まず、1勝 〜イタリア戦・選手のコメントから〜  2004.5.8

大会1日目
イタリア
(世界ランク4位)
18-25
25-23
18-25
25-20
13-15
日本
(世界ランク7位)
2-3

「今日はみんな安定してましたね。よかったですよ」
158cmの小さな司令塔、竹下佳江は光る汗をぬぐいながら笑顔で言う。

リベロ成田を中心にサーブレシーブがきちんと返ってきた。コンビが機能しスパイク得点で栗原16点、大友16点、吉原15点をあげるなど、アタッカーが偏ることなく得点した。

「イタリアは作れてないなあという印象でした。チームを組んで2週間くらいらしいですね(イタリアの国内リーグ終了後の代表召集だったため)。1人1人は世界のトップでプレーしているしそういうレベルだなと思いましたけど、チームプレーとなるとどうかな、っていうのが見受けられました」

イタリアのボニタ監督も前日の会見でそのことを危惧していて、試合後の会見でも「日本が素晴らしいバレーをしたこともあるが自分達にも原因があった」と振り返る。

キャプテン吉原知子は「イタリアにはいつも負けていたので今日は絶対勝ちたいと思っていました。みんな思っていたと思います。最初から戦いに行っていました。前は向こうに攻撃で先手をいかれていたんですが、今日はバックアタックを混ぜたり自分達でうまく対応できました。それでも課題はまだありますし、チーム全員また気を引き締めて頑張りたいと思います」といつもの落ち着いたトーンで話した。

昨年のW杯後に全日本入りした大友愛は「みんなで助け合って勝ったと思います。ゲーム中も目が合って、助け合ってるなあ、と。やってて楽しかったです。明日から今日以上の気持ちを持って頑張りたいです。もっともっと自分の力を出せると思います。今回のチャンス(五輪予選)は自分にとっても大きな目標で課題でした。完全燃焼するつもりでやります」

「今日は勝てて本当によかったです。これからの試合も一生懸命頑張りたいと思います。スタメンだと言われたのは2日前です。ちょっとビックリしました。でもそういう機会を与えられたら頑張ろうって思っていました」、
(試合中の気持ちについて尋ねられて)「うーん、一生懸命やってただけです・・・すいませーん(笑)」
今日が初スタメンだった木村沙織は試合でのシャープなプレーとは打って変わってゆっくりと、それでいてひょうひょうとした様子で話した。

栗原恵は「まだまだこれからの試合を通してもっと勉強していきたいです」、
今日の良かった点は?と聞かれて「ラリーで苦しいときに決めきれなくて、良かった所は今は思い浮かばないです」  

最大のライバルと目されていたイタリアに勝ち、会場も大歓声で満たされた。しかし選手たちの目標はオリンピックの出場権獲得。

全日本女子がまず1勝を挙げた。

 
写真左:竹下選手 右:試合後会見に臨む木村選手、吉原選手、柳本監督、大友選手、栗原選手(左側から)


S-move編集部 田中美穂
  東京都出身 21歳。日本大学4年。小中高時代はバレーボール選手として青春を過ごす。 培った大きな声は時に編集部内で鬱陶しがられることがある。 感動を与えてくれる、人・競技・ドラマすべてに感謝の気持ちを込めて書いていきます。

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