<WJBL2004-05 プレーオフ>                特集ページはこちら

 WJBLは、2月26日からさいたま市総合体育館などにおいて、Wリーグ・セミファイナルとなる日本航空vsトヨタとシャンソンvsJOMOが始まった。2戦先勝でファイナル行きが決まる。

 日本航空vsトヨタの26日の第1戦ではトヨタのポイントをおさえたディフェンスに日本航空のオフェンスが機能せず、トヨタのアップセットとなった。翌日の第2戦では前日のオフェンスの不調から立ち直った日本航空が第2クォーターに32−6と大きく引き離し、そのまま逃げ切った。
 シャンソンvsJOMOは第1戦ではJOMOのゾーンディフェンスに苦しんだシャンソンの得点が伸びず、JOMOのアップセットとなった。第2戦ではシャンソンがJOMOのゾーンディフェンスを攻略し勝利した。

 これで両対戦とも1勝1敗のタイとなり、ファイナルの切符は3月1日の第3戦へと持ち越された。


 ・・・第3戦こちら


<WJBL セミファイナル第1戦>
2月26日(土) 会場:さいたま市総合体育館


             
58
18
1st
16
68
日本航空
20
2nd
23
トヨタ
(シーズン成績2位)
12
3rd
13
(シーズン成績3位)
8
4th
16


トヨタ・ポイントを絞ったディフェンスで日本航空のオフェンスを機能させず!

第1クォーター開始してすぐに日本航空#10柳本の3ポイントシュートが決まり、流れは日本航空かと思われたが、トヨタも#15池田のミドルシュートで追い上げる。最後は日本航空#13畑岸のシュートが決まり、16−18とトヨタが2点のビハインドで第1クォーターを終える。
第2クォーターに入ると、トヨタがトランジションの速いオフェンスを展開し、一気にリードを奪う。しかし、トヨタ#55角井が3ファールでベンチに下がると、日本航空#13畑岸に連続でミドルシュートを決められ、追い上げられる。トヨタも#8榊原の3ポイントシュートとミドルシュートの連続ポイントでつなぐも、24秒オーバータイムを取られオフェンスの流れが悪くなり、#55角井をコートに戻す。ここで日本航空#7薮内夏のバスケットカウント・1スローで35−36と逆転されるが、粘り強く攻め、再び逆転し、39−38とトヨタがわずかに1点リードして第2クォーターを終える。

第3クォーター、トヨタは#15池田がミドルレンジからの上手いオフェンスを展開し、45−38とリードをひろげるが、日本航空#6堀部の3ポイントシュートとミドルシュートの連続得点で同点につめられる。なんとか#15池田のミドルシュートでつなぐも、パスミスが出てターンオーバーをしてしまう。残り3分38秒、疲れの出てきたトヨタ#2桜庭を一旦ベンチに下げると、日本航空#7薮内夏にミスマッチをつかれバスケットカウント・1スローを決められる。残り2分をきって#2桜庭をコートに戻すも、なかなか攻めきれず、またも24秒オーバータイムとなる。しかし、ディフェンスでインサイドへの徹底したダブルチームで日本航空の得点を止め、最後はパスをつないでいったトヨタは#15池田がブザーギリギリでシュートを決め、50−52とトヨタ2点リードとなる。
第4クォーターは開始からトヨタのディフェンスが機能し日本航空にリズムを作らせない。開始1分で日本航空にタイムアウトを取らせるも、その後も日本航空にオフェンスを組ませず、トヨタのリズムでゲームをすすめる。そして残り7分11秒には早くも2回目のタイムアウトを日本航空に取らせる。その直後トヨタ#55角井がオフェンスファールを取られ、個人ファールが4個となるが、厳しいディフェンスとリバウンドで流れを渡さず、さらに#15池田の連続得点も決まり、トヨタのリードが2桁の10点となる。日本航空はファールで止めるも、その後が得点につながらない。結局68−58と10点差のままトヨタが逃げ切り、セミファイナル第1戦を勝利した。




