男子のここに注目 2004.5.22

粘りのレシーブ・つなぎ、正確なコンビ。
すばらしいバレーで予選を1位通過した全日本女子を見た後、男子のどんなところをみるか。

いくつか挙げてみたいと思います。

強と柔
男子というと高いトスをパワーで打ち切るシーンなど、豪快なプレーが浮かぶかもしれませんが、柔らかいプレーも見られます。ひとつひとつのプレーの強弱、というか強と柔が楽しめます。たとえば同じジャンプサーブでも強く回転がかけられた速いサーブ、回転を緩やかにして落とすサーブがあり、セッター宇佐美のトスも細川への矢のようなレフトの平行があれば、ライトへのバックトスなどふわりとした球を出すこともあります。
選手がサーブを打つフォーム、セッターの手元を見るのも面白いでしょう。


マルコスの守備
彼のプレーでは パワフルなサーブとスパイク、跳躍力が印象に残った人も多いと思いますが、それだけでなく守備でも活躍します。
たとえばサーブレシーブ。
日本のフォーメーションは山本がバックアタックを打つ時はサーブレシーブに参加しません。彼が後衛にいる時はコートの少し前のほうに構えています。マルコスの前には大きな空間があります。マルコスはパワフルなスパイクの他に正確なレシーブ力を持っていて、ローテーションによってはリベロの津曲と実質2人でサーブレシーブをします。強いサーブも緩やかなサーブでもしっかりと腰を落とし、ボールの勢いを殺して正確なカットを宇佐美に返しています。コートの後ろの方で強いサーブをレシーブすることがあれば、フロントゾーン(アタックラインより前)に落ちる球を「OK!」と津曲を押しのけてカットすることもあります。
特に柔らかいサーブに対してのマルコスのカットはとても丁寧です。
サーブが打たれた時、またはラリー中、マルコスがバックアタックを打つ時にコートの脇から突然現れるように感じるのはきちっとしたレシーブの構えからそのままスパイクを打つからなのです。

明日は中国戦
いくつか挙げてみましたが、日本は明日、中国と対戦します。
昨年のW杯では3-1で日本が勝っていますが、中国は今回ベテランを招集し、今日韓国を3-0のストレートで下しています(W杯で日本は韓国にストレート負け)。

上背のある中国の選手にコンビを使わせたくありません。崩していくためにはサーブが重要になります。日本選手のサーブに注目です。
また田中監督は「ミスを出さないこと」、「サイドアウトをきっちりととること」をポイントとして挙げています。
その中でいかに思い切ったプレーを出せるか。紙一重のプレーに注目です。

 


S-move編集部 田中美穂
  東京都出身 21歳。日本大学4年。小中高時代はバレーボール選手として青春を過ごす。 培った大きな声は時に編集部内で鬱陶しがられることがある。 感動を与えてくれる、人・競技・ドラマすべてに感謝の気持ちを込めて書いていきます。

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