スーパー陸上2004ヨコハマ  2004.9.23

 
横浜の天候は曇り、気温25度、湿度69%といいコンディション。5万人近い観衆が見守る中、男女計15種目が行われた。

男子棒高跳
 優勝したのはアテネ五輪金メダリストのティモシー・マック。アテネ五輪で決勝進出を果たした澤野大地は2位だった。出場9選手中記録が残ったのはこの2選手のみ。同じく五輪に出場していたトビー・スティーブンソン(銀メダリスト)、ポール・パージェス(11位)は振るわなかった。

順位 記録 名前
1 5m80 ティモシー・マック
2 5m60 澤野大地


澤野大地選手
「アテネ後の初めての大会だったんですが、五輪で世界のレベルを観て自分の中での意識改革があったんです。技術的にも精神的にも。疲れもあるけれど何かやってやろうという気持ちでした。世界の一流の選手は少ない本数で高く跳ぶ。僕は(五輪では)沢山跳んでギリギリ決勝、という感じだったんです。いつもは5メートル40くらいから始めるんですけど今日は50からにしました。こういう試みは初めてです。これからは50とか60から始められるようでないと・・・。五輪後の上位が出場した大会は全部テレビで観たんですけど、"プロだな、違うな"と感じました。試合はお客さんが盛り上げてくれて楽しかったです。2日後にまた実業団の試合があるのでそっちも頑張りたいと思います」





女子走幅跳
 五輪チャンピオンに2度輝き、長年女王として活躍してきたハイケ・ドレクスラーはこの大会での引退を表明。6メートル24で5位に終わったがラストジャンプを終え観衆からは大きな拍手が沸き起こった。優勝は6メートル61でアンジュ・B・ジョージ。五輪金メダリストのレベデワも同じ記録を出したが、先に跳んだジョージの優勝となった。
  ドレクスラーの自己記録は7メートル48。
順位 記録 名前
1 6メートル61 アンジュ・B・ジョージ
2 6メートル61 タチアナ・レベデワ
3 6メートル44 佐藤有香
4 6メートル43 グレース・アップショー
5 6メートル24 ハイケ・ドレクスラー
6 6メートル23 花岡麻帆
7 6メートル22 池田久美子
8 6メートル09 枡見咲智子

女子走高跳
 ババコワも今大会限りで引退してしまう選手。アトランタ五輪で銀メダル、他にも多くの世界大会で入賞、メダルを獲得しスーパー陸上は3連覇中だった。1メートル97に失敗し惜しくも2位となったが、笑顔でフィールドを去った。優勝はアテネ五輪金メダルのエレーナ・スレサレンコ。
  ババコワの自己記録は2メートル05だった。

順位 記録 名前
1 1メートル97 エレーナ・スレサレンコ
2 1メートル94 インガ・ババコワ
3 1メートル88 べネリナ・べネバ
4 1メートル88 青山幸
5 1メートル80 ハニカット陽子
6 1メートル80 今井美希
7 1メートル80 貞広千波



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室伏広治 金メダル授与セレモニー
 アテネ五輪男子ハンマー投で優勝した室伏広治。IOCからようやく金メダルが届き、協議終了後にセレモニーが行われた。優勝とされた選手のドーピングで繰上げ金メダルとなったが「皆さんがもたらしてくれた真実の金メダルです」と嬉しそうに大きく掲げて見せた。

室伏広治選手
「こんなに沢山の方に集まっていただいて本当に幸せです。どうも有難うございます。この金メダルは皆さんの応援、エネルギーがもたらした真実の金メダルだと思います。また次のオリンピックを目指して精一杯頑張っていきたいと思っています」

  同じく繰上げで銀メダルとなったイワン・チホンにもオリーブの冠と記念品が贈られた。銀メダルはすでにIOCから発送されたが大会には間に合わず、メダルを授与されたのは室伏のみだった。


引退セレモニー
 メダル授与の後には、男子100メートルのフランク・フレデリクス、女子走幅跳のハイケ・ドレクスラー、女子走高跳のインガ・ババコワと長年陸上界を引っ張ってきた3選手の引退セレモニーが行われた。各選手がファンに向けてコメントし、その後大会出場選手からバラの花が贈呈された。

フランク・フレデリクス選手
「皆さん本当に有難うございました。陸上という素晴らしいスポーツに別れを告げる、来るべき時が来ました。よい友達や思い出を沢山作ることができました。日本のファンの皆さん本当に有難うございました。ドウモアリガトウ」

ハイケ・ドレクスラー選手
「引退がこんなに早く来るとは思いませんでした。月日が経つのは早いです。日本に対しては美しい思い出やエピソードが沢山あります。92年日本で思い出深い試合をした記憶があります。ここで引退できるということは素晴らしいことです。日本のファンの方々に深くお礼を申し上げたいと思います。有難うございました。そしてさようなら」

インガ・ババコワ選手
「日本で色々な大会に出場しましたが、いつも思うのは日本のファンの皆さんの応援がとても暖かいということです。日本で沢山跳べたのはそのお陰だと思います。ファンの皆さんの健康と幸せを深く願います。私のスポーツマンとしての人生が始まったのは日本でした(91年世界陸上東京大会で初メダル)。終わるのも日本です。とても印象深いことです。本当に今まで有難うございました」




 モーリス・グリーン選手ら男子100メートルの選手数人が先導して、3選手はゆっくりとフィールドを1周。観客は立ち上がって拍手を送り、フラッシュの光が途切れることはなかった。

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