<第80回男子関東大学リーグ

東京大学(4部1位)
細やかなバスケットで3部復帰を目指す
平均身長/体重
(登録)
-cm/-kg
構成
(登録)
4年6名、3年7名、2年3名、1年4名
2004年度成績 関東トーナメント4回戦敗退
新人戦本戦1回戦敗退
関東大学リーグ4部優勝
2003年度成績 関東トーナメント2回戦敗退
新人戦予選3回戦敗退
関東大学リーグ4部6位

<HEAD COACH PHILOSOPHY>
『プライド』 有川太郎ヘッドコーチ

「自分は3年前から監督をやっていて、1年後(2年前)からヘッドコーチになりました。なので、ヘッドコーチとしては2シーズン目、チームとは3シーズン目になります。ヘッドコーチに就任した2年前は3・4年生もいなくて、チームの状態はボロボロでした。そこでまずは勝つとか、強くとかではなく、何よりも“チームにしよう!”ということを考えてはじめました。うちは勉強もしなくてはいけないので、週4日の少ない練習の中で、基礎の部分に重点を置いて練習を積み重ねていくようにしました。きちんとやれば勝てることがだんだん選手たちにもわかってきて、少しずつですがチームとしてのまとまりがでるようになりましたね。それは選手だけでなく、スタッフの頑張りも大きかったです。
東大はこれまでもずっと「自分たちより能力のある選手たちに勝つ」ことを目標にしてきています。それはプライドのようなものですね。しかし、たまたま今はキャプテンの高崎が全国大会の経験がありますが、彼以外のほとんどがそれほどバスケットのレベルの高くないところでやってきた選手たちばかりなので、普通にやっていても勝てません。勝つためにはもっとしっかり基礎的なことをやって、細やかなバスケットをしていく必要がありました。例えば足の使い方とか、手の上げ方・使い方といったことを、1からやるようにしました。大雑把なバスケットでは勝てませんから、これはもう意地のようなものです。練習は大変でしたが、幸い当時の選手(現4年生)たちは勝ててなかったので、こちらのいうことをとてもよく聞いてくれました(笑)。彼らがまずやって、それを段々下に伝えていってくれました。
正直言うともっと早く浸透して勝てるようになるかなと思っていましたが、昨年は怪我も多くて、なかなか勝てませんでした。選手たちがそういう細かい事が大切なのだということに判るのに、やはりそれなりに時間がかかりましたね。今年の春(京王電鉄杯)ごろから少し判ってきて、それがこのリーグにもつながっています。
このリーグは1次リーグで1敗しただけで、あとは全て勝ちました。1次リーグは1つや2つ落としても大丈夫なのですが、2次リーグ(上位)は競っていたので、1つも落とせないという気持ちでした。そういう意味ではプレッシャーがありましたね。10月9日の埼玉大戦が台風で順延になったのは、こちらとしてはありがたかったです。選手の疲労もありましたし、振り替えが23日でリーグ終了が伸びたおかげで、入れ替え戦までに練習試合を考えていたのですがその必要もなくなりましたから。23日の埼玉大戦は入れ替え戦はどちらも決まっていたのですが、優勝を争うということで、いい意味で緊張感もありました。結果として、選手たちに“優勝”を経験させられたので、よかったです。こういう経験は自信につながります。
入れ替え戦の相手の学習院大は2年前にも対戦しています。そういう意味では勝っても負けても、自分たちの今の力を計れるいい相手だと思います。今までやってきたことをしっかりとやっていけば、決して負ける相手ではないと思っています。
入れ替え戦はとにかく自分たちのバスケットができるようにしなくてはいけません。そのために精神状態や環境などを整えて、いい形で臨みたいですね。」

<CAPTAIN'S EYE>
『ディフェンスは負けない!』 高崎直人選手

2年前に3部から4部に降格。そこから改めてチーム作りをした結果がようやくこのリーグで発揮された。

チームディフェンスを作ること
「2年前に4部に落ちてしまって、自分たちがいるうちに絶対に上がりたいですね。最後のリーグでもありますし、ベストを尽くしたいです。
東大はディフェンス中心のチームで、相手を50点台に抑えて、自分たちが60点以上とって勝つというバスケットです。とくにハーフコートディフェンスはどこにも負けないようにやってきました。基礎の練習を土台に、分解練習で細かな部分をやっていって、そこからチームディフェンスを作ってきました。(自分が入部して)4年目にしてやっとチームに伝わったという感じです。

「京王電鉄杯では1・2部のチームばかりの中での試合ですが、自分はやっていて楽しいです。思いっきりやるだけですしね。ああいう上のレベルの中でどれだけ自分の技術が通用するのかがわかってよかったです。例え相手が格上だろうとも、常に勝つことを目指してやってます。なので、点差がついてもチームがバラバラになったりしないです。」

やるべきことをやれば勝てる
「勉強との両立は本当に大変でした。やっているときはそれほど感じないのですが、オフになると、「楽だな」って(笑)。でも、バスケットをやっていてよかったと今は本当にそう思いますね。
今のチーム状態は疲労や怪我はありますが、リーグ戦を勝ち抜いてきて、自信がついてきています。チームとして、やるべきことをやれば勝てるということが、チーム全体に浸透していますから、そういう意味でとてもいい状態だと思います。
優勝はうれしかったですが、表彰式は緊張しました。なんとか無事終えられましたが(笑)。トロフィーは今うちにあって、まだコーチも見てないですね。ここには部室がないので、おくところがないですから。このままうちに置いておこうかな(笑)。
高校時代、全国大会の経験をしましたが、それはやはりいい経験だったし、今でも活きていると感じます。まわりが強かったので、常に上を見ていられるようになりました。そして、上に対して「これでは通用しない」とかそういうこともわかるようになりましたから、大学に入ってからの4年間で、上手くなることができました。

一緒に上がりたい!
その高校時代チームメイトだったのが、青学の(鈴木)ノブです。彼にプレーが似てるといわれるのは、やはり自分に近くて、自分より上手くて、目標にできる選手だからだと思います。偶然ですがお互い2年前降格してしまって、今回同じく上位との入れ替え戦に臨みます。自分たちの方が先に決まるので、それはちょっと気持ち的に楽ですね(笑)。絶対一緒に上がりたいです。」

<取材日 2004年10月30日>

<取材・文 渡辺美香>