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三菱、アイシン五分に戻す 2005.3.13

3月13日、JBLはスーパーリーグプレーオフセミファイナルを川越運動公園総合体育館で行った。

三菱電機-東芝は三菱が攻撃力をいかんなく発揮し快勝。トヨタ自動車-アイシンはトヨタも粘ったが、アイシンが勝負所で決めるらしさを見せて五分に戻した。 


<スーパーリーグプレーオフセミファイナル>
3月13日(日) 会場:川越運動公園総合体育館

TEAM
 



 
TEAM
103
23
1st
16
92
 
三菱電機
30
2nd
26
東芝
31
3rd
18
 
19
4th
32


中も外もの21得点の活躍をした
三菱 #11鵜澤
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三菱、東芝のファールトラブルをついて確率の良いシュートを量産


スターティングメンバー

三菱電機:#1沖田、#6松島、#10大野、#21ラング、#22へール
東芝:#5ルイス、#6クラインシュミット、#8節政、#34伊藤、#51北

 三菱は立ち上がりから2-3ゾーンを敷くが、東芝#51北がすかさず3ポイントシュートを決める。さらに連続してシュートを決めていくが、三菱も#6松島がつなぎ残り3分30秒14-14と譲らない。だがここで#22へールに代わった#11鵜澤が3ポイントシュートとフリースローを決めて抜け出すと、その後も東芝#34伊藤・#5ルイスからうまくファールをもらってチームファールによるフリースローを決め、23-16と先行する。

 第2クォーターも三菱#6松島がタッチ良くジャンプシュートを決め、29-18と2桁差をつける。さらに東芝#5ルイスがポジション取りでチャージングを取られ、さらに異義を唱えてテクニカルファールを吹かれ4ファールとなってしまう。東芝は#6クラインシュミットがつなぐが、#5ルイスのいないゴール下で三菱#11鵜澤・#21ラングらが続けてリバウンドシュートを決めていき突き放す。だがここから東芝#34伊藤がフリースローをもらって少しずつ詰め、残り10秒で#6クラインシュミットが1on1を決め53-42として望みをつなぐ。

だが第3クォーター、三菱#21ラングの連続得点で始まると、さらに#9梶山・#10大野が続けて3ポイントシュートを決め65-48とする。東芝は#34伊藤がインサイドでつなぐが、三菱#6松島に返されタイムアウトを取る。だが三菱の勢いは止まらず、再び#9梶山・#10大野の連続3ポイントシュートが決まって一気に80-56とする。東芝は#8節政がチームファールのフリースローを決めるのが精一杯となる。

  第4クォーターは開始2分で三菱#6松島が4ファールとなりベンチに下がるが、代わった#11鵜澤が前半の好調を維持して気持ちよくシュートを決める。東芝は#5ルイス・#11折腹が少しずつ返し、#3佐藤・#7板倉も思い切りよく攻めて点差を詰めるが、それまでの差が大きく三菱が逃げ切った。
(北村美夏)
東芝・鎌田ヘッドコーチ
「前半、#5ルイスがファール4つとファールトラブルになり、インサイドが弱くなったところを突かれました。その後そこ(インサイド)をいかにおさえようかというところでしたが中途半端になってしまい、そこからアウトサイトのディフェンスもルーズになって確率良く決められました。それでも前半を何とか11点差でしのいだので、後半は#5ルイスを戻して1つ1つ詰めていこうとしました。それで出だしは良かったのですが、やはりファールできないのでインサイドが弱くなって、そこからディフェンスが崩れていってしまいました。
(ハーフタイムの指示は)#5ルイスがファール4つということで、ディフェンスのローテーションをすること、それからダブルチームで簡単にプレーさせないようにすること。さらにボックスアウトを徹底するよう指示しましたが、徐々にほころんでしまいました。
(3戦目に向けては)やることは一緒なので、原点に戻ってディフェンス、リバウンドをしっかり取ってそこから走るバスケットをしたいです。自分達のバスケットを徹底してやります。」

東芝・#11折腹キャプテン
「昨日とうってかわってうちの1番悪いところが出てしまった、それが全てでした。ディフェンス面で前半50失点というのはもううちとしては負けゲームなので、明日はディフェンスを集中して頑張りたいです。」

