85の先 2004.5.16
日本
(世界ランク7位)
<6勝1敗>
20-25
18-25
19-25
ロシア
(世界ランク5位)
<5勝2敗>
0-3


「日本は力をつけてきています。進化してきているチームだと思います。でも対戦してみて中国やアメリカと比べるとまだまだだと思いますね」
試合を終えて、ロシア・カルポリ監督はこう評した。

高さに勝るロシアを前にワンタッチを取りにいって、ブロックを打ち破ろうとしてスパイクミス、ここからたたみ掛けようという時にサーブミス。終始リードされる展開だった。

柳本監督は、
「ロシアとは今日当たってよかったです。向こうもすでに出場権を獲ってましたけど、7-1のような展開でも引かなかったですよね。“本戦はこういう感じなんだよ”って選手も分かったと思います」、
「今日は敗れはしましたがある意味力を出し切れたと思いますね。目指してるもの、メダルを獲るに向けての課題は残りました」

監督と選手たちはロシアと韓国の試合(3-2で韓国が勝利)をビデオで見て研究したという。それでも日本の形で、自分たちのバレーすることを選んだ。
「韓国スタイルになることはない。方向性は間違っていなかったと思います」。
最終予選は絶対に越えなくてはいけないハードルだった。そしてそのハードルは通過点のひとつ。

「日本の課題は挙げれば沢山ありますけど、高さに対しての横移動の速さなどですね。佐々木・大山・栗原、この辺りのライト線への対応は中国遠征なんかでもそうでしたけどやられましたからね」

オリンピックまではあと90日あまり。
「他国はもう伸びるというよりはチームが固まってくるでしょうね。でも日本はこれからです。そういうのは日本くらいでしょうね」

今の日本の完成度は「85くらい」だという。
「もっと男子のようなチームに持っていきたいんです。バックアタックをもっと速く、トスを低くしてほとんど時間差のような形にしたいと思っているんですよ。ブラジル男子のような、見ていてゾクゾクするようなバレーにね」

監督の中には確かなビジョンがある。そして、

「これからは細かいところをもっと勉強していきたいです。ブロックでマークされてもリバウンドを取って切り返したりとか細かいところをですね」(大友)
「思い切ったプレーであってももうミスは許されないんです。私も新人じゃなくなってきていると思います」(栗原)

選手たちの想い、手の中に残った課題。
85の先・・・日本の伸びしろは無限に広がっている。

 

S-move編集部 田中美穂
  東京都出身 21歳。日本大学4年。小中高時代はバレーボール選手として青春を過ごす。 培った大きな声は時に編集部内で鬱陶しがられることがある。 感動を与えてくれる、人・競技・ドラマすべてに感謝の気持ちを込めて書いていきます。

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