<第21回京王電鉄杯10大学フェスティバル> 全結果はこちら
4月23・24、29~5月1日に、トヨタ府中スポーツセンターで、第21回京王電鉄杯10大学フェスティバルが行われた。

参加校:青山学院大、専修大、明治大、日本大、拓殖大、法政大、中央大、東京大、早稲田大、慶應義塾大

最優秀選手:佐藤託矢(青山学院大#5 4年)
優秀選手:山田謙治(法政大#4 4年)、菅原洋介(早稲田大#4 年)、大宮宏正(専修大#6 4年)、菊地祥平(日本大#10 3年)

3ポイントコンテスト: 神崎剛(明治大#7 4年) 11本
ダンクコンテスト:宇田康利(拓殖大#9 2年)


最優秀選手と優秀選手

優勝:青学大

スターティングメンバー(以下、特に多かった布陣です)
#5佐藤、#7岡田、#9正中、#11広瀬、#14荒尾

 昨年の主力メンバー4人を残し、鈴木伸之が卒業したPGポジションも経験のある梶原剛(4年)・正中岳城(3年)が務め、穴がない。

 インサイドではルーキーの荒尾岳佐藤託矢(4年)と組んだ。U-18代表の実力を持ち、特にリバウンドの感覚が素晴らしい。速攻では200cmの長身を生かして軽々とダンクする。

 この2人に気を取られると、岡田優介(3年)がすかさず外から3ポイントシュートを突き刺してくる。他にフォワードでは2年生トリオの中でも特に熊谷宜之の成長が著しく、チームに貢献していた。広瀬健太も長谷川健志監督の叱咤激励を一身に受け、期待が伺われる。これにキャプテンの大屋秀作が万全の体勢で臨めれば、さらに破壊力がアップする。

 わずか15名のエントリーながら文字通りの少数精鋭で、ベンチメンバーも短

青学大#14荒尾
いプレータイムできっちり仕事をしてくる。1人1人の力がよくかみ合っていると言い換えてもいい。他校の挑戦にどこまで耐えられるか。
(北村美夏)

#5佐藤

#11広瀬

#9正中

#13熊谷


法政大#24佐々木
2位:法政大

スターティングメンバー
#4山田、#5小川、#7町田、#16高崎、#17高久

 こちらも昨年の主力をそのまま残し、ルーキーを含めてタレント揃いだ。

 アウトサイドでは山田謙治小川伸也の4年生と深尾晃生がコミュニケーションを取り合いながらゲームコントロール。ルーキーの佐々木亨(洛南)は得点力をいかんなく発揮していた。シューター坂上慶(大麻)も楽しみな存在だ。末廣潤(3年)と互いに高めあってほしい。上級生でも坂野祐(4年)、山田健太
高橋優
(2年)とそれぞれ持ち味があるメンバーが控える。

  フォワードは亀井英彦を始めオールラウンドプレーヤー揃い。中でも高崎陽平の好プレーが光る。シックスマンとして大きな存在だ。昨年U-21代表の福田大祐(2年)、国体少年男子優勝の末廣尚希(1年)は経験をチームで生かしたい。インサイドは町田洋介(4年)・高久順(3年)のバックアップにルーキー梅津敬介(能代工業、198cm)が期待される。
 ただ、交流戦だからかもしれないが、「このチームならもっとできるはず」という物足りなさも感じた。魅力溢れるプレーが見たい。
(北村美夏)

