<第54回関東女子学生リーグ
(1部)
“優勝”に向けて、本来の強さを発揮できるか?
平均身長
(登録)
-cm
構成(登録) 4年3名、3年2名、2年8名、1年2名
2004年度成績 日本学生選抜優勝
関東トーナメント優勝
2003年度成績 関東トーナメント優勝
関東女子学生リーグ1部準優勝
インカレ優勝
<戦力分析> ロスターはこちら
機動力を武器に、大きくても走るバスケットを展開する。オフェンスの要になるのは1年生で日体のインサイドを任される石川。そのバックアップに安定感のある4年生の養田がいる。アウトサイドには正確な3ポイントシュートを持つ松尾、ゲームをコントロールする野田の2人の3年生がチームの流れを作る。そして中-外をつなぐ役割をする加藤(CAP)が、チームを牽引する。控えには強力なドライブをもつ4年生の岩本や2年生の細川、インサイドでは2年生の市野と層は厚い。
インサイド ★★★★☆
アウトサイド ★★★★☆
サイズ ★★★☆☆
★★★★☆
機動力 ★★★★★
<HEAD COACH PHILOSOPHY>

『大きくても走れるチームに』木村和宏コーチ

 春にはかなりの強さで日本学生選抜・関東トーナメントを制したが、リーグ終盤となった今は2敗で2位という位置にいる。
「チーム状態はあまりよくないですね。ディフェンスで流れを作りかけても得点につながらなかったりとオフェンスとディフェンスが上手くかみ合ってないです。うちはこれまで勝っていても、常に負ける要素はありましたからね。今の結果をインカレに向けていい形で持って行きたいです。
今の課題はまずはリバウンドです。大きいけれど弱い。身長を過信しているようなところがあって、気持ちの問題でしょう。うちのインサイドは今1年生なので経験のなさということもありますね。1年生を使うのは高さと機動力があるからです。でもまだ線が細いし中途半端なところもたまにあります。
あとはリーダーシップがとれていないことです。昨年は「今・玉城」という核がありましたが、今年はみんなが気持ちの中で“誰かが〜”という思いでやってるところがある。
そういう意味で、インカレまでに“爆発力”と“リーダーシップ”をなんとかつけたいですね」

層は厚いながらも経験が足りない
「そこで期待している選手は4年生の養田です。彼女は去年怪我でほとんどプレーできていなのですが、今年は最高学年として気持ちを強くしてやっていってくれています。
また、これからのオフェンスのキーとしては胡に頑張ってもらいたいですね。一方のディフェンスではやはり野田が中心になってやっていってもらいたい。彼女には今年になってかなり厳しくしています。3年生のうちにしっかり伸びてもらいたい。4年生になると実習が入るなどなかなか難しいのでね。
そう考えると確かにうちは選手層は厚いですが、それぞれのポジションで経験が十分な選手があまりいないのが現状です。キャプテンの加藤も2番をやるのは今年からですし。
チームに対しては、いろいろと教えながらも、自分たちで考えさせるようにしています。」

日体らしいゲーム展開を
「このチームは“大きくても走れるチーム”でありたいと思ってます。でもまだ今は1試合通して走りきることができていませんね。日体らしいトランジションを中心とした速いゲーム展開を1ゲーム通してやりきれるように今も取り組んでいます。
もちろん優勝はしたいですよ。いつもそう思って臨んでいます。このリーグでは、あとはとにかくうちらしいゲームをしていくだけですね。」

<CAPTAIN'S EYE>
『日体らしく、学生らしく』 加藤尚子選手(178cm/F/樟蔭東高出身)

