<WJBL2004-05>
セミファイナル記者会見 2005.2.21
2月21日、WJBLは都内ホテルにてWJBLセミファイナルの記者会見を行なった。

<山田博章専務理事より挨拶>

「以前は“2強でつまらない”という話もありましたが、ご承知の通り今シーズンは混戦で今までとは様変わりしたリーグを見て頂けたと思います。同席している4人のヘッドコーチを前にこう言うのもどうかと思いますが、さらなるレベルアップをはかりながら混戦でもっともっと素晴らしい選手を育てていき、日本代表として五輪・世界選手権で活躍できる選手をリーグから輩出できるようにしていきたいと思います。
混戦となった要因としては、コーチが8チーム中3チーム(シャンソン・富士通・デンソー)変わり、選手の移籍や主力の引退もというちょうど転換期の中で実力を出せたチームと出せなかったチームがあったと思います。ボールが6号に変わ


った対策もあったでしょうし、下位のチームが頑張ってくれてリーグ最終戦まで順位・プレーオフの組み合わせが確定しないというシーズンになりました。
プレーオフもそれをひきついで、セミファイナルも今までは2勝0敗が多かったのですが、2−1、2−1となって是非東京で3戦目を見て頂けるような展開があってもおもしろいと楽しみにしています。」

<各ヘッドコーチコメント> ()内は司会からの質問です

シャンソン化粧品・李玉慈ヘッドコーチ
(シャンソン圧勝の前評判があったが、1・3クールは日本航空に負け他チームとも接戦と不安定さも見られたのはどう思うか。また、それをふまえてセミファイナルの抱負を)不安定な要素は確かにありました。私自身新しいチームに溶け込むのに時間がかかったし選手とのコミュニケーションも足りなかったです。ですが徐々に慣れてきて今年に入ってからかなりいいムードになりました。でもそこでチームの中心である#33河恩珠の持病が発病して、そこから思い通りにいかなかったということだと思います。これからも厳しい戦
いが続くでしょう。(vsJOMOについては)今までかなりライバル意識を持ってやってきたので良い試合になると思います。シャンソンとしては#33河の動きによって変わってくるのではと思います。(JOMOで気になる選手は)気になるのは#1大神選手ですね。今シーズンかなり目立って得点を重ねているので真剣に守らなくてはいけないなと思います。」

JOMO・内海知秀ヘッドコーチ
(大黒柱3人が抜けて苦戦したが)そうですね、確かにチームとして3人抜けたのはあり、周りから“3人の穴が大きいね”と言われることも多くありましたがしょうがないことですし、今年のチームは今年のチームなので、今のチームの力を私なりに把握してやらないといけないシーズンでした。ある程度もう少し組織的にできるのかなという気持ちもありましたが、やはり相当波のあるチームでした。だから今回セミファイナルにまず残るというのが1つのとりあえずの目標だったので、色々なことがたくさんありましたが最後しっかりやっていきたいです。
(vsシャンソンということで対策、気になる選手は)シャンソ
ンさんはやはり地力があり、高さであれば#33河選手、得点であれば#0永田選手、ベテランの強さであれば#7相澤選手とそういう選手がいる相手にとにかくチャレンジしていきたい。何か新しいことではなく、1つ1つの積み重ねの中で戦っていきたいと思います。」

日本航空・林永甫ヘッドコーチ
(チームを率いて7年目、オールジャパンは優勝という今シーズンのリーグを振り返って)今までいつも、ナショナル(日本代表)の活躍のために練習できなかったり怪我人が多くて練習できなかったりと“泣き声”ばかりでしたが、今シーズンはそれもなく全員で練習できて、私としてはいい練習をしてこのシーズンを迎えられたその結果が今の結果じゃないかなと思います。
(相手は直前に負けたトヨタ(2/13・63-60)だが)それは、はい、厳しい質問ですね(笑)。もちろん精一杯やります。(レギュラーシーズン)最後に1敗して、トヨタはうまいバスケットができてうちはそれを追いかけるというようになったので、そうならないように1週間気をつけて準備したいです。」

トヨタ自動車・丁海鎰ヘッドコーチ
(プレーオフに初出場、JOMO・富士通に勝ち越すなどチーム力が上がっているようだが、どこが変わったのか)特に大きく変わったことはありません。1つだけ#2桜庭選手が入って変わりました。彼女はけっこう年(1974年12月生まれの30歳)だし40分試合をすることはできませんが、その中でポイントガードとして周りの選手へパスしてくれることで変わりました。それから周りの選手も彼女がいるから安心というのもありますね。
(vs日本航空については)リーグの最後に1つ勝ちましたが、実力で勝ったとは思っていないです。運が良かったと思います。日本航空は(林ヘッドコーチが率いて)7年目で、色々な面で最高の、ピークのチームだと思います。それに比べるとう
ちは色々と弱いけれど、リバウンドの部分を頑張れば最後にチャンスがあるかなと思います。いい試合ができるように頑張ります。」

<質疑応答>
活躍してほしい選手と勝てるポイントを具体的に
シャンソン・李ヘッドコーチ
「戦略以前の問題ですね。両チームともすみずみまで互いによく知っています。今までの試合もその日のコンディションによりました。どうなろうとJOMOの若いプレッシャーをどう乗り越えるかがポイントですね。先にも言ったように良い試合にはなると思いますがやってみないとわからないのでとにかく全力を尽くします。」

JOMO・内海ヘッドコーチ
「どこが勝っているかというと若さが勝っているので、爆発力が出ればなんとか勝負になりますが、その反面若さで崩れる部分もあるのでこちらで操縦せねばと思います。爆発してもらわないといけないのは誰というよりゲームのなかで誰かがヒーローではないですがそういう形にならないといいゲームにはならないと思います。逆にいえば誰がそういう選手が出てくるのを期待したいです。」

日本航空・林ヘッドコーチ
「2人(林ヘッドコーチと丁ヘッドコーチ)は韓国でも一緒にやったこともあるしやり方も似ています。私として一番心配なのは、(丁ヘッドコーチが)私より若いからもっと頭を良く使うだろうということです(笑)。その時のコンディションにもよりますが、同じプレーをするなかでどれくらい正確にできるかが重要だと思います。」

トヨタ自動車・丁ヘッドコーチ
「誰が活躍というより1人1人ポジションを考えても身長・技術が足りないので、5人で守る・5人で攻めると考えて1週間練習して試合に臨みます。」

五輪の影響は
JOMO・内海ヘッドコーチ
「いや、それはそれで、今回のリーグに関しては多少前半はあったかもしれないが、ゲームのなかで解消されていきます。なので五輪があったからこういう成績ではなく違う要素が出てきます。組織的な面ではリーグ、ゲームを通して自分達のしっかりとした繊細なものを持たなければいけなかったです。」

控えの力がアップしたか
日本航空・林ヘッドコーチ
「チームが困った時に活躍してくれるよう集中を高めています。(ファイナルに初めて進んだ)3年前よりずっと助けてくれていますね」

17年間2位以上というプレッシャーはないか
JOMO・内海ヘッドコーチ
「選手もあまり意識していませんし、私も今季が今までで最低の成績だとさっき知りましたし調べたりしていません。今持っているチームの力でいえば、まだ発展途上の選手がたくさんいるので、今シーズンセミファイナルをしっかりやって是非ファイナルに進めるように、それが1つの基盤となると思うのでそれを目指して頑張りたいです。」

<取材・文 北村美夏>

S-moveメインへ