トヨタ自動車 丁ヘッドコーチ
「オフェンスよりディフェンスです。58点でウチが守っているので。(リーグ戦)21試合で(JALの)オフェンス力はウチより上ですよ。だから、意味のあるディフェンスしましょうと。例えばエイトクロスをどうやって効果的に守れるかとか。リーグ戦でもやったんですけど、選手も半信半疑でやってたから。昨日もビデオ見ながらミーティングしました。
 矢野がインフルエンザで練習できていなかったのでベンチにも座りませんでした。ただ、矢野はJALの試合は良くないんですよ。代わりに出る山岡の方が良い。だから矢野がいなくても心配はなかったです。山岡がファールアウトしたら政木しかいなかったから、ファールに注意しました。
 JALとやるときはやる気がないんです。JALのディフェンスが当たってくるから嫌いなんでしょうね。だから、「今日は逃げちゃだめだよ。頑張ろう」と言いました。 今日は気持ち的に負けてなかったですね。
 (明日に備えて)勝ち負けよりも、うちの問題点をチェックしてミーティングします。」

トヨタ自動車 #2桜庭珠美選手
「今日はみんなが頑張ってくれました。コートにいる5人全員で戦うことが出来ました。疲れはありますが、明日も頑張ります。」

日本航空 林ヘッドコーチ
「 ガードなしにゲームやるからできるはずがない。ガードが攻撃しないんだから。二人が回復というか、戻ってこない限り無理ですね。
  この前のトヨタ戦(2月13日60-63で敗戦)は、前日のシャンソンに全力を注いだから、次の日は疲れていたのかなと理解したんですよ。でもそこで負けた影響で自信をなくしている。それを取り戻さないと、明日も難しくなります。
  矢代は(交代したことは)初めてだと思います。今までメンバーチェンジしたことないですから。でも、今日はしょうがないですよ。自信のないことをやっていた。何の役にも立ってないでしょ。それをかばってくれるものがない。助けてくれるものがない。ガードとセンターが悪いとき、リードしたゲームがないですから。
  今日はプレー自体が負けたプレーをしていました。明日やってくれるでしょう。
 (薮内夏美について) チャンスに打ってくれない。オリンピックガードらしいことやってないですよね。プレーの自信をなくしてるのかわからないけど。でも、全体的に悪いですね。4(人)対5(人)でやってるんですから 」

日本航空 #7薮内夏美選手
「今日の全然ダメでした。(明日は)切り替えていくしかないです。」

<PICK UP!>
トヨタ自動車 #55 角井絵美選手(大阪体大出身・2年目)


「怒られちゃいました。めちゃくちゃ怖かったです。」

いきなり3ファールでベンチに下げられた時のことをたずねると、彼女は身体を縮めるように両腕を抱えて小さく首を振った。それはつい先ほどまでゴール下で一歩も引かないポジション争いをしていた選手とは思えなかった。

4ファール後のプレーについて聞くとやはり「怖かったですー。」と言いながらも、しっかりとした口調で続けた。

「審判にも目をつけられていましたから、ここでで引いたら余計にダメだと思って強気で行きました。」

監督に怒られるのが怖くて肩をすくめる彼女も、あたりの強いインサイドで他の4人の動きをしっかり捉えながら落ち着いてプレーする彼女も、どちらも本当の姿なのだろう。

最後に「明日も頑張って!」と声をかけると、にっこりと笑顔で頭を下げた。


この試合で特に私の目を引いたのは、トヨタ#2桜庭のディフェンスだった。インサイドが機能しない日本航空はミスマッチをついて#7薮内夏がポストアップしてくる。それを読んでいたのかのように桜庭はパスコースに入ってボールを入れさせない。素晴らしいディフェンスだった。
 薮内夏が下がり気味にプレーしたことにより、日本航空はボールの廻りが悪くなってしまった。あとは攻め急ぎとと言った部分もあっただろう。

  次の第3戦、ファイナルへの鍵はトヨタ#2桜庭が握っている。
(渡辺美香)


<WJBL セミファイナル第2戦>
2月27日(日) 会場:白石市文化体育活動センター

             

88

19
1st
13
73
日本航空

32

2nd
6
トヨタ
(シーズン成績2位)
24
3rd
19
(シーズン成績3位)
13
4th
35




<WJBL セミファイナル第1戦>
2月26日(土) 会場:高知県民体育館

             
75
13
1st
18
85
シャンソン
18
2nd
19
JOMO
(シーズン成績1位)
20
3rd
19
(シーズン成績4位)
24
4th
29




<WJBL セミファイナル第2戦>
2月27日(日) 会場:うだつアリーナ

             

74

14
1st
18
61
シャンソン

28

2nd
17
JOMO
(シーズン成績1位)
16
3rd
8
(シーズン成績4位)
16
4th
18


<取材・文 酒井陽・武山智史・渡辺美香>
S-moveメインへ