<男子日本代表第2次強化合宿>

4月24日、府中のNECニューライフプラザで、男子日本代表第2次強化合宿が行われた。
4日目の今日は、14名の選手が参加し、オフェンスの決まりごと、特にスクリーンの使い方について確認した。
第2次強化合宿は、25日まで行われる。

3日目参加選手(14名):網野、五十嵐、伊藤(午前のみ)、太田、大宮、柏木、柏倉、西塔、桜井、菅谷、竹内公、仲村、古田、渡邊
※見学:竹内譲
※怪我:山田                        
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4/24(土)
今日は学生陣が竹内譲二(午後から参加)を除いて全員顔を揃えたため、開始前にジェリコHCから「代表として、より良くなっていけるように今年しっかり頑張って欲しい」と長めの話、そして古田キャプテンからもメッセージがあった。

その後アップを終えると、すぐに5on5へ。まず網野・五十嵐・竹内・仲村・古田が手本を見せて、それに伊藤・太田・柏倉・桜井・渡邊がディフェンスに入ってスタート。大宮・柏木・西塔・菅谷は最初見学。ミス等で攻守が切り替わり、ディフェンスがボールを取ったら速攻に持ち込む。どんどん先取を入れ替えて進めていった。1つ1つ止めて説明を入れていく。「強いパス」「スクリーンを使う」などはここでもよく言われていた。

その後若手主体とし、網野・五十嵐・伊藤・柏倉・古田・仲村・渡邊はウエイトトレーニングを行った。

さらにその後大宮・西塔・竹内と太田・菅谷は1on1。特にセンター陣へのローポストの攻め方は丁寧に教えていた。その後21点ラリー、最後にフリースローシューティングをして、午前を終えた。

午後は、 五十嵐・柏木・柏倉、桜井・仲村・渡邊、網野・大宮・西塔、そして太田・竹内・古田(菅谷はリバウンド)とポジション別での2on1。特に 五十嵐・柏木・柏倉のG陣はジェリコHCから「素晴らしい」と言われる激しいディフェンスを見せた。「2人のディフェンス

<今日の練習メニュー>
09:30
09:45 アップ(MC:網野)
10:05

5on5トランジッション (フォーメーション)
一部は後半ウエイトトレーニング

11:20 終了/1on1
11:40

終了/2on2(21点先取)

11:45 フリースローシューティング/
個別メニュー
11:55 終了
16:00 開始
16:05 アップ(MC:五十嵐)
16:25 オールコート鬼ごっこ
16:30 リバウンドからオールコート1on2
17:05 2on2(ピック&ロール)/ シューティング
17:35 リングタッチダッシュ、シャトルラン×2
17:45 補強(腹筋10回(10種)+腕立て5回)
17:55 終了/ 居残りハーフ3on3(21点先取)
18:05 終了

の間を抜けようとするのは何もできない証拠」「試合でも全部持っていっても最後決めないといけないのは一緒だよ」とのジェリコHCから注意が出る。どのグループもシュートに持っていくのも困難な中、大宮がするりと抜けてダンクを叩き込んで「おお」と周りから声が上がる場面もあった。

その後は2on2でスクリーンプレーの確認。桜井・太田はまだ慣れずに何度か注意されていた。最後にジャンプからダッシュ、補強と体をいじめて、4日目のメニューを終えた。

その後、太田・大宮・西塔/桜井・菅谷・竹内公の6人はさらに21点先取の3on3ラリー。常に僅差で16−16と譲らないが、最後に菅谷が得点して21−16で後者チームが勝利。負けチームはシャトルランのペナルティー。何とか走り終えるが、「西塔が頑張っていないからもう一回」。6人はスプリングキャンプばりのメニューでやっとこの日を終えた。

<ジェリコHC語録>
(補強で苦しそうな選手達に)「カイ(貝塚マネージャー)も一緒にやっているからそんなにきつくないよね。」

フォーメーション確認:
トップからスタート
1on2:
白熱の五十嵐、柏木、柏倉組
リングタッチジャンプ:
余裕の桜井と大宮

<インタビュー>
この日初めて練習に参加した西塔(大東文化大学4年)と大宮(専修大学3年)。西塔は前日の午後練習ラスト30分に合流するという意識の高さを見せ、大宮は身体能力の高さで臆せずプレーし周りをうならせる場面も見られた。

・西塔佳郎
「とにかくびびりましたね…徐々に慣れていきましたが。スクリーンの当たりが全然違って半端なかったです。それでシュートもあまり打てませんでした。フォーメーションもディフェンスもパニックになってしまって、頭がいっぱいで何も考えられないですね(笑)。今はもうついていくしかないです。皆いい人たちなので色々学べたらなと思います。今日は本当に、中1の、体育館の舞台でやり始めた時のような気分でした。」

・大宮宏正
「今回はJBLの方もいたし、高校に入学したて!みたいな懐かしいドキドキ感がありました。やっぱり遠慮してしまったところはあって、それで“打っていいよ”と何度か言われてしまいました。でも午後は自分を出そうと頑張りましたよ。自分の見せ場はリバウンド、ブロック、それから走ることだと思うので、ことりあえずこの3つはやっていきたいですね。リバウンド取れていましたか?それはまぐれです。それから奇跡と偶然もうまく重なり合っただけだと思いますよ(笑)」

1on2での笑顔
大宮シュート
西塔シュート

<コラム>
〈3〉『笑顔の理由』

「自分が呼ばれたのは、やっぱりこれからの選手の手助けという役割を任されているからなんだろうなって思ってます。」
と代表の中で唯一の30代で、11年連続の代表選出となる古田は言った。
手助けのため。しかし、それだけがこの厳しいメニューの中でも笑顔を絶やさないでいられる理由なのだろうか。

「若い頃は何も考えずにやっていたけれど、去年くらいから(代表メンバーが)急に若返ったしね。手助けと考えるようになったのはその頃からかな。」
平均年齢23.3歳。10代の選手が4人おり、初選出の選手も5人。さすがに緊張しているが、彼らが「みないい人だから馴染みやすい」と口を揃えるのはこの古田が笑顔を絶やさずに声を掛けているのが大きい。
「笑顔はね、ごまかしですよ(笑)。自分がキツそうな顔をしてはなぁというのも多少はあるし、やっぱり楽しくやっていかないと。」
世界選手権(2006年)のメンバーに入りたい。北京オリンピック(2008年)に出たい・・・そんな夢を口にする学生選手に比べてとても控えめだ。
「若い選手はこれからがあるけれど、自分はまずこの1年を無事にやり遂げられれば…という感じですね。先のことは特に考えていません。できることをやって、なんとかついていくだけです。」
そうして積み重ねてきたことが、11年目の代表選出につながったのかもしれない。
「今の時期(JBLシーズンインは10〜11月)にこのレベルの練習をしているのはさすがに体力的にも精神的にもしんどいんですけどねぇ(笑)。でも・・・自分のためでもありますね。この歳で選ばれているのは自分だけだし、それがいい結果につながればと思います。前年良かったのが今年につながってきていますからね。チームと代表、両立させるのはもちろん難しいことだけれど、逆に考えれば幸せなことだし、それが自分にとっていいリズムになっているんじゃないかなと思います。なので、出来るだけ続けていければな、と思っています。」

五輪出場を逃した悔しさと、1998年世界選手権出場権を自らの手で勝ち取った喜び。この両方を知る古田は、練習後の別メニューで体力を使い切って座り込む学生選手に1人ずつ声を掛け、この日練習に参加できなかった竹内譲とも少し話をしてから、体育館を後にした。

<取材・文 北村美夏>
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