#12深尾

#7町田

#4山田

#27坂上

3位:早稲田大

スターティングメンバー
#5高木、#9髙島、#12岩隈、#14福島、#22近森

 監督に松野正氏が就任、各学年に実力者がいるチームを丁寧にまとめる。

 ガードは太田匠(延岡学園)の加入で競争が激化した。それぞれが持ち味を発揮し、様々な状況に対応できれば強みになる。SGの高木賢伸の得点力をうまく生かしたい。キャプテン菅原洋介の“泥臭い”貢献も必見だ。
 フォワードは髙島一貴近森裕佳がオールラウンドプレーで身長のハンデをカバー、ビッグマンを翻弄する。バックアップは久保宜之(4年)・田上順一(3年)の他にも、加藤亮平菅川浩樹(2年)ら眠れる好素材も忘れてはいけない。
 ルーキーは太田・赤沼悠(早稲田実業/F)・根本祐太(市立柏/C)といずれも即戦力になれる。チャンスを掴みたい。

 自分達の持ち味が出ている時間を長くできれば、自ずと結果はついてくる。 1シーズンでの1部復帰を目指し、気の抜けない戦いが続く。
(北村美夏)

早稲田大#20太田

#17松尾

#15菅川

#12岩隈

#9高島


専修大#14横村
4位:専修大

スターティングメンバー
#4小淵、#5伊藤、#6大宮、#16浅野、#18喜多川

  今年度の登録はガード・フォワードのみ。ポジションを超えてスピーディに展開する。
  フォワードは伊藤孝志大宮宏正の4年生2人がそれぞれ異なる持ち味を発揮する。五十嵐啓太(3年)・浅野崇史田中佑弥(2年)はいずれもチームプレーに長けている。横村府幸(2年)も確率の高いシュートとガッツを持つ。パワーのあるセンターに対しリバウンドをどう取るかが課題と言える。
  ガードはキャプテン小淵雅(4年)と喜多川修平(2年)が組む。松本怜(3年)・
堤啓士朗(1年)が入ると一気にスピードアップする。ボールが止まる時間を短くするとリズムが出る。
  ルーキーは飯田貴大(飛龍)ら能力の高い5人がエントリーした。
  パスワークから確率の高いミドル・3ポイントシュートやダンクにつなげると止まらない一方で、追い込まれないと力が出なかったり個人が孤立してしまう時もある。新チームにふさわしい形を見つけたい。
(北村美夏)

#16浅野

#23堤

#5伊藤

#10松本


日大#7藤原
5位:日大

スターティングメンバー
#4秋元、#5小野寺、#6八井、#7藤原、#10菊地

 エース呉屋貴教(4年)、206cmのビッグマン・太田敦也(3年)を欠いての試合となったが、その分他の選手のアピールが見られた。

  菊地祥平は3年になりますます頼られる存在に。司令塔を務めるのは秋元啓人(4年)。八井雄大(4年)、斉藤嵩人(2年)はアグレッシブなプレーを身の上とする。フォワードでは藤原宏光(4年)が美しいフォームから3ポイントシュートを量産、蒲谷正之卒業後の新シューターとして名乗りを上げた。
 インサイドは少しずつプレータイムをもらっていた張棚松本亮祐木村勇太ら2年生の一層の奮起に期待したい。
 ルーキーでは、篠原徹(北陸)が物怖じせずプレーしていたのが印象的だった。

  G・F・Cが1人ずつ卒業し、今いるメンバーは経験が少ないが、その分伸びしろがある。伝統を受け継いでいきたいところだ。
(北村美夏)

#10菊地

#18篠原

#5八井

#17木村(勇)

<3ポイントシュートコンテスト>
  3ポイントシュートコンテストは接戦となり、3人が11本(30秒)で並んで同点決勝が行なわれた。その結果、1回目と同じ11本を沈めた明治大の神崎剛が優勝、昨年度2部3ポイント王の実力を発揮した。これも日々のシューティングのタマモノだろう。

1位 神崎 剛(明治大#7 4年):11本、11本
2位 友利 健哉(専修大#11 3年):11本、9本
3位 福島 孝太(早稲田大#14 3年):11本、8本

4位 梶原 剛(青山学院大#6 4年):9本
4位 藤原 宏光(日本大#7 4年):9本
4位 坂上 慶(法政大#27 1年):9本
7位 椎名 雄大(中央大#14 3年):7本
7位 加藤 将裕(慶應義塾大#16 2年):7本
7位 宮城 徹(拓殖大#13 1年):7本
10位 前川 大志(東京大#14 2年):1本