三菱電機・福島ヘッドコーチ
「昨日は自分達で壊してしまってちょっと悪すぎたんで、今日は自分達のやってきたこと、準備してきたことを100%コートで出せと指示しました。オフェンスもディフェンスもそれが1番でしたね。それに選手がコートで応えてくれました。修正したのは#21ラングの1on1に対してのフロアバランス、どこがあいているかですね。皆がそれを1日で理解してくれてうまく機能しました。(ゾーンディフェンスは)#22ヘールの怪我があったことと、昨日と違うことをしたかったからです。
(3戦目に向けては)明日は総力戦になると思います。特にうちは#22ヘールがいないですしタフなゲームになるでしょう。クロスゲームした時に、大野が言ったように(東芝)#5ルイス、特に#6クラインシュミットを最後のところでどう抑えるか、またうちがどう点を取るかになると思います。基本的にオフェンスもディフェンスもアグレッシブを心掛けて、やってきたことしかできないのでそれを出せばいい勝負になると思います。」
三菱電機・#10大野選手
「ロン(#22ヘール)がいなくてチームとしては苦しかったけれど、逆に開き直れたというか、ロンのためにもといいプレーができたのが良い結果につながったと思います。
(東芝#6クラインシュミットとマッチアップ、3Qにはファール受けたが)外国人選手につく時に、僕らに1番必要なのは冷静さを保つことで、もしひじやラフプレーがあっても試合中に返すようなことはしない、と思っていました。その時もシュートにいった後当たっただけだよと言ったらお前とは試合が終わるまでしゃべらないと言われただけです(笑)。(特にクラインシュミットは東芝のキーマンですが)今回は#5ルイスのテクニカルファウルもあったしうちにいい流れがきてゲーム的にも楽でし
たが、2人(ルイスとクラインシュミット)が揃った時にどうつくかが課題ですね。個々の力でやってもらった方がやりやすいので、2人でするプレーを分断していけるようチームとして守っていきたいです。」

三菱電機・#11鵜澤選手

「昨日ものすごく恥ずかしい負け方をしてしまったしロンの負傷もありました。でも今日は大野さんも言ったように、みんながロンのためにという気持ち、またこれまで応援して下さっている人のためにという気持ちで頑張れたので、それを明日も続けたいです。
(1戦目の後選手同士で話し合ったりしたか)はい、しました。チーム皆で戦うってことを最低限のラインに、まず第1にしてやっていこうとしたのが大きいです。自分達がやってきたと思っていることを全て出せば勝てると思っていました。
(コートに立つ時に心掛けたことは)外のシュートを積極的に狙っていくことと、やっぱりロンがいないのでリバウンドの部分で頑張らなきゃ、からまなきゃという気持ちで入りました。」


<スーパーリーグプレーオフセミファイナル>
3月13日(日) 会場:川越運動公園総合体育館

TEAM
 



 
TEAM
94
18
1st
20
79
 
アイシン
25
2nd
17
トヨタ自動車
27
3rd
22
 
24
4th
20


要所で3ポイントシュートを決め
ガッツポーズのアイシン#2佐古
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アイシン、中外のバランスを見事に修正して勝負強さを発揮


スターティングメンバー

アイシン:#2佐古、#6後藤、#7外山、#22ケーペル、#32ヘンダーソン
トヨタ自動車:#1棟方、#9折茂、#13オバノン、#21マーシュ、#34高橋

 第1クォーターは各選手が積極的にシュート打ち、互いにディフェンスの的を絞らせず互角の展開。第2クォーターはトヨタ#9折茂が3ポイントシュートを、#13オバノンがアイシン#55マッカーサーのテクニカルファールによるフリースローを決め27-22と抜け出すが、アイシンがリバウンドからじわじわと流れを作り、残り3分30秒#2佐古の3ポイントシュートで33-31と逆転する。その後#0小宮・#7外山が速攻・フリースローをきっちり決めて43-37で折り返す。

