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全力の戦い 〜オーストラリア戦〜 2004.5.25
1セット目だけでサーブミスが10本あった。このセットでオーストラリアがサーブレシーブをしたのはわずかに8本。 「なんでセットを取れたのか不思議な感じです」 オーストラリアには硬さが見えた。彼らのサーブミスもこのセットで4本。少ないとは言い難い。 「うちはサーブが特徴のチームですけど、今日はサーブを入れていかなければいけないサーバーがミスを出していました」(田中監督) 宇佐美、山本は攻めるサーブを持っている。この2人には多少のミスは目をつぶって攻めるように指示が出ている。それ以外のサーバーのミスが痛かった。日本が出したサーブミスは試合全体で20本にも及んだ。 セットを重ね、少しずつ乗ってきたオーストラリア。 加藤が今大会初めてコートに立ち、ラリー中も積極的に指示の声を出すが、流れが出来たところでまたサーブミスが出てしまった。 流れが行ってしまう。選手たちのプレーはどこかぎこちない。 「僕がポジション、役割をちゃんと果たせたら今日はフルセットやらずに勝てたと思います」 「僕が決まらないから大輔(セッター宇佐美)を悩ませてしまった。最後まで修正しきれませんでした」 疲れはあったのか、という問いには 精彩を欠く山本。他のアタッカーへの負担は大きくなる。センター線がブロックに捕まりだすと、サイドアタッカーに頼らざるを得なくなり、更に的を絞った高いブロックが待っている。 そのブロックの脇を、間を縫うようにスパイクを打ち込んでいたマルコスも試合の終盤には目に見えて勢いが無くなった。レシーブに飛び込んだ後なかなか起きあがれない。スパイクも着地が乱れて手をつくこともあった。
しかし、 「結果を気にせず1戦1戦やっていくだけです」 加藤が言った。彼のほか、多くの選手が言うように、 日本の全力の戦いはまだ続く。 |
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![]() S-move編集部 田中美穂 東京都出身 21歳。日本大学4年。小中高時代はバレーボール選手として青春を過ごす。 培った大きな声は時に編集部内で鬱陶しがられることがある。 感動を与えてくれる、人・競技・ドラマすべてに感謝の気持ちを込めて書いていきます。 |
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