<ダンクコンテスト>
 昨年の優勝者、専修大の大宮も参加してのダンクコンテストは、ぐるりと周囲を観客に囲まれた中で行なわれた。1人2回の試技はなかなか成功せずそういう意味での盛り上がりには少し欠けたが、コート上では見られないパフォーマンスで会場を沸かせた。

 日本大の篠原徹の時は、双子の兄弟である中央大の篠原賢がアシストするため日本大のシューティングシャツを着て登場。ダンク失敗に2人同時に頭を抱えるなど、双子らしい息の合ったパフォーマンス(?)を見せた。中央大の佐藤は2回目のダンクのアシスト役に観客の1人を連れてきた。その場でトスの上げ方やタイミングを伝え本番に臨むが失敗。「もう1回!」と再チャレンジするがまたもや失敗。だが、アシストした少女に大きな拍手が贈られた。

 ダンク成功がみられない中、明治大の真弓は2回ともワンハンドダンクを決めた。また拓殖大の宇田は1回目のダンクは決まらなかったものの豪快さで高得点を出し、2回目にはダブルハンドバックダンクを決めた。この2名が同点で決勝となった。
 決勝では1回目は2人ともダンク成功ならず、「もう1回!」と繰り返したが、最後は拓殖大の宇田がダブルハンドのオーバーヘッドダンクを決め優勝した。
(渡辺美香)

ユニが後ろ前の大宮

決勝戦前にダンクの相談をする宇田

1位 宇田康利(拓殖大)

2位 真弓俊明(明治大)

大宮宏正(専修大)
甲斐啓太(青山学院大)
高久順(法政大)
菅川浩樹(早稲田大)
佐藤基一(中央大)
篠原徹(日本大)

観客、チームメートがコートを囲んだ


中央大17富田
6位:中央大

スターティングメンバー
#7石田、#8小野、#9馬場、#17富田、#22清水

 
(北村美夏)

#6根岸

#7石田

#10砂原

岩瀬コーチ


明治大#21伊与田
7位:明治大

スターティングメンバー


(北村美夏)

#6緒方

#13横尾

#20鈴木

#4高橋

8位:慶應大

スターティングメンバー
#6酒井、#8竹内公、#16加藤、#20原、#21竹内尚


(北村美夏)

慶應大#21竹内

#9酒井

#20原

#7赤瀬

#18小松

#6酒井泰滋選手(3年)
(チーム状態について)自分がやっていて感じたのはこの大会の1週目(4/22・23)と2週目(4/29・30・5/1)では随分違ってきたと言うことです。今週の方がいいイメージでプレーできていますね。昨日(4/30)の明治戦ではうちのいい展開ができたと思います。ああいう試合を積み重ねていければいいと思います。
(竹内)公輔がいない時は自分は中をやっていたのですが、今日(A代表候補合宿終了後、竹内が合流した)は外をやったので最初ちょっと戸惑いはありました。公輔もほとんどチームでの練習ができていなかったのですが、ちゃんと合わせてやってくれていました。でも、他のメンバーは試合経験がほとんどないし、公輔ともあまり合わせていないので、そういう意味で自分がしっかりとつないでいかなくてはいけないと思っています。公輔はこれからもA代表候補でチームにいないことが多いので、自分がいいパイプ役にならないといけないですね。
新チームについては実際やってみたら思っていたよりよかったし、このチームはまだまだ伸びしろがあると思うので、これから頑張っていきたいです。」


拓殖大#9宇田
9位:拓殖大

スターティングメンバー
#4伊藤、#7小島、#8加々美、#9宇田、#18猿田
(北村美夏)