  後半もトヨタは#9折茂が得点にからむが、アイシンも#32ヘンダーソンらがうまくフリースローをもらってじりじりと差を開き残り5分には55-45と2桁差とする。残り1分をきったところでトヨタ#13オバノンから4つ目のファールを奪い、さらにブザービーターで#6後藤がシュートを決めてとしっかり流れをキープする。
  第4クォーターはトヨタ#13オバノンがバスケットカウントを決めればアイシン#2佐古が3ポイントシュートを返し、アイシン#6後藤がカットインを決めれば#トヨタ21マーシュが1on1を返しと決め合いになり残り5分83-72と差がつまらな
い。トヨタ#21マーシュのバスケットカウントでアイシン#32ヘンダーソンが5ファールアウトし畳み掛けたいが、#2佐古が3ポイントシュートを決め残り2分30秒90-75としてトヨタのタイムアウトとなる。トヨタは#9折茂らが3ポイントシュートを放つがどれも入らない。逆にパスカットから時間を使われ、最後までアイシンペースの第2戦となった。
(北村美夏)
トヨタ自動車・小野ヘッドコーチ
「今日はアイシンの方が非常に良く、色々なところか攻められたのでディンフェスが難しい状況でした。途中うちのオフェンスのリズムが崩れる感じで、イージーミス・シュートミスが出てターンオーバーから相手に簡単にポイントを与えて乗せてしまったなと思います。後半は一進一退でしたが、リバウンドを相手に支配されてしまったのが敗因と思います。
(3戦目に向けて、選手の起用などを含めて)ここで上に行けるか、という試合ですからベテラン・若手関係なく頑張ってくれると思います。点数や流れとの関係がありますが、彼らがコートでベストのプレーを出来るように起用したいと思います。」

トヨタ自動車・#9折茂キャプテン
「負けたことはしょうがないので切り替えて、明日はチームとして1人1人役割をしっかりこなしたいです。それで勝てなかったらうちに力がないとあきらめがつくと思います。今日は
1人1人やっているけれど役割をきっちり果たせていなかったのでここまで離れてしまいました。でもまぁ当初に比べればかなり良くなっているので明日も楽しみです。
(折茂選手の“役割”とは。またそれができていたか)まぁ…フォワードですから、点を取るのが役割であり使命だと思っています。センターがよくスクリーンをかけてくれるようになって攻めやすくなりました。自分としては悪くはないと思います。」

アイシン・鈴木ヘッドコーチ
「昨日のゲームではオフェンスのバランスが悪かったのですが、今日は外からも中からも攻めるオフェンスができたのが良かったです。
(昨日との違いは)昨日は外からのシュートが止まりながらで苦しい感じのものが多く、うまく入らないということで、JR(#32ヘンダーソン)もボールをもらったらパスしないで1on1に行っている状況でした。トヨタは外は強いんですけど、中は弱いということもあって頼りきってしまった。そこで外からアウトサイドを使うフォーメーションを言えばよかったのですが、オフェンスの指示を選手に任せてしまった責任があったので、今日はある程度、中・中となってきた時に外を使う指示を出しました。うちには#6後藤・#7外山という日本のトップのシューターがいるので、ただ出ているだけでは意味がないですから彼らを生かして、それでJRも攻めるという形にしました。選手がよく理解して対応してくれましたね。
(昨日の敗戦のショックはあったか)負けた瞬間に悔しくない選手はどのチームにもいない
ですよね。ただ選手同士のミーティングの時に#6後藤がいいことを言っていて。昔僕も選手に言った事があるのですが、“人間は楽しい時、うまくいっているときなら誰でも頑張れる。負けたり苦しい時に頑張る選手、人間が本当のチャンピオンチームだ”と。うちには、前の日負けたから次の日落ち込んでできないという選手はいません。試合前のミーティングの時、顔つきを見ると今日はやってやるぞ!という顔をしていたのでそういう意味で切り替えはできていたと思います。」

アイシン・#6後藤選手
(今日の試合を振り返って)そうですね。うーん…本当に終始うちのペースでゲームができたことは良かったと思いますが、トヨタも確実にチーム力がアップしています。ただ振り出しに戻っただけなので、明日も勝ちたい気持ちを表現していきたいと思います。」

アイシン・#7外山選手
(今日の試合を振り返って)難しいですね(笑)。今日はアイシンらしい試合運びが出来てすごくよく機能しました。勝因はうちらしいこと、できることをやったことだと思います。
(昨日との違いは)気持ちとかではなく、昨日はJR(#32ヘンダーソン)に多く集めてしまって自分のプレーをなくし過ぎていて、それはコーチからも言われてそうだなぁと思ってかえました。」

<取材・文 北村美夏>
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