渡：「…らしいことしてないです。」
尾崎：「してないですね…。」
樋渡：「1年生と同じです。4年だからってさぼらない。声も出して。自分に出来ることはそれくらいしかないですから。後はキャプテンに任せています。」
(―後輩は？)
宍戸：「生意気？」
尾崎：「生意気ですけど、憎めない。」
樋渡：「刺激になりますね。そして、カワイイ(笑)」

新体制
樋渡：「3年中2回変わってるんで、慣れています。」
宍戸：「違うバスケットになったというよりも、何もないところに、今のバスケットが出来たという感じというのもあります。」
樋渡：「今まではバラバラ。ディフェンスのヘルプも、練習はしていたけど…という感じだし、1on1ばかりだった。」
宍戸：「でも、まだ浸透していない。やることがたくさんある中で、1年目の今年はディフェンスをやっています。」

互いの横顔
尾崎：「欣吾は、1年生の時から、他の3人は試合に出ていても、あいつだけ出ないということも多くて、今もベースチームだけど、頑張って欲しい存在。素顔は面白いやつです。標準語をしゃべっているつもりだけど、なまっている(笑)。
宍戸キャプテンは、うーん、褒め言葉が見つからない…一番、最上級生ぽいです。」
宍戸「ぽいっていうか、最上級生なんだけど。」
尾崎：「うん、でも、ぽいんだよ(笑)。そして、やる時はやるやつです。
樋渡は、がんばり屋さん。オフ明けも、オフ明けとは思えない身体で来る。体力バカです(笑)。声を出すし、走るし跳ぶし、尊敬できるやつです。 」
樋渡：「欣吾はコートを離れると不思議なやつです(笑)。1年生からなかなか出られなかったけれど、だからこそ得るものもあったと思う。自分達の代では、一番苦労や悔しい思いをしているはず。
尾崎は、やればできるんだけれど、気持ちで負けてしまうことがある。塚本さんも“後は気持ちだけ”っていうくらい、力は持っている。オフでは、食べるか寝るかゲームするかの、シンプルなやつです。(笑)
治一は、高校時代、自分から見ればトッププレイヤーだったから、そういう人と一緒にやれてすごい、と。最初は何もわからないから、こいつについていこうと思ってやっていた。一番バスケを知っている。そういう意味ですごく信頼しています。本当にキャプテンという感じですね。」
宍戸：「欣吾はあんまり出てないけれど、4年間一緒にやってきているんで、最後、もし試合に出られなかったとしても、最後まで一緒にやりたい。欣吾のためにもってわけじゃないけど、出られない人の分も頑張らなきゃな、と思う。ほとんど試合に出られなくても、ちゃんとやり続けてきたやつなんで。
樋渡は、練習をいつも一生懸命やる。皆そうだけど、1年の時から一緒にやって、試合も一緒にやってきたので、最後も力を合わせてやりたい。ホントにこいつは頑張り屋さん。
尾崎は、いいものをいっぱい持っているんだけど気持ちが弱い。気持ちが優しくて、人が良くて。リーグでは、自分の力を出して欲しいなって思う。 」

明大でのバスケット
尾崎：「コーチが変わったり、大変な思いを結構してきたと思う。でも、今後は教える側に進もうと思っているので、その経験もつなげていきたい。最後の1年は、塚本(ヘッドコーチ)さんに教われて、色々見られたので、特に良かった。それから、明治は後輩も仲が良くて、人間関係も良かった。自分は4年ぽくない扱いをされてるように見えるかもしれないけれど(笑)、自分ではそれでもいいと思っています。自分は1・2年生の時はスタートの時もあったので、3・4年生でももっと出たいと思うこともあったけれど、下の子がうまいなら、その選手に頑張って欲しい。と言いつつも刺激を与えられる存在として、インカレでも勝って、オールジャパンまで続けたい。 」
樋渡：「まさか1年生からあんなに出してもらえるとは思わなかった。リーグから出してもらって、いい経験になった。2年目からは後輩が入ってくるので危機感を感じたけれど、自分に出来ることは頑張ることだけと思ってやった。ここまで試合にも出してもらって、ホントに良い思いをさせてもらっていると思う。まだリーグ戦が終わってないからあまり思いつかないけれど、終わった時良かったなって思えるように今はただ頑張りたい。」
宍戸：「明治に入って良いことも悪いこともあったけど、自分にとって良い経験になった。バスケットだけじゃなく、人間的にも成長できたから、ここに来て良かった。あとは、バスケットの結果がついてくればなって思います。」