#11寒竹

#12山田

#6加々美

#13宮城

#8加々美裕也選手(4年)
「今日(最終日)は第1クォーター自分たちのプレーができなくて相手に離されましたが、第2クォーターにみんなで“楽しんでやろう!”と声を掛け合ってやることで自分たちのプレーが出せるようになりました。後半からは拓郎(#4・伊藤。A代表候補合宿終了後駆けつけた)が入って、自分はディフェンスのことだけ考えればよくなったので楽になりましたね。
(今日は竹内公とのマッチアップでしたが)身長差はありますが、彼とはスプリングキャンプなどで一緒にやっていますからどういうプレーをするなどもよくわかっているので、そういう意味では守りやすかったですね。しつこいディフェンスをして相手をイラつかせるようにしました。それが上手くいった面もありましたね。
拓郎がいなくてその間自分がキャプテンをやらなくてはいけないと言うのはやはりきついものがありました。新人戦の時にキャプテンをやっていたので大変さはよく知っていましたから。拓郎も自分がいてくれるといいと言ってくれるのですが、自分も拓郎がいるといないとでは全然違います。
この大会はずっと連敗していたので今日の勝ちはうれしいです。この大会でチームの課題も見えましたから、まずはトーナメントに向けて練習を頑張ります。自分たちの意識をしっかり持って、モチベーションを保っていくことが大切だと思っています。」

10位:東京大

スターティングメンバー
#4矢野、#5山出、#6松尾、#14前川、#15野中

 
(北村美夏)

東京大#5山出

#14前川

#4矢野

#7鶴窪

#15野中

#4矢野祐規選手(4年)
「この大会を通して、できたこと・できなかったことがそれぞれあって、今の自分たちがどこまで通用するのかを見ることができました。昨年に比べると接戦が幾つかあり、そういう意味ではいいゲームができていたように思うのですが、そこで勝てないことが課題でした。リバウンドを頑張って何度もつないでも結局最後に得点するところまでいけないなど、今のチームのいい面・悪い面がはっきりと出ましたね。
(チームを引っ張ってきた前キャプテンの高崎が卒業、さらにチームスタッフも変わりましたが)やはり卒業した4年生の存在は大きかったし、スタッフが変わったことで練習なども変わり戸惑いはありました。自分は高崎さんのように自分でグイグイとチームを引っ張るタイプではないので、周りをみて、みんなが動きやすくなるように配慮しながらチームをまとめていくようにしています。キャプテンになってチーム全体を見なくてはいけないのでそれはやはり大変な面はあります。
今年のチームはオフェンスは2年生の#14前川や#15野中などシュート力のある選手がいるので、昨年のような決まり事を重視したセットオフェンスではなく、個人を活かすフリーなオフェンスをやっていくようにしています。ディフェンスでは昨年までと同様、ヘルプをしっかりやって相手を止めて、ルーズボールやリバウンドを頑張ることが大切だと思っています。去年までのディフェンスは卒業した4年生たちの代でつくったものですが、今の下級生にはまだ十分に伝わっていません。なのでそれを知っている我々上級生が伝えていくことで、ディフェンスはもっとよくなると思います。
昨年のチームは爆発力はなかったのですが安定感がありました。今年は昨年なかった爆発力をしっかりと伸ばしていかないと、昨年と同じでは1つ上のチームには勝てないです。
今年の目標は3部A昇格なので、それを目指して頑張ります。」

#5山出眞也選手(4年)
(今日も40分フル出場でしたが)もう1人センターがいるのですが今日(最終日)は来てなくて…でもどちらにしても自分がやらなくてはと思っているので常に40分出られるような気持ちでいます。
(昨年に比べて自分のプレーは)今年のチームは去年と違って決まり事があまりなく、シューターを絡めた1対1をよく使ってます。なので自分もいろいろなタイプのプレーをしていくようにしています。
うちは能力が高くない分ルーズボールとかリバウンドとかを一生懸命にやることが必要です。」

<取材・写真・文 北村美夏、取材・写真 渡辺美香>