韓国戦、そしてこれから 2004.5.14
韓国
(世界ランク8位)
<4勝1敗>
19-25
19-25
15-25
日本
(世界ランク7位)
<5勝>
0-3

「信じてもらえないかもしれませんけど、3-0で勝つと言っていたんですよ」
会場では上ずった声でインタビューに答えていたが、会見場に現れた柳本監督はすっかりいつものトーンに戻っていた。

全勝対決。韓国は今日までにイタリアやロシアという格上と対戦し、持ち前の粘りのバレーで接戦を制してきた。

「韓国の初戦の様子を入手して分析しました。固いバレーをしているけれど、この大会で韓国が速いバレーに対応するのは初めてですよね。“パワーと速さ”という日本のバレーをすれば負けないなと思っていました」

序盤、レフトで決定打が出なかった日本は木村に替えて佐々木を投入。流れは一気に日本に傾いた。
「佐々木はスタメンでも結果を出せる能力を持っていると思います。しかし今日はまず(守備を)固めて戦おうと思っていました。サーブレシーブを固めたかったんですね」

1セット目を日本が取ると、韓国には序盤ほどの勢いがなくなった。
韓国キャプテンのク・ミンジョンは、
「もっと競ると思っていましたが戦ってみると日韓戦というプレシャーはありました。身体が固まった感じでした。今日はレシーブミスが多かったです」

粘りのつなぎをモットーとする韓国がその根幹のレシーブにミスを出す。コンビが合わずスパイクミスが出る。 チョン・デヨンはスパイクをふかした後、落ち込んだ表情のままそれを隠すこともできなかった。

一方栗原は「実はすごい緊張していたんです」と語りながらも要所でバックアタックやインナーへの鋭いスパイクを決めた。
マッチポイントを掴んだ日本は佐々木のサーブ。選手と選手の間、絶妙のコースへのノータッチエースだった。

柳本監督が描いていた通り、ストレートで韓国を下した。
出場権を手にして、全日本は喜びを爆発させた。

それでも、
「最終予選は全勝しないと意味がないです」(佐々木)
「もっともっと練習してもっともっと強くなりたいと思います」(吉原)

大きな喜びを手にして、全日本はまたひとつ階段を上る。

 

 


S-move編集部 田中美穂
  東京都出身 21歳。日本大学4年。小中高時代はバレーボール選手として青春を過ごす。 培った大きな声は時に編集部内で鬱陶しがられることがある。 感動を与えてくれる、人・競技・ドラマすべてに感謝の気持ちを込めて書いていきます。

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