 思わぬ敗戦から2位という現状の中、伝統校のキャプテンとして最後まで優勝を目指してチームを引っ張る。

1年生が攻めやすいように
「今はなかなか自分たちのリズムが作れない状態です。勝ちたい気持ちが空回りして、いつもの練習の半分も力が出せていません。
特にディフェンスがよくないですね。チームの中での役割を徹底できていなくて小さなミスが多いです。例えば、上で当ることを意識しすぎてシュート前のチェックが疎かになったり、第2クォーターでいつもペースが落ちてしまったり。気持ちの面で、“自分たちがやる”という意識が少なくて、“誰かがやってくれる”って思ってしまっているところがありますね。なので、いいプレーが続いていきません。
オフェンスでは基本的にうちはシンプルなバスケットをやろうとしていますので、個人プレーの向上が必要不可欠です。今は決めなくてはいけない所で決められなかったりパスミスやシュートミスがあって、なかなかチームで盛り上がりません。今のインサイドは1年生なので、自分たち上級生がしっかりやって彼女たちに思いきりのいいプレーをしてもらえるようにしないといけないです。外でしっかりやることで中の寄りが減って、1on1がやりやすくなりますから」

勝ちたい気持ちを出し切れなかった
「伝統ある日体大のキャプテンとして、“勝ちたい!”という気持ちは強いです。それに今年は李相佰杯に参加していい経験ができました。あのチームは4年生が多く、各チームのキャプテンと一緒にやることでいろいろな“キャプテン像”が見られたんです。それに国際試合で、韓国の強さや競ったときの気持ちの持ち方などを勉強できました。
今の自分はまだまだチームをしっかり引っ張りきれていないです。試合でもゲームが競っている大切な時間にプレーが消極的になってしまってコートに立っていられなかったりしていて、すごく悔しいです。自分が決めていかないといけないのに…これまでのゲームの敗因は自分ですね。もっともっと勝ちたい気持ちを強く出していかないといけないのにじっくりと構えてしまっていました」

挑戦するのみ!
「あとはディフェンスからのブレイクをしっかりだして、速い展開に持ち込む、そういう自分たちのバスケットをやるだけです。気持ち的には“挑戦するのみ!”です。リーグで終わるのではなく、インカレにもつながるので。
日体らしく速い展開で思い切りよく、そして明るく学生らしく…そういう日体のバスケットを見てもらいたいです。」

<PICK UP!>

『“細川が出ている!”と言われたい』 細川久美選手(2年)

2年生ながら競った試合の勝負所でコートに立つことが多い。持ち味の突破力でチームを勢いづかせる。
「今競った場面でもよく使われていますが、プレッシャーとかはないです。使ってもらえることが嬉しいです。自分に期待されていることが“突破して、得点する”ということなので、パスが来てチャンスと思ったら積極的に狙っていってます。」

ガードポジションも日々勉強中
「正直言って、自分は高校でもインターハイに出たという位で有名でもなんでもないし、こんな早い時期にここまで使ってもらえるとは思っていませんでした。
このチームになってガードをやり始めたのですが、高校の時まで自分はフォワードをやっていたので難しいです。今のリーグでは、ほとんどフォワードとして出してもらっていますね。やはりフォワードの方がやりやすいです。身長のミスマッチはあるのですが、スピードは自分のほうが勝っていますから。でもガードも日々勉強です。
今はオフェンスを期待されて使ってもらっていますが、ディフェンスができないのでダメですね。これからもっとプレータイムを伸ばしていくためには、ディフェンス

がしっかりとできるようにならないといけないです。自分のディフェンスはくせがあって、先輩たちから指導してもらうことがなかなかすぐにできません。それに“予測する”という力も弱いので、すぐにフェイクに引っかかったりしてしまいます。もっと臨機応変に対応できるようにならないと使ってもらえないですね」
 
要求されたプレーをして存在感を
「最初の2〜3週はなかなか自分らしいプレーが出ていなかったのですが、これからはドライブからシュートやパスを出していって展開していくという自分に要求されているプレーをしっかりとやっていきたいです。そして見ている人に“コートに細川がでている!”と言われるようなプレーを見せたいです」

<取材日 2004年10月7日>
<取材・文 渡